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★☆ 鉄道中心 台湾の旅(2023 年2月24日〜3月3日)☆★
第3章 観光&街並み編その3(3月2日〜3日)


故宮博物院には様々な龍が生息。これは2匹の龍が向かいあったフタがあ る食器です
・青枠の写真はクリックすると大きい写真が開きます。


 6) 台北市  国立故宮博物院(3 月2日)



国立故宮博物院の最寄り駅、台北捷運(MRT)士林駅を出ると、
こんなキャラクターが、バス停を案内していました。
博物院で最も人気のある「翠玉白菜」のキャラですね。

ところが今回、その「翠玉白菜」は嘉義県にある「南院」へ出張中で不在でした。
博物院のホームページに も書いてあったのですが、
書き方がちょっとあいまいだったので、もしかしたらもう戻っているかもと
思っていたのですが、やっぱり不在でした。



「翠玉白菜」と「肉形石」の専用ルームである「302」室に入ると、
「翠玉白菜」の代わりに、ガラスケースにはボール投げをする熊が並んでいました。



奥は漢代の銅器で、手前が清代の玉器。乾隆帝が漢の銅器を 模したそうです。



302室のもうひとつの主役、「肉形石」のほうは大勢の人が取り囲んでいたのに、
熊さんは人気がなく、ちょっとかわいそうでした。


さて、士林駅に話を戻して、
バス停は駅の少し北、中正路にあります。

 

バス停には系統によって到着場所が違うことが書かれていました。
これは博物院のホームページにも載っていたので、事前に調べていました。
まあ、来たバスに乗ろうと思っていたところ、「紅30」がやってきました。



多くのバスは、広場左手のバス停に停まりますが、
このバスは右手の専用通路を進んでいきます。



これは上の写真の正面階段の左手に建っていた案内図です。
本当はここから階段を上っていくほうが、徐々に期待が高まっていくのでしょうが、
今回は直接、正館(本館)に到着しました。



自動券売機でチケットを買います。入館料は大人1人350元です。
この時のクレジットカードのレートが1元=4.569円なので、
1人1599円。内容を考えると安いですね。


貧乏性なので、館内はひととおり見学しました。
じっくり見ていると、いくら時間があっても足りないので、
今回は展示品の「龍」に注目してみました。



最初は商の晩期の青銅器、「乃孫作祖己鼎」です。



「商」というのは、かつては「殷」と呼んでいた時代で、
紀元前16世紀〜11世紀です。古いですね。



次も商晩期の青銅器、「蟠龍紋盤」です。「
蟠龍」とは、ト グロを巻いた龍のことです。
説明文を写すのを忘れましたが、図解がありました。



「夔龍(Kui Dragon)」というのは、龍に似た1本足の怪獣のようです。
中国の漢字は奥が深いです。
足は頭部の両側に2本あるように見えますが、
これは太いのと細いのと、2匹の
夔龍がトグロを巻いているようです。

 

次は西周早期(紀元前11〜10世紀)の青銅器、「双龍紋簋(き)」です。
簋」とは、穀物を盛る器のことで、英語では「food container」となっています。
これは正面から見ただけでは、どこが龍なのかわかりません。
横に説明図があり、上から見られるようになっていました。
このページのトップに掲 げた写真が、上から見たと ころです。

このデザインセンスはすごいですね。
説明文にはありませんが、2匹の角の形が違います。雌雄2匹なんでしょうか。

 

次は一気に時代が近づいて、明の染付、「青花雲鳳紋獣耳環瓶」です。
これは龍というより、美しい磁器だったので目に留まりました。

英語の説明で は「doragon」と ありますが、
これは中国語の通り、龍ではなくて、「鳳」ですよね。
でも、ラドンのようにも見えないこともないです。
それにしても、取っ手の部分に環がついています。これも磁器なのがすごいです。



次も明の時代、「三彩雲龍紋 盤」です。
これは、我々が普通に思う龍の姿です。表情はひょうきんです。



次は清の時代、「粉彩鏤空雲 龍紋転心冠架」です。
これはさっきの龍よりも威厳があります。でも色は地味ですね。
透かしを入れた帽子掛けなんですが、
「転心」というのは、説明を読む と、球体の部分がクルクル 回るようです。



次も清の花瓶、「緑地魚龍図花式瓶」です。
こいつは派手ですが、顔がピンクなのはどうでしょう。威厳はないですね。



最後は時代が明に戻って、「青銅龍形筆 架」です。
これは実用品ですね。お土産用のレプリカがあれば欲しかったです。
ヒゲがないので、あんまり龍らしくないですが、小首をかしげたポーズが可愛いです。


これで龍の採集は終わりです。
もっといたと思いますが、見つけられませんでした。

あと展示品で2点だけ紹介しておきます。
ひとつは2022年から始まった、所蔵の「国宝」にスポットライト当てる
「国宝聚焦」のコーナーです。



今回は、「赤壁賦」で知られ る宋代の文学者「蘇軾(蘇東坡)」の手紙「到知県 朝奉尺牘」です。
拡大すると、活字の説明文が見られます。
博物院のHPにある日 本語解説を読むと、
1101年に亡くなった蘇東坡が1100年に書いた「絶筆」だということです。


 

もうひとつは清代の象牙細工、「雕象牙九層 塔」です。
 中国の細密細工品は、通販で買うことも出来ますが、
この塔の透かし彫りなどは、何度見てもすごいです。


これで展示品の紹介は終わりです。
1階のショップで、お土産に「青花紋しおり(竹)」を買いました。
博物院のネットショップで紹介されているのは桜材ですが、
下のほうの写真で左側に並んでいるのが竹製です。



帰りは外観を眺めるため、正面のバス停まで歩きました。



正門に掲げられた「天下為公(天下をもって公となす)」は有名ですね。
「礼記」にある「天下国家は公のものである」という言葉で、
孫文の書です。額の左下に書名があります。



 7) 台北市 著名建築と街の風景(3月2日-3日)

あとはおまけで、台北の街の風景です。



最初は「中華民国総統府(旧台湾総督府)」です。逆光です。
手前のクルマがジャマですが、正面は広い道路なので、撮影できません。
日本統治時代の建物が、今での本来の役割で使われているのはすごいことです。
今回は外から眺めただけですが、見学も可能なので、再訪したいです。



こちらは「国立台湾博物館(旧 台湾総督府博物館)」。
ドームとギリシャ神殿風の列柱が立派です。



「国立台湾博物館古生物館」です。
日本統治時代は日本勧業銀行台北支店で、その後「台湾土地銀行本店」を経て、
博物館の別館になっています。
日本でも、銀行建築は博物館になることが多いですね。
後ろにそびえているのは、「台北101」が出来るまでは台北で最も高い建築だった
「新光人寿保険摩天大楼」です。



こちらは「台湾銀行本店」。現役の銀行です。
日本統治時代の建築で、当時も「台湾銀行」という名前でした。




ここは永康街と金華街の交差点にある「錦華緑地」です。
食べもの編その2」で紹介した「二吉 軒豆乳」の向かい側です。
どうってことのない街角の緑地なんですが、
パリの小広場を思わせる雰囲気が感じられ、思わず写真を撮ってしまいました。



観 光&街並み編その1」で紹 介した迪化街の近く、
安西街9巷にある古い建築です。
偶然通りがかった、目に付いたため写真に収めたのですが、
あとで調べると、国家文化資産の「歴史建築」として登 録されていました



こちらは迪化街の東側にある「大稲埕慈聖宮」です。
大きなガジュマルの木の下で大勢の人が食事をしている風景が
ガイドブックでよく紹介されています。



慈聖宮の すぐ北側、涼州街と延平北路二段の交差点に、
延平北路二段 をまたぐ立派な歩道橋がありまし た。
東側には「太平国民小学校」、西側 には「永楽国民小学校」という
いずれも風格のある立派な小学校が あり、
門柱のように「太平」「永楽」の名 前が刻まれています。
後で調べてみると「平楽人行陸橋 (俊成橋)」という名前がついてい るようです。
写真を撮っている場所の背後には、 「仁安医院」という歴史的建築もあ ります。



歩道橋の横を北上し、MRT大橋頭 駅を目指して行くと、
横道(延 平北路二段247巷)が市場に なっていました。
「太平市場」という名前がついてい るようです。
観光客のいない、地元の人たちの市 場でした。



タクシーで松山空港に向かう途中、 空港近くの「敦化北路」は
2列の街路樹が大きく、まるで公園 のような通りでした。
これが今回の台湾の最後の印象的な 風景でした。


以上で「鉄道中心 台湾の旅」の記録は終了です。