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珍しい「トンネル駅」を訪問 えちごトキめき鉄道・筒石 ☆★
(2024年4月9日)
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<筒石駅の下り線ホームを発車する直江津行き列車。奥に上り線ホームが見えています>
(青い枠がついている画像は、クリックすると拡大画像が開きます)
1)新線開業で誕生
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4月9日、新潟県糸魚川市にある
筒石
(つついし)駅を訪問しました。ここは上越線の土合(どあい)駅と並ぶ「トンネル駅」として鉄道ファン
には有名な駅です。
以前はJR西日本管内の北陸本線でしたが、北陸新幹線の長野—金沢間開通に伴い、2015年3月
14 日、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの駅となりま
し た。
1912年12月16日に開業したときは、線路は海岸近くを通っており、駅も普通の地上駅でし
た。し
かしこのあたりの北陸本線は地滑りの被害が多く、1969年9月29日、全長11,353mの頸城(く
びき)トンネルなど複線電化の新線開通に伴って、駅はトンネル内に移りました。
左は11時44分着の直江津行き普通列車を降りたところです。ET122型気動車の2号機、1両
編成 です。
発車した列車を見送って写したのがトップの写真です。向こうに反対側の上り線ホームが見えていま
す。上下
ホームを向かい合わせるとトンネルが太くなってしまうため、互い違いの配置になっているようです。
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降り
た
ホームの前方へ歩いて、上り線ホームを撮影しました。黄色い表示灯のところに出入り口ドアが見えます。
上り線ホームの場合、わりとホームの先端に近いあたりに出入り口があります。
これに対して、到着した下り線ホームの出入り口はホームの中央寄りにあります。
下の写真は上り線ホームから見た下り線ホームです。
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上の写真と比べると、出入り口の
黄色 い表示灯がずいぶん遠くに見えます。
また上り線ホームの壁面は出入り口以外に凹凸がないのに対し、下り線ホームは一番手前の出入り口
の手 前に機械室のような凹んだ部分がありました。
また写真を拡大すると、トンネルの断面がここでずれているのがよくわかります。
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話を駅到着時に戻し、上の左の写
真
は、下りホームの先端付近から後方を振り返ったところです。出入り口は遠くに見えます。なお、写真は明
るく写っていますが、実際はもっと暗いです。列車の前面窓から見ていましたが、駅に着いたのがわか
らな
いくらいでした。上の右は列車を降りた場所まで戻り、前方を見たところ。前方は暗く、上り線ホームの存
在はあまりわかりません。ドアは頑丈な引き戸でした。
駅舎に向かう前に、筒石駅の構内図を載せておきます。トキ鉄のページには構内図は見当たらず、
ネット
上を探すと多くの訪問者が図を載せていましたが、どれも少し違うように見えるので、自分で作りました。
案内表示は一部簡略化しています。
図示のポイントは上下ホームの出入り口の位置です。また距離の目安として、駅舎からの階段を下り
てき
た突き当たりに、「下り方面この先50m階段、上り方面この先100m階段」という表示があり
ました。また後で説明する記念入場券や入場証明書に、「上りホームから改札口まで212m、下りホーム
から改札口まで176m」とありました。階段の段数は実際に数えました。上り側が少ないのは、分岐
点からの通路が下っているのでしょうか。
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2)駅舎まで290段の階段を上る
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さて駅舎に向かうためドアを
開けたと
ころが、上の左の写真です。ベンチ状に連なった樹脂製の椅子が8脚並んでおり、ここが待合室です。中に
入ってドアを閉め、振り返ったのが上の右の写真。色々な注意書きが貼ってあります。温度は14
度、湿度は約70%でした。
目立つのが「ここは直江津方面です」という案内。そして「運転士に向かってストロボ撮影をし
ないで」
という注意書きがです。さらに監視カメラで撮影した、線路に降りているグループの写真が貼ってあり、
「危険な行為、悪質な行為は警察に通報する」との警告がありました。情けないです。
さて、上の写真の待合室の突き当たりに手すりが見えています。ここから右側へ上りの階段が始
まりま
す。右の写真です。ここは66段あり、途中に踊り場が2か所あります。待合室や通路、階段は、ホームと
違って明るかったです。
登り切ると、下の写真のように道が左右に分かれています。「出口は左へ」「糸魚川・富山方面
上りホー ムは右へ」という表示があり、矢印がアップダウンを示しています。
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この分岐点から出口方面を眺
めたのが
下の左の写真、上りホーム方面を眺めたのが下の右の写真です。同じ焦点距離(35mm換算で26mm)
で撮影しています。
出口への通路は、矢印の通り少し上り勾配になっています。逆に上りホーム方面は、下向き矢印
にかかわ
らず、水平に見えました。しかし、上りホーム方面の写真を拡大するとわかりますが、少し進んだところで
道が下っています。直線のまま階段が始まっています。
ということは、先に示した構内図の距離感は少し違いますね。このあと出てくる「下り方面この
先50m
階段、上り方面この先100m階段」という表示をもとに、分岐点から左右の距離を均等に描いたのです
が、この50m、100mというのは階段の始まる地点までの距離とは違うのでしょうか。
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出口への通路の突き当たりが
左の写真
です。左側に先に説明した案内表示が見えています。右側へ階段が延びており、反対側の左手は何かフェン
スというか換気口のようになっています。筒石駅は頸城トンネルの工事に使った斜坑を利用してい
るそうなので、左手には斜坑が続いているのでしょう。
1969年9月の北陸本線の複線電化による新線開業に際しては、筒石地区は頸城トンネルと
なってしま
うため、当初は駅を設ける予定はなかったようです。しかし、当然のことではありますが、駅がなくなるこ
とに対して住民の反対が強く、トンネル駅として移転することになりました。
それから54年半、今ではほとんど利用者はありません。今回の訪問時も、ほかの誰にも出会い
ませんで した。
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駅舎へ向
かう階段が右の写真です。224段ありますが、写真でわかる通り段差がとても低い階段なので、それほど
疲れは感じませんでした。
手すりの左側にスペースがあり、上の写真を見ると出入り用の扉が設けられています。土合駅で
は同様の
スペースにエスカレーターが検討されていたようですが、筒石駅はどうなのでしょうか。資材運搬等に使っ
ていたスペースでしょうか。写真ではわかりにくいですが、狭い踊り場が数か所設けられていま
す。
また同じ位置から広角レンズにして手前まで写したのはこちらです。
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3)無人駅ですが、記念入場券を入手
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階段
を上
り切ると短い通路があり、2枚の波板を互い違いに立てた関門のような風よけがあります。その隙間をくぐ
り抜けると駅舎に着きました。
駅舎内でホーム方向を振り返ったのが左の写真です。かつて改札口だったところは、やはり引き戸に
なっ ています。左側の窓口だった部分は板張りで閉鎖されています。
色々な案内や注意書きが貼ってあり、「ここは海抜66m」と記されています。「入坑証明書」によ
ると ホームの海抜は26mとのことで、深さ40mとなります。
記念スタンプ、思い出ノート、記 念入場券の案内もあり ました。
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左が糸魚川駅に戻ってから購入し
た
「来駅記念入場券」と「入坑・入場証明書」です。右側半分は帰ってから裏面をコピーして並べました。
記念入場券は台紙付きで、真ん中で内側へ折り畳むようになっています。今では珍しい大人用190
円と
小人用100円の硬券2枚セットで、駅員さんが日付スタンプを押してから台紙に挿入してくれました。
証明書の裏面には駅のデータが記されています。表面には「ここに証明します」と書かれた下にス
ペース があるので、ここにも日付印を押してほしかったです。
特殊な駅のため国鉄、JR時代を通じて有人駅でした。ウィキペディアが引用している2011年の朝日新聞記事によると、当時の乗降客は1日約100
人 で、駅員さんは列車の到着ごとにホーム まで往復していたそうです。
トキ鉄になってからもしばらくは有人駅でしたが、残念ながら2019年3月16日から無人駅とな
りま した。地元紙の記事はこちらです。2010年制作の駅の案
内動画もついており、複数の利用者が映っていました。
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4)上り線ホームへ280段を下る
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12時35分発の泊行き普通列車に乗るため、上り線ホームに向かいます。下り線ホームとの分岐点か
ら先
を見たのが左の写真です。先に紹介した写真より望遠ぎみなので、少し先で通路が下っているのがわかりま
す。
その階段が下の左の写真で、ここは16段あります。踊り場で左へ曲がると、下の右の写真のよう
に、さ
らに40段の階段が続いています。この踊り場は直角ではなく鈍角に曲がっているので、先の構内図では、
この40段の階段部分はホームと平行なのかもしれません。
階段の下に上り線合室の椅子が見えています。ここも8脚です。ホームへのドアには「ここは糸魚川
方面です」とあります。ドアの上に列車到着の表示器がついています。
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