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★ 灘のけんか祭り・写真レポート ★

 播州の数多い秋祭りの中でもっとも有名なのがこの「灘のけんか祭り」。正式に言うと、松原八幡神社の秋季例祭という ことになります。 例年10月14、15両日に行われます。今年はウイークデイでしたが、それでも十数万人の見物客が訪れました。来年は土 日にあたるので、さらに大勢でにぎ わいそうです。
 主な会場は2か所あります。ひとつはもちろん松原八幡神社の境内とその周辺。神社の門前にはちょっとした広場があり、 そこにはプールの客席のような観覧 席が設けられています。(なお、松原八幡神社は山陽電鉄本線「松原の宮」駅のすぐ近く。祭り当日には特急が臨時停車しま す。)
 もう一つは、神社から神社の御旅所に向かう途中にある「練り場」。辻本もここで観覧したのですが、この場所が独特なん です。

 中央に見える三角形の広場が「練り場」。手前の道路は国道250号、通称「浜国道」で、祭りの2日間はもちろん歩行 者専用道路となり ます。正面の山の上、頂上の向こう側に御旅所があり、練り場の左側から坂道が続いています。この山が「御旅山」です。
 御旅山と、国道をはさんだこちら側の斜面は、もともと段々畑だったようですが、今ではすっかり、年に一度の祭りのため の観覧席と化しています。地元の人 に聞くと、普段は草ぼうぼうだけど、祭りの2週間前くらいから草刈りが始まるそうです。
 有料の観覧席ではなく、地元の人たちが親類・友人を招いたり、地元企業が取引先を招いたりするのに使われています。ま た練り場に隣接する家は、練り場側 の部屋の窓を特別大きくしたり、屋根に観覧席を作ったりするなど、やはり祭りに備えた作りになっています。

 この写真で、あふれんばかりの観客の様子がわかると思います。このように、すり鉢の底のような練り場と、それを囲む スタンド状の観客 席の存在が、まるでローマのコロシアムを思わせ、祭りの最高の舞台となっているのです。

 祭りは14日の宵宮からいろいろな行事があるのですが、今回は辻本が間近に見た練り場でのハイライトだけの紹介とさせ ていただきます。
 祭りの起源やいわれなどについて、ごくごく簡単に紹介すると、応仁の乱で消失した松原八幡神社が再建されたとき、赤松 正則が米200俵を寄進し、喜んだ 氏子たちが木組みに米俵を積み上げて御旅山へ担ぎ上げたのが始まりと言われています。また、激しく御輿をぶつけ合うの は、神宮皇后の三韓出兵の際、近くの 福泊の浦に風待ちのために停泊した軍船が、波に揺られてぶつかり合う様子を表したものだとか、これらの軍船にこびりつい た牡蠣をそぎおとそうとするさまを 表したものだとか言われています。いずれにせよ、屋台に秀吉の千成り瓢箪がついていたりするのは、やはり歴史を感じさせ ます。

 さて、最初に練り場に登場するのは、露払い役を務める松原地区の獅子屋台です。

 

 白木の屋台が大きな地響きとともに、二度三度と倒されます。派手に倒すほど、後の御輿合わせや屋台練りが安全に行わ れるとも言われて います。屋台には太鼓をたたく「乗り子」が乗っているのですが、屋台が倒されても太鼓の音は途絶えることがありません。 大変ですね。この太鼓の音は、環境 庁が選定した「日本の音風景百選」にも選ばれています。

 続いて御輿3基が登場します。御輿はそれぞれ、一の丸、二の丸、三の丸と呼ばれています。
 この祭りには旧村の名前をそのまま残す八家(やか)、木場、松原、中村、妻鹿(めが)、宇佐崎、東山の7地区が参加し ており、毎年1地区が順番に御輿合 わせの当番を務めます。そして宵宮では7地区が屋台を披露するのですが、15日の本宮では、御輿担当の地区は屋台練りは ありません。それだけに御輿担当の 人たちは、ここぞとばかりにぶつけ合いを見せてくれます。ことしは八家地区が御輿の当番でした。
 昨年の御輿当番だった東山地区の人に「御輿と屋台とどちらがうれしいですか」と尋ねたところ、「そりゃあ御輿です」と のことでした。


 ごらんのように、御輿は約400キロあるのですが、本当にぶつけ合います。これにたいして、2トンもある屋台は、ぶ つけ合い寸前まで はいきますが、完全にぶつかることはありません。それだけに、御輿のほうがパワーを全開できるのかもしれません。

 倒れた御輿の屋根に登った裸の若者が、御輿の屋根を足でばんばん蹴破ります。御輿は本来神聖なもののはずなのに、不 思議な思いがしま す。
 御輿がぶつかるたび、倒れるたびに練り場を囲む大観衆から歓声が沸き上がります。


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