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★ 三井寺夜桜と勧学院客殿(2004年4月3日)★
1)京都疏水入り口のライトアップ
三井寺の近くを流れる京都疏水の両側は桜の並木になっており、シーズン中は三井寺境内とともにライトアップされます。
中央に見えるのが疏水のトンネルの
入り口。この写真でも、なんとなくペディメント(建物上部の三角形の部分)がわかりますが、ローマ神殿風の意匠が施さ
れ、伊藤博文の筆になる「気象萬千」 との文字が刻まれています。
その上部、正面の山の中腹にも、ピンク色が見えますが、そこが三井寺の観音堂。西国三十三所巡りの第14番で、大津市
街地を見下ろす展望台になっていま す。
写真を撮影したのは、疏水にかかる鹿関橋で、車もあまり通らないため、夜桜見物客で賑わっています。写真の左下隅に
写っているのは、近くにいた人が写真 を写している携帯電話の画面です。
2)三井寺境内の桜
今年の三井寺のライトアップは1日から17日までで、毎日18:30から21:30まで。ふだん
は拝観料500円
ですが、ライトアップ中は入山無料になります。境内には多くの桜があるのですが、今回は小雨模様だったので、勧学院客殿
を見たほかは、観音堂周辺だけに限 定しました。
三井寺境内については、三井寺のホームペー
ジの中の、この境
内 案内図が便利です。今回は疏水にちかい32番の三尾神社横の門から入り、まっすぐ25番の勧学院客殿へ
向か い、その後、11番の観音堂へ。そして 長等神社横へ降りて帰りました。
観音堂の手前はこんな石段の道。両側の桜が頭上に覆い被さっています。左の写真ではあんまり桜らしい色が出てません。
夜景モードで撮影しているのです が、難しいです。それでも、夜のムードは出ているでしょう。
右側の写真は、上を仰いで写してみました。こちらは少しピンクっぽい感じが出ています。実際はもっと素晴らしい美しさ
です。
3)勧学院客殿の特別公開
三井寺には国宝に指定されている建物が4件あります。勧
学院客殿は1600
年に建てられ、同じ三井寺の光浄院客殿と並ぶ書院造りの代表的遺構として、建築史の本には必ず出てくる有名建築です。し
かし、拝観には3人以上で往復はが
きで申し込む手続きが必要なので、あまり知られていません。今回は200円を払うだけで中が見られました。このような特
別公開は、初めての試みということ でした。
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左は勧学院客殿の平面図。美術出版社発行の「カラー版日本建築様式史」から借りました。右が東
になるように、図を回 転させています。
南側の広い2室のうち、左が一之間(12.5畳)、右が二之間(20畳)です。
右上の白い部分が、玄関に続く部屋(半分だけ示されている)です。ここから入って東側の濡れ縁を
通り、南側の濡れ縁へと歩けるようになっていました。こ の図でも濡れ縁の広さがわかるでしょう。
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上の左側の写真は、一番北側の8畳間3室。ふすま絵は水墨画です。404年前の建物と言っても、現在も日常的に使われ
ているのでしょう、天井には普通の
蛍光灯が取り付けられていて、ちょっと不似合いでした。そのかわり、明るいからよく見えます。
右の写真は、二之間の東にある5畳の控え室?のふすま絵。かわいい龍が描かれています。
建物の南側は、庭
園に面した広い濡れ縁になっています。庭園もライトアップされているので、縁側に腰を下ろしてゆっくりと眺
めている人たちもいます。縁側が広いの で、ゆったりとして良い雰囲気です。
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庭園はこんな感じ。池の中には円柱が並んでいて、古い橋脚か何かかなと思ったら、今回の夜間特
別公開のために設けら れた信楽焼の若手陶芸家によるオブジェでした。
正面奥には宝篋印塔が見えます。写真に見えませんが、右手にある宝篋印塔は笠石の平面形が三角と
いう珍品です。
また池の上の木には、モリアオガエルがいっぱい卵を産み付けるそうです。
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さっきの写真では庭を眺めている人のほうが多かったのですが、ちょうど三井寺のお坊さんが部屋の解説をしてくれたの
で、みんな室内に注目です。左手の部
屋が、最も格式の高い「一之間」です。特別公開ではなく、往復はがきで申し込んでの見学だと、部屋の中に入って説明が聞
けるそうですが、これだけの人数な ので、万が一があるといけないので、縁側から中をのぞくだけです。
左が一之間の「四季花弁図」。写真の右側が桜です。右が二之間の「花鳥図」で、写真ではわかりにくいですが、竹の中の
スズメらしい鳥など、何種類かの鳥
が描かれています。いずれも狩野光信の手になる金地のふすま絵で、共に重文です。詳しくは三井寺のペー
ジで。
勧学院客殿は、本来はその字の通り、学問所なのですが、この一之間と二之間に限っては、皇族を迎えたときの対面所とし
ても使われたそうで、このような豪 華な装飾の部屋になっているとのことです。
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勧学院客殿の玄関前にも美しい桜の木がありました。これは客殿の東側の縁側から見たところで
す。
夜桜見物に来て、たまたまこの特別公開を知って、軽い気持ちで見た人も多かったようで、後ろにい
た2人連れの女性は「今日来て、本当によかったねえ」と 満足そうに話していました。
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終わり
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