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★☆  四国の秘境駅「坪尻」と、年に2日しか営業しない駅「津島ノ宮」 ☆★
前編
(2025 年8月3日)後編はこちら

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  <坪尻駅に到着した「四国まんなか千年ものがたり」。運転停車ですが下車が可能でした>
(青い枠がついている画像は、クリックすると拡大画像が開きます)

1)「四国まんなか千年ものがたり」

 四国 には、1年のうち8月の4日と5日の2日間しか営業しない「津島ノ宮」という駅があり、鉄道ファン には、「日本一営業日が短いJR駅」として知られています。
 今年は8月4日が月曜日なので、金土日祝日に運行しているJR四国の観光列車、「四国まんなか千年ものがたり」を3日に乗り、翌日に 津島ノ宮駅を訪問するプラン を作りました。
 2017年4月に走り始めたこの列車は、多度津と大歩危間を往復する2列車があります。食事時間 とその後の旅程を考え、下りの「そらの郷紀行」を選びました。
 全席がグリーン車指定席の扱いですが、e5489などのネットでは買えないため7月3日に三ノ宮 駅のみどりの窓口を訪れ、「10時打ち」をお願いしました。それでも2人席は売り切れで、4人席の 窓側をなんとか確保しました。食事は座席を確保した人だけが購入でき、こちらはJR西の 「Tabiwa」で購入が可能でした。
 さて 8月3日(日)、新幹線、マリンライナー、普通列車を乗り継いで多度津駅に到着しました。駅前の ロータリーに「四国鉄道発祥之地」のモニュメントがあります。説明板はこちら
 予讃本線(現在は予讃線)と土讃本線(土讃線)の分岐駅で、すべての特急が停まる有人駅です。み どりの窓口の上には「千年ものがたりの始発駅」という大きな掲示がありました。
 発車は10時19分ですが、駅員さんに入線時刻を尋ね、10時5分ごろの入線に合わせてホーム へ。列車は国鉄最後の特急型気動車185系を改造した3両編成で、メタリックな3色に塗られていま す。大歩危寄りの緑色の1号車は「春萌(はるあかり)の章」、青い2号車は「夏清(なつすがし)の 章」、赤い3号車は「秋彩(あきみのり)の章」と、それぞれ大層な名前が付いています。
 左は1号車の運転席後ろから車内を見たところです。2人席、4人席、窓に向いた3人席が混在しています。座席は固定されています。
 乗り込むと女性アテンダントが乗車券、特急券、そして食事の予約を確認しに来ました。そしてドリ ンクの注文をとってくれます。
 ドリンク類とおつまみのメニューは、座席に置かれた「旅のしおり」に載っていました。お土産も 載っており、これは各座席に貼られたQRコードを読み取ってオンラインで注文する仕組みでした。缶バッジと和三盆糖を 買いました。下車前の精算時に、座席まで届けてくれました。
2)スイッチバックの秘境駅
 定刻 10時19分に発車すると、駅員さんたちが手を振ってお見送りしてくれました。
 左は「旅のしおり」に載っている沿線マップと列車のタイムスケジュールです。多度津に加え、善通 寺と琴平からも乗車できます。
 琴平では14分停車し、駅舎に設けられた専用の待合室で、ウェ ルカムサービスとして食事メニューの最初のカップスープが提供されました。
 また待合室から外へ出ることも可能ですとのアナウンスがありましたが、外へ出た人はほとんどいま せんでした。せっかくの風格ある美しい駅舎なのに、もったいないと思いま した。
 列車にもどるとドリンクが届きました。食事の詳しいメニューもあります。下の右側が「冷製のお料 理」です。とてもおいしかったですが、男性にとっては圧倒的に量が少ないと思いました。
 「旅 のしおり」のタイムスケジュールにはありませんが、11時頃に讃岐財田駅に運転停車して、高知行き の特急「南風5号」に道を譲ります。この駅には樹齢700年を超えるダブノキの大木があり、その大 樹のデザインが「四国まんなか千年ものがたり」のシンボルマークになっています。右の写真は今年3 月25日に訪問した際に撮影しました。
 「千年ものがたり」の上り列車「しあわせの郷紀行」では、ここで11分停車して記念撮影すること が可能です。
 讃岐財田を出て、香川・徳島県境にある猪鼻トンネル(3,845m)を抜けると坪尻です。
  1889年5月23日、四国最初の鉄道が多度津を中心に丸亀ー琴平間で開通した時は、「讃岐鉄道」 でした。その後、山陽鉄道に買収され、1929年4月に佃まで延伸した際は「山陽鉄道讃予線」でし た。坪尻はその際、スイッチバックの信号所として谷底に開設されました。鮎苦谷(あいくるしだに) 川の流路を変える難工事だったと、アテンダントさんの説明がありました。
 そして住民からの要望で、1950年1月10日に駅に昇格しました。当時は車道が整備されていな かった西側の山の上にある集落からの利用者があったのです。
 左の 写真は3月25日に普通列車から撮影した写真です。この時は坪尻の停車時間は短かったので、下車は できませんでした。
 前方右側から手前の左側へ延びているのが本線で、向こうが琴平側です。列車が停まっている線路が 引き上げ線です。下 り列車が駅に停まる場合は、まず引き上げ線に入り、運転士が移動して前方へ進み、本線を 横切ってホームへと進んでいきます。
 上り列車の場合はまずホームへ進み、出発時はいったん引き上げ線に入ってから本線へ進むこ とになります。

 今回の停車時間はわずか6分間なので、まずは駅舎の外観を撮影しました。下の写真です。真夏なの で、周 囲は濃い緑に包まれています。周辺に民家はありませんが、ちゃんとした駅舎が残っています。トイレは使 用禁止になっていました。
 狭い待合室には様々な資料や写真が掲示されていました。興味深かったのが、左の写真の右下に見える「地震災害等の場合の旅客避難場 所」です。指定され た避難場所は山道を登って旧国道32号をさらに進み、10kmも離 れた公民館ですが、(注)として、「実際問題としては、坪尻駅引込線はずれに避難するのが最良と思 う」と書かれていました。
 その下には代行輸送時のバス乗り場への案内図があり、山道を登るため、距離は0.5mでも「徒歩 約20分」となっています。
 これが坪尻駅が秘境駅と呼ばれる所以ですね。前に「飯田線秘境駅号の旅」で紹介した牛山隆信さんのサ イト「秘境駅へ行こう!」では、坪尻は堂々の4位になっ ています。
 左は 待合室の時刻表です。普通列車が3往復停まるだけの訪問困難駅です。なお8時29分発の琴平行き は、この駅で14分停車するとの案内が貼ってありました
 普通列車で訪問するならば、その列車に乗って来て途中下車するか、13時53分の上り列車で到着 し、14時53分の下り列車で出発するのがいいかもしれません。
 右は通過列車の時刻表です。
 下の写真は11時35分ごろ、通過する岡山行き特急「南風10号」です。先頭部分に踏み切りが見 えます。ここを左に向かうと旧国道に到ります。
 「南 風10号」を見送った後、上の写真の右側に見える駅名標の向こう側から、こちら側を振り返って撮っ たのが、このページのトップ に掲げた写真です。
 ホームでは、日付入りのパネルを持った記念撮影も行われてい ました。もう少し時間があれば、参加したかったですが、時間が足りませんでした。本当は踏み切りを 渡った側から駅の全景を見たかったです。

 ということで最後の写真は、また3月25日に普通列車で坪尻到着時の写真です。少しカーブした ホームの様子と、上り坂になっている本線との高さの違いがよくわかります。
3)「かずら橋」最寄り駅で折り返し
 予定より少し遅れて坪尻を出発すると、「温製のお料理」が出ました。やはり少ないですね。このあとコーヒーとお菓子(マドレーヌ)でコース料理は終了。 これで税込み5,600円でした。
 列車は大きなカーブを描いて坂を下り、吉野川橋梁(571m)で吉野川を渡ります。4連のワーレ ントラスを中心にした鉄橋は1929年の開通時のもので、並走する徳島自動車道からもよく見えま す。新海誠監督の2022年の映画「すずめの戸締まり」にも出てきました。3月25日に遠望した全景はこちらで す。
 阿波池田を過ぎると、吉野川の渓谷とからんで走ります。左は「小歩危」付近 です。景勝地では列車は徐行しました。
 終着 の大歩危駅に着くと、児啼爺(子泣き爺)が出迎えてくれました。このあたりが伝説の発祥の地とされ ており、 吉野川の対岸には、道の駅に併設された「妖怪屋敷」もあります。
 駅は祖谷溪や「かずら橋」への入り口で、多くの観光客がバスやタクシーを待っていました。
 上の 写真のように、線路と吉野川をまたいでアーチ橋の「大歩危橋」が掛かっています。駅から橋に向かう と、駅の構内がよく見えました。上の写真ではホームに「かずら橋」の模型があり、「祖谷のかずら橋  ここで下車してください」との案内も見えます。
 右は橋から駅を見下ろしました。「千年ものがたり」はここから、14時19分発の「しあわせの郷 紀行」として折り返していきます。
 駅の時刻表を見ると、 特急ばかりで普通列車はわずかです。特に高知方面行きの普通は4本しかありません。
 12 時58分の阿波池田行き普通列車に乗れば、阿波池田で2分の連絡で多度津行き普通列車に乗り継げる のですが、それでは阿波池田駅に下車することが出来ません。短区間ですが、13時5分発の岡山行き 特急「南風14号」に乗って普通列車を追い越し、阿波池田で14分の乗り換え時間をつくりました。
 駅は三角屋根と正面の時計台が目立つお洒落な駅舎です。徳島本線との乗り換え駅で、3面5線の立派な駅で した。
 阿波池田を13時36分に発車し た多度津行き普通列車は、13時53分に坪尻に到着し、すぐに発車しました。
 ここでカメラだけを持った軽装の男性が下車しました。左の写真に写っている男性です。多度津方面 に向かう列車は、この列車が最終列車です。先に坪尻駅の時刻表のところで書いたように、1時間後の 下り列車に乗って引き返すのでしょうか。

 普通列車は14時29分に琴平に到着。猛暑の中、金刀比羅宮の石段を500段登って、「神椿」の パフェを食べ、旅館に向かいました。


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