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★☆ 鉄道中心 台湾の旅(2023 年2月24日〜3月3日)☆★
第1章 鉄道編】その3  (自強號で、台南から台中へ)


<台鐡台南駅は、1935年完成の古い駅舎を使い続けている>
(青枠の写真は、クリックすると拡大します)


10)懐かしさ満開の台南駅

2月26日(日)の朝、台南市中心部のホテルからタク シーで台南駅に着きました。
ここから在来線の特急列車で台中へ向かいます。



駅舎の正面にはロータリーがあるのですが、道路が渡れません。
斜めからの写真で我慢です。玄関部分は覆いがなく、アーチが目立っています。
中に入ると、天井の高い、クラシックな空間が広がっていました(トップの写真)。
左手前に見えるブースは「服務台(Information)」です。



列車案内板の下、改札口を通してホームまで見えています。
この改札は入り口専用です。シンプルな構造です。

台南駅は1900年に開業し、現在の駅舎は1936年に完成した二代目です。
設計者は台湾総督府鉄道部の技師・宇敷赳夫(うしき・たけお)です。
1998年に国の文化財「国定古蹟」に指定されています



入り口側を振り返るとこんな感じ。
入り口のアーチに合わせた、アーチ型の窓が美しいです。



壁面は覆われており、保存・修復工事の様子が写真で紹介されていました。
ゆっくり見られなかったのが残念です。

駅舎の2階部分はかつてホテルとレストランが営業していました。
最初の写真で、2階部分のアーチの後ろに通路がありことがわかります。
現在の工事は、それを復活させる工事でもあるようです。



そういえば前日に見た外側の覆いには、
「鉄道旅館」「再現」の文字が見え、2階の平面図らしきものが描かれていました。
ちゃんと見ておけば良かったです。

 

玄関ホールから奥へ進むと、左側に有人の切符売り場があり、
右手に自動券売機と待ち合いスペースがあります。こちらは広々としています。
連休2日目の午前ですが、券売機に行列はありません。



自動改札は日本と似たタイプです。
多客期のためか、黄色いベストを来た台鐵のスタッフが控えていました。
改札をくぐったところには、「臺鐵弁當本舗」のノボリが見えます。
台鐵の駅弁は有名です。

この改札は、モバイルチケットで通ります。

 

「台鐵e訂通」の初期画面の上の「Ticket」のところに、購入した切符の数が示されます。
(上の写真は帰国後にキャプチャしたので、ゼロになっています)。
開いて購入した切符の一覧から、該当の切符を表示したのが右の写真です。
使用済みの切符も、「過期車票(Expired Ticket)」から見ることが出来ます。
自動改札の受光部にかざすと、無事に入場できました。

 

ホームの屋根から下がっている駅名票もクラシックです。
新しいタイプは駅舎の写真入りでした。
どちらのタイプも、隣駅までの距離が書かれています。



10号車の乗車位置から後方を眺めたのが上の写真。
大勢の人が待っています。

ホームの屋根を支える柱と梁は、レールを使っています。
「古いレール」と書いている本もありますが、
片倉佳史さんの「台 湾に残る日本鉄道遺産」に よると、
「使用済みのものではなく、柱用に特別注文されたもの」とのことです。

古い駅の中で、後付けのエレベーターが異彩を放っています。
ホームは2面3線と単純な駅ですが、
左手の島式ホームの背後で、駅の地下化の工事が行われています。
将来は駅舎はそのままで、ホームは地下に設けられるのでしょうか。


11)台鐵の主役「自強号」を満喫



乗車する9:46発の特急列車「自強號116」が到着しました。
この写真ではわかりにくいですが、フランスのTGVのように、
動力車2両が、客車12両の前後に連結される「プッシュプル」タイプのE100型です。
動力車は南アフリカ製、客車は韓国製です。

台灣鐵路管理局の2021年版「統計年報」によると、
このタイプの動力車は63両、客車は381両が運用されています。

 

座席は10号車の46と48。
座席番号は1号車寄りの窓側から始まる通し番号で、
窓側2席の次が通路側2席の番号になります。

特別車両のない全車普通車ですが、座席間隔は広く、スーツケースが入りました。
簡素ですが足置きもあります。
車端部の銘板を見ると、この車両は1997年、韓国の「現代ロテム」社製でした。



高速鉄道と違って、在来線は次々と駅が現れるので、見飽きないですね。
上は嘉義(Chiayi)駅の側線にいた通勤型電車、EMU700型ですね。
沙崙線で乗ったEMU500型の後継車、EMU600型の更に後継車です。

この嘉義駅は、阿里山森林鉄道の乗り換え駅なんですが、
座席は反対側の海側だったので、確認できませんでした。

「自強號116列車」は台湾南部の屏東(Pingtung)を8:45に出発し、
九曲堂、鳳山、高雄、新左營、台南、新營、嘉義、斗南、斗六、員林、彰化と停まり、
11:43に台中に到着します。
さらに豐原、苗栗、竹南、新竹、中壢、桃園、板橋と停まって、14:00に台北に到着。
さらに松山、汐止にも停まり、14:32に終点の七堵(Qidu)に到着します。

台南–台中間は187.3kmで、表定速度は96.1km/hとなかなか俊足。
始発から終着までだと、414.8kmを5時間47分で走るので、表定速度は71.7kmになります。



座席は車端部に近く、車軸の上なのでよく揺れました。
上の動画はドアの上の案内テロップです。近いのでよく見えました。
漢字なので、中国語でもなんとかわかります。面白いので見入っていました。
何種類かがあり、これはコロナ感染予防が入っているタイプです。

最初に出る「下一站」というのは「次の停車駅」という意味で、
公共交通機関を利用する場合、覚えておく必要のある中国語です。
特にバスで、この表示が出てくれると大変ありがたいです。

彭化駅で海 線(Coast Line)乗り換えと案内がでていますが、
台湾北部の基隆から南部の高雄まで、西側を通る「縦貫線』は、
台中付近で2ルートに別れており、
海線(海岸線)、山線(台中線)と呼ばれています。
台中線の名の通り、台中駅は山線にあります。

なお先の台鐵管理局の路線図によると、
厳密に言えば縦貫線は海岸線ルートで、
山線は「台中線」として独立して表記されています。

彰化(Changhua)駅は、両線の南側の分岐点にある主要駅です。
列車運行の拠点なので、色々な列車が見られました。



左のオレンジ色は、入れ換え用のディーゼル機関車DHL100型です。
1号機は日本の新潟トランシス製で、
その後の15両は部品を輸入して台湾で組み立てたようです。

右側の明らかに新しそうな車両は、2021年末から運行が始まった
最新型のEMU3000型電車です。日本の日立製です。
12両編成で、台鐡としては初となる「商務車」(ビジネスクラス)があります。


自強号のE100型も見えます。台鐡の主力機です。



彰化駅に到着すると、隣のホームから電気機関車が引く列車が発車しました。
急行列車にあたる「莒光号(きょこうごう)」のようです。
機関車はアメリカ・ GE社製のE200型215号機です。
時刻表を見ると、この時間の列車はみあたらないんですが、
11:21初の列車が遅れていたのでしょうか。



彰化駅には現役の扇形車庫や転車台が残っていて、観光名所になっています。
駅を発車してすぐに見えましたが、うまく写真に撮れません。
ようやく撮れたのが上の写真。煙突が並んでいるところが扇形車庫です。
写真を拡大するとわかりますが、展望デッキに、大勢の人がいます。
オレンジ色はアメリカ製のR150型ディーゼル機関車です。

 

さて、彰化駅を出ると、左側に複線の線路が平行します。海線です。
しばらく並走し、台中市との境界の河川・烏渓を渡ると、左へ分かれていきました。
分かれるとすぐ、山線には成功駅、海線には追分駅があり、
両駅をつなぐ短絡線「成追線」が設けられています。



そして定刻の11:43、大 屋根がホームを覆う台中駅に到着しました。
連休2日めですが、大勢の人が降りました。



最近の日本の新幹線や特急列車は、窓が小さくなっていますが、
自強号の窓は大きくて、懐かしい感じがしました。



2分停車で発車していく自強号116列車を見送りました。