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特急「ひだ」で長良川鉄道へ
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★☆   特急「ひだ25号」で長良川鉄道へ  ☆★
 
(前編・2024年9月21日) 後編へ

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  <観光列車「ながら」で大矢駅に停車中、制帽をかぶった記念撮影タイムがありました
(青い枠がついている画像は、クリックすると拡大画像が開きます)

1)大阪から高山へ
、貴重な直通特急「ひだ」
 大阪 駅の11番ホームといえば、今ではすっかり「サンダーバード」専用ホームという感じですが、毎日朝 8時ごろ、JR東海のオレンジ色のラインが入った列車が姿を見せます。
 それが高山行きの特急「ひだ25号」です。平日は7時58分発、土曜と休日は8時2分発になりま す。2016年3月25日までは、大阪から長野行きの特急「しなの」も走っていたのですが、現在は 大阪からJR東海管内へ直通する唯一の昼行特急となりました。
 「しなの」の場合は名古屋まで新幹線を利用すればいいのですが、高山へ行くとなると名古屋から岐 阜まで逆戻りするルートになるため、直通特急の存在価値があるわけです。
 この 日は4両編成で、先頭が4号車。1号車は自由席です。2両編成の時もあります。
 予約した3号車は前方が車いす用でした。シートもJR東海らしい色合いです。

 さて「ひだ」に使われているのは2022年7月1日に登場したハ イブリッド式の新鋭気動車、HC85系です。
 ハイブリッド式というのは、ディーゼルエンジンで直接車輪を回す「液体式」、エンジンで発電機を 動かし、その電気でモーターを回す「機械式」とは違い、バッテリーを搭載して減速時には蓄電し、加 速する時はバッテリーの電気も使う仕組みです。
 各車両のデッキへのドアの上には ハイブリッドの説明表示があり、バッテリー使用時には電気の流れがアニメーションで表示され、 「バッテリーアシスト中」の説明が見られました。

 モーターがあるため、車両の形式番号も電車式で、3号車はクモハ85-207でした。
 大阪駅を定刻に発車した時は空席 が目立った車内ですが、新大阪、京都と大勢の乗車があり、外国人観光客も目立っていました。
 新大阪で新幹線の接続待ちをしたため3分遅れとなりましたが、京都の次の草津では2分遅れまで回 復。草津停車の直前に、内側線を走る新快速を追い越しました。米原には1分遅れの9時21分に到着 し、停車時間を1分切り詰めて、定時の9時22分の発車でした。
 大阪ー米原間は平日82分、土曜・休日は78分で、停車駅が少ないこともあって同時間帯の新快速 の86-90分よりも俊足です。
 そして岐阜には定刻9時56分、3番ホームに到着しました。
 さて せっかくの俊足特急ですが、岐阜では15分も停車します。ここで名古屋から来る「ひだ5号」と連結 するためです。ホームの乗車位置案内を見ると、「ひだ5号+ひだ25号」は堂々の10両編成となり ます。「ひだ25号」は高山行きですが、「ひだ5号」は少し先の飛騨古川まで行きます。
 連結作業を見学するためホームに降りると、「ひだ25号」はドアが閉まり、大阪方面へ引き上げま す。そして向かいの4番ホームに名古屋からの「ひだ5号」が到着しました。保線係員が停車位置を白 旗で示しています。
 そして大阪側から「ひだ25号」が近づき、直前で停車。係員が線路に降りて連結器周辺を点検し、 ホームに戻って緑と赤の2色の旗で誘導し、連 結が完了しました。多 くの人が作業を見守っていました。
 岐阜 から高山本線に入ります。これまでの東海道本線と違い、高山本線は単線ですが、10両となった列車 は時速100キロ前後で快走します。
 岐阜からは観光特急らしく、車内放送で沿線の見どころ案内も始まりました。左の写真は、鵜沼到着 前の右側、国宝の犬山城天守が見えたところです。城山の手前には長良川が流れています。鵜沼を過ぎ ると、少しですが長良川に近づき、日本ラインと呼ばれる美しい風景を見ることができます。
 そして定刻の10時30分、美濃太田に到着。大阪からは2時間28分の快適な旅でした。
 ここで長良川鉄道に乗り替えます。
2)清流満喫、楽しい観光列車「ながら」
  美濃太田からは長良川鉄道の 観光列車「ながら」で、郡上八幡へ向かいます。美濃太田は橋上駅で、JRの改札を出て左へ向か うと、「長良川鉄道のりば・きっぷうりば↘」の表示があり、階段を降りると、窓口と自動券売機 がありました。
 観 光列車「ながら」は、長良川鉄道の看板列車 で、到るところにバナーやポスターが掲 げられています。
 週末や休日を中心に運行され、食事付きと食事なしのコースがあります。今回は美濃太田10時 45分発の食事なし「ビュープラン」で、12時16分着の郡上八幡まで乗車します。
 乗車整理券は1人510円で、事前にネットで予約し、乗車券1380円は券売機で購入しまし た。
  列車は2両編成で、前寄り1号車の「森号」(ナガラ300形301号)がビュープラン用、2号 車の「鮎号」(同形302号)がランチプラン用になっています。赤いじゅうたんで出迎えるアテ ンダントさんにスマホの予約確認書を見せて乗り込みます。
 定員制自由席なのですが、「混雑時は座席を指定させていただく場合がございます」との注意書 きの通り、4人掛けのボックス席に手書きの名札が貼ってありました
 座席に扇風機が置いてあります。今年の猛暑に列車の冷房装置が十分な力を発揮できない場合が あるためとの説明でした。
 車両はJR九州の列車デザインで知られる水戸岡鋭治さんが手がけており、木材を多用 し、のれんをあしらうなど和風の仕上がり です。
  さて長良川鉄道は、もともと国鉄の越美南線で、1923年(大正12年)10月5日に美濃太田 から美濃町 (現・美濃市)まで開業。順次北へ延伸し、1934年(昭和9年)8月16日に北濃まで全線が開通しまし た。今年が全線開業90周年にあたり、10月12日には関駅周辺で記念感謝祭が 開かれます。

 「南線」との名の通り、福井県側の越美北線と結ぶことを目指していましたが、それは果たせ ず、1984年には第2次特定地方交通線として廃止が承認されました。しかし地元は第三セク ターとしての鉄道存続を選び、1986年8月に長良川鉄道株式会社が発足しました。国鉄からの 転換は同年12月11日で、路線名としては現在も越美南線が使われています。
 左はJTB時刻表2024年3月号の巻頭路線図を拝借しました。見てわかる通り、長良川鉄道 はローカル私鉄としては長いほうで、営業距離は72.1kmに及びます。

 さて「ながら」は定刻10時45分に発車。すぐにアテンダントさんによる説明と沿線案内が始 まります。風景だけでなく、すれ違う車両についても説明がありました。下の左側は富加駅ですれ 違った「ナガラ300形307号」で、沿線の郡上市の 地場産業である食品サンプルを車内に展 示しています。
  上の右は同社の本社がある関駅で、「ナガラ500形502号」と、さくらももこさん原作のまん がが描かれた「503号」が見えます。

 長良川鉄道はその名の通り長良川に沿って走り、何度も川を渡るのですが、進行左側に川が見え るほうが多かったです。今回の座席は右側なので、川の写真は少なめです。右は木尾ー八坂間で見 えた天然のアユを捕る「ヤナ場」です。これもアテンダントさんのアナウンスでわかりました。
  2両編成の「ながら」にはトイレがありません。ホームーページの「美濃太田駅乗換案内」にも、車両にはトイレが ないため「JRの改札を出る前に改札内 のトイレをご利用いただくと便利です」と書かれています。
 しかし「ながら」は、時刻表に載っていない「トイレ停車」がありました。11時35分ごろか ら約10分間、大矢駅に停車しました。対向列車との行き違い町を兼ねた停車です。左の写真、立 派な木造駅舎の右に列車が見えます。
 この駅は1927年10月9 日に美濃下川駅として開業し、86年の長良川鉄道への転換時に大矢駅に改名しています。越美南 線は、このような古い木造駅舎が多く残っていることで有名です。
 停車中、アテンダントさんが 列車の先頭部分に駅名板やヘッドマーク?を設置し、駅員の制帽も用意して記念撮影をしてくれま した。トップに掲げた写真です。
 郡上八幡に近づくと長良川も川幅が狭くなり、清流感が高まります。左の写真は美並苅安ー赤池 間の第三長良川橋梁から上流を見たところです。
  そして定刻の12時16分、郡上八幡に到着しました。「郡上踊り」で知られる沿線随一の観光地 で、2面3線のホームと立派な駅舎があります。
 観光列車「ながら」はここで6分停車し、1両目と2両目を切り離します。横から見ると除雪用 のスノープラウが目立っています。
 「ランチプラン」の 乗客が乗っている2号車「鮎号」は、この駅で運行終了です。そして「ビュープラン」用の1号車 「森号」は終点の北濃まで運行を続けます。
 今回は郡上八幡のリストランテ「雀の庵」でアユ尽くしの昼食を食べるため、こ こで宿泊しまし た。
 「ながら」の1号車では、先頭のアテンダントさんの立ち位置にカウンターがあり、グッズや飲 み物を売っていました。座席には広いテーブルがあるので、お酒を飲みました。郡上市(美濃白 鳥)の「布屋 原酒造場」 の「元文」です。おつまみがなかったのが残念。
 また「な がら」のピンバッジを記念に買いました。 小さいけれど、細部までよく再現してお り、 雰囲気がでていると思います。


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