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★☆ 天浜線と転車台体験ツアー ☆★
(2025年6月7日、8日)
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<天竜二俣駅の東側、車両基地にある転車台。扇形車庫の前から駅方向を望む>
(青い枠がついている画像は、クリックすると拡大画像が開きます)
1)浜松から遠州鉄道で天浜線へ
天竜浜名湖鉄道(愛
称・天浜線)といっても、関西人には知らない人も多いと思います。かつては国鉄の二俣線でした。
特定地方交通線として廃止対象になったため、1987年3月15日に第三セクターの鉄道に転換し
ました。1935年から40年にかけて、4区間に分けて開業し、現在も開業当時の建物などが多く
残っているため、36施設が登録有形文化財です。
なかでも本社がある天竜二俣駅に隣接する車両基地には現役の転車台が残り、なんと列車に乗って転車台の回転を体験するツアーも定期的に行われて
います。これは行かないといけません。
調べてみると、JR東海から「ふじのくに家康公きっぷ」という天浜線訪問にぴっ
たりのきっぷが発売されていました。右 のフリー区間をご覧ください。
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この切符がすごいのは、
2,000
円という料金で2日間有効というところです。その代わり、エクスプレス予約やスマートEXなどの
「EXサービス」を使って静岡県外から来た人しか買えません。EXサービスで新幹線に入場した時に
出てくる「EXご利用票」をみどりの窓口で提示し、切符を購入しました。
浜松駅の北口を出て、左手に進むと高架の遠州鉄道・新浜松駅があります。「遠鉄電車」と呼ばれて
いるようです。昼間は2両編成ですが、12分間隔で毎時5本の運行があります。ローカル私鉄ではあ
りますが、さすが政令指定都市で、人口78万人と静岡市の67万人を大きく上回る浜松市です。駅前
も若者の姿が目立ち、終日にぎわっていました。
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天浜
線との乗り換え駅、西鹿島(にしかじま)は三角屋根のお洒落な駅舎でした。実質は遠州鉄道の駅で、
天浜線は1面1線の3番乗り場に発着します。
やってきた掛川行きはTH2100形気動車2114号機で、ヴォーカロイド「音街ウナ」のラッピング列車でした。車内はクロ
スシートもありますが、初めての路線なの で、もちろん最前部で鉄っちゃん乗りです。
西鹿島を出るとすぐに天竜川を渡ります。トラス3連と桁橋7連で橋長403m、1940年に架け
られたこの「天竜川橋梁」も登録文化財です。左に見えるのは国道362号の「鹿島橋」です。こちら
は1937年架橋のカンチレバートラス(ゲルバートラス)橋で、橋長216m。土木学会推奨土木遺
産になっています。
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2)天浜線の中心、天竜二俣駅
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天竜川を渡り、二俣本町を過ぎると次が天竜二俣で、10時44分に到着しました。現在は島ホーム2面の3線ですが、左の写真の通り、駅舎前にもホームの
ある大きな駅です。国鉄時代は「遠江二俣」という駅名で、1940年6月1日に開業しています。
駅舎の前の線路は、ミニトロッコ用と して使われていました。
駅舎に入ると狭い待合室は大混雑していました。転車台ツアーの受け付けは11時からですが、その
前に列車に乗らない見学ツアーが10時50分から始まるためです。駅前にも大きな案内看板が建って
いました。
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上の
写真の左側に少し見えているガラスの窓口が切符売り場で、ツアーの料金もここで支払います。写真の
立ち位置の左手には「てんはま や」というグッズショップがあり、駅弁も売っています。いつもあるわけではないの
で、駅舎の入り口に看板が出ていました。
入り口の脇には、右のような登録文化財の説明板が建っていました。登録文化財のプレートは駅舎の
壁などに直接取り付けられていることが多いのですが、天浜線では他の駅でも駅前やホームに同様の説
明看板が建っていました。
下が駅舎の全景です。右側が入り口と待合室。中央部がラーメン店「ホームラン軒」。その左側、軒
の長い部分が天竜浜名湖鉄道の本社に
なっています。さらに左手には浜松市天竜区の観光案内所があります。
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ツアーの受け付けを終え、オレンジ色のストラップ付き番号札を首にかけます。定員は50人で、子供連れが多かったです。
2番、3番ホームで乗り込む列車を待ちながら、駅舎のほうを見ると、1番乗り場の駅名表が「第3
村」になっています。
これは天竜二俣駅の車両基地が、2021年に公開された映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」に登場する「第3
村」のモデル地となったことによるもの です。
このため天竜浜名湖鉄道と遠州鉄道は共同で、「人類乗車計画」というキャンペーンを行っており、
沿線はエヴァ一色です。
下はホームから遠望した車両基地です。ロンギヌスの槍も見えています。
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3)「洗って!回って!列車でGO!」
車両
基地に向かう列車はTH2100型2110号機、「BUNBUN
TRAIN」でした。上の右はツアーの案内チラシに載っていた構内の略図です。詳しい配線は、えるえる草葉さんのHP「出発進行!!!草葉さん」の「静岡県内配線図」に
ある「天竜浜名鉄道配線図」を見てください。よくわかりま す。

車両基地行きの列車は2番乗り場から出発しましたが、直接基地へは行けません。上の写真のように
基地を右に見て、本線を東側(掛川方向)へ進みます。上下本線が1本になったところで止まり、運転
士が反対側へ移動してバックし、側線の一番南側の線路に着くと、再度運転士が移動し、いよいよ基地
へ向かいます。右の写真は、まだポイントがやってきた方向に開いたままですが、このあと切り替わ
り、真っすぐ前方へ進んでいきます。
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左の
写真は、洗車装置です。ガソリンスタンドの洗車機とは違って、機械は動かず、列車が進んでいきま
す。また前後の面は洗えないため、係員が手作業で洗うそうです。
列車が来ると自動で動くのではなく、運転士さんが窓をあけてボタンを押していまし た。
右はブラシが動いているところです。前面もちょっとだけ洗えています。自動車と同じ緑色です。
左の写真で洗車機の向こうに見えている屋根は、線路の間に人が入れるようになっている点検用の
ピットですね。右の写真を拡大すると、線路の間が凹みになっているのがよくわかると思います。
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ピットを抜けると転車台が目の前です。4線ある扇形車庫もよくわかります。4番にあるのが天浜線の標準色の気動車、2番は湘南電車カラーです。
転車台
の手前、SLの動輪の向こうに見えるオレンジ色のとがったものは、エヴァンゲリオンに登場する「ロ
ンギヌスの槍」です。トップに掲げた写真の反対側から見ています。
転車台の上に進むと、左回りに動いていきます。下の6枚がその様子です。この場面のみ、右から左
へ続いていきます。最前部ではなく、右側のドアの窓から写しています。
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写真では臨場感が伝わらないですね。
左は同行した妻が撮影した動画です。進行左側の座席に後ろ向きに座って撮影しています。他の参加
者が映っているので、画面の左側はかなりカットしています。窓が濡れているので、ちょっとモヤモヤ
しています。
転車台は最初、扇形車庫の1番につながっていましたが、完全に1周するのではなく、4番の車庫の
右側にちょっと見えている簡易ホームにつながる線路で止まり、そのまま簡易ホームに侵入。参加者は
そこで列車から降りることになりました。
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列車を降りると、乗ってきたBUBUN
TRAINが転車台に戻り、回転するのを目の前で観察しました。途中でドアが開閉しました。乗り物ファンとして気になるのは、やはり転車台の運転席という
か操縦席ですね。
右の写真ではわかりにくいですが、拡大すると運転係の人は運転席に座っているのでも、またがって
いる のでもなく、ステップに立っているだけです。別の拡大写真を見ると、
駆動輪?は歯車のようです。また大小のレバーがあちこちに付いていることもわかります。転車台と扇
形車庫の説明板はこちらです。
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4)懐かしい展示品がそろう鉄道歴史館
続い
て1番車庫に隣接する「鉄道歴史館」を見学します。外には転車台に載るSL、C58型99号機の大
きな写真がありました。当時の扇形車庫は6線あったことがわかります。
中に入ると、奥の部屋への仕切りに「新所原」の古い駅名標が掲げてありました。二俣線乗り場に
あったもののようです。現在は知波田駅との間に2駅新設されています。この駅名標が掲げられた部屋
も、映画「シン・エヴァンゲリオン」に登場していました。エヴァの登場人物が出迎えてくれます。
ここでの注目はポスターの前にある「携帯式電話」 でしょうか。
奥の部屋は広く、下の右の写真のように車両基地の立派なジオラマがありました。いつごろを想定し
ているのでしょうか。
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上の
写真は「通票(タブレット)閉塞」の装置一式です。右下の円盤が通票で、壁に掛かっているのが通票
を列車で持ち運ぶためのキャリア(ケース)です。駅で赤い機械に通票を入れ、ガチャンと動かすとポ
イントの切り換えが可能になります。通票閉塞の仕組みについては、「タ
ブレット交換が残る名松線」もご覧ください。
右は映画「シン・エヴァンゲリオン」との関わりを説明するパネルです。庵野秀明総監督のロケハン
の様子や、映画のためにミニチュア模型が作られたことなどが紹介されています。
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歴史
館を出ると、木造建築の脇を通り抜けて駅に戻りました。右手の二階建ては現役の事務所です。正面に
SL時代の貯水槽が見えています。

左手の緑地には神社が設けられ、その先の建物は機関士らの浴室でした。現在はヘッドマーク置き場
に なっていました。これらの建物も登録文化財です。
説明板はこちらをご覧ください。
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5)天浜線の主な駅舎
「家
康公きっぷ」をフルに活用し、2日間にわけて天浜線を走破しました。
右は森の石松ゆかりの遠州森駅。入り口の左手に登録文化財の説明板が建っています。

待合室のベンチは古く、1935年4月17日の開業当時のものでしょうか。
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天浜線の起点である掛川駅は、JR東海道本線の北側に、1面2線の短い頭端式ホームがあります。
狭いコンコースの右手にはJRへの連絡口がありますが、左側の駅前広場へ出ると、階段の上にとん
がり屋根の駅舎が建っていました。
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ここからは西鹿島より西側です。
金指(かなさし)駅はホームと上屋が登録文化財なので、説明板はホームに設置。駅舎にはピザレス
トランが併設されていました。
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左は列車から見た西気賀駅の改札
口です。1938年4月1日開業時の駅舎が登録文化財で、木製の改札口が残っています。

上は1936年12月1日開業の三ヶ日駅です。駅舎はやはり登録文化財で、階段脇に説明板が見え
ます。
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そし
て天浜線の終点、新所原で再びJR東海道本線に合流します。左上の写真のように、天浜線のホームは
1面だけです。奥に留置車両が見えます。
狭いコンコースでは、駅のうなぎ屋「やまよし」が営業しています。テイ
クアウト専門ですが、本格的なお店でした。
駅舎の外観は左の通りで、屋根のある通路でJR新所原駅と結ばれています。こちらは2016年に
橋上駅となりました。
以上で天竜浜名湖鉄道と転車台ツアーの紹介は終わりです。
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