▽
お城めぐり
▽ 鉄道中心 台湾の旅
鉄
道編 その1
鉄
道編 その2
鉄
道編 その3
鉄道編
その4
鉄道編 その5
鉄道編 その6
食べもの
編 その1
食べもの編 その2
観
光&街並み編 その1
観光&
街並み編 その2
観
光&街並み編 その3
▽
日本のあちこち
木次線と芸備線の旅
伊 那と山梨の桜
さ よなら500系 のぞみ
苗 代桜と下呂の桜
日光滝めぐり
横浜の建築と産業遺
産
「あさかぜ」「さくら」
三井寺の夜桜
坂の町・金沢
石鎚山登山記録
海から見たしまなみ
海道
来島海峡大橋塔頂体
験
ワンダーランド手柄
山
灘のけんかまつりル
ポ
姫路の地名
▽
Macのある生活
▽
好きなもの色々
▽
リンク
▽ 過去の日記
|
★☆ 鉄道中心 台湾の旅(2023
年2月24日〜3月3日)☆★
【第1章 鉄道編】その5 (瑞芳駅と平渓線)
<十分の中心街をゆっく
り走る平渓線のディーゼルカー。写真の奥に十分駅がある>
(青枠の写真は、クリックすると拡大します)
15)人気上昇中の平渓線へ
台北に戻った翌日、3月1日(水)は、
人気上昇中のローカル線、平渓(Pingxi)線を訪問しました。
平渓線の「十分
(Shifen)」は、線路上からのランタン(天燈)上げで知られており、
最近はほどんどのガイドブックで紹介されています。
平渓線の事実上の起点となる瑞芳(Ruifang)駅は、東部幹線「宜蘭線」の駅で、
台湾で最も有名な観光地のひとつ、「九份(Jiufen)」へのバスの発着地でもあります。
「九份」は英語では、「ジウフェン、ジーフェン、ジーフン」と聞こえ、
日本語の「十分」とややこしいので注意が必要です。
上の路線図は、台湾関係の著作が多い片倉佳史さんの
「台
湾のトリセツ」から拝借し ました。分かりやすいです。良い本です。
さて、ホテル最寄りの台北捷運(MRT)中山駅から、台北駅に向かいます。
MRT淡水信義線のホームは地下4階で、地下3階の改札を出ると、
目の前に台鐵と高鐵の台北駅の改札があります。
台鐵と高鐵を間違えないように、右側(北側)の台鐵改札へ進みます。
LEDの表示板は写真に写りにくいですが、8:52の自強號の次に出ている
8:58発の瑞芳行き区間車(普通列車)に乗ります。
「月台」というのはホームのこと。
日本ではホームの番号ではなく、乗り場に番号がついているのが普通ですが、
台湾では第1月台、第2月台というように、ホームごとに番号があります。
ホームの両側に乗り場がある場合は、上のように、4A、4Bとなります。
台北駅は大きな駅ですが、台鐵、高鐵それぞれ2面2線で、
乗り場は4つずつしかありません。
分岐駅ではなく、始発・終点の列車も少ないので、これでも大丈夫です。
地下2階のホームに上がると、ちょうど花蓮行きの自強號が出たところでした。
しばらく待って入線したのは、緑色のラインが入った通勤電車です。
台南から台中への道中では見たことのなかったタイプです。
側面の表記を見ると「45EM911 5」。
通勤型では最も新しいEMU900型です。現代ロテム製です。
車内はセミクロスシート。
ドアのところで外を眺めたかったですが、
立っているとまた席を譲られそうなので、車端部の席に座りました。
日本と違って壁に向いて座り、横に窓はありません。
これは辛いので、あとで窓がある席に移動しました。
台北から4駅、汐止(Sijhih)駅近くのマンション?です。
七堵(Cidu)駅には車輌基地があり、EMU900型が止まっていました。
台中駅に停まっていたEMU800型は8両編成ですが、こちらは10両編成です。
2月26日に乗った自強號のように、この駅が終点になる特急も多くみられます。
次の八堵( Badu)駅で、基隆( Keelung)駅へ向かう縦貫線と分かれ、
東海岸の蘇澳(Su'ao)駅へ向かう宜蘭
(Yilan)線に入ります。
山あいに入って風景はのどかになり、線路沿いの基隆河で釣りをしている人が見えました。
16)
拠点となる瑞芳駅
そして定刻の9:47、瑞芳駅に到着しました。
本線上なので、思ったより大きな駅で、ホームも長いです。
貨物車輌や入換用のディーゼル機関車も見えます。
平渓線の発車まで少し時間があるので、駅舎を見に行きました。
正面のレンガ色の建物が駅舎です。
改札を出ると広いコンコースで、右手に出札窓口、左手にトイレと観光案内所がありました。
案内所でパンフレットをもらいました。日本語版です。
ひとつは平渓線沿線、もう一つは瑞芳と九份周辺です。
平渓線も九份も、行政的には新北市に含まれています。
駅舎の外へ出てみました。風情はないですが、立派な駅です。
駅前も広々としていました。
駅舎に戻って、改札口のようすです。
入り口と出口がはっきりと分かれているのは、
悠遊卡を使うようになって、入場用と出場用のタッチ装置が別々なためです。
このあとのローカル駅でも、ちゃんと分かれていました。
列車案内板を見ると、方面が「北上」「南下」とあります。
台鐵の路線は環状線になっているので、上り下りではなく、こういう言い方をします。
北上は反時計回り、南下が時計回りですね。
でも瑞芳駅のあたりは線路が東西方向なので、ちょっと違和感があります。
平渓線はすべて第3ホームから出発するので、専用の表示板があります。
「平渓線」ではなく「3月台」となっているのは、
ここから、北の八斗子(Badouzi)駅に向かう深澳(Shen'ao)線も発着するからです。
平渓線と深澳線は通し運転もしています。
さて「南下」方面を見ると、11:16発の新左營(Xinzuoying)行き422列車があります。
新左營とは、高鐵の左營駅に連絡している駅で、高雄のすぐ北にあります。
この列車は東海岸から台湾の南部を回って延々と走るわけです。
また車種は自強號ではなく「新自強」となっています。
これは彰化駅で見た最新のEMU3000型を使った特急列車です。
ちなみに始発は台北西部の車輌基地がある樹林(Shulin)駅で、
10:19発。
台北を10:40に発車し、新左營着は17:12というロングラン特急です。
そして高鐵左營駅17:35発の高速鉄道に乗り換えると、
台北には19:33に戻ってこれます。
夏場なら、明るいうちに台湾一周が出来るわけです。
17)
なごやかな平渓線車内
10:05の平渓線列車に乗るため、地下道を通って第3月台へ向かいました。
ローカル線用とは思えない広くて長いホームです。
こちらのホームからも直接駅の北側へ出られる改札口があります。
屋根から下がっているのは、十分で上げるランタンですね。
車輌は、日本車輌製造製
のDR1000型気動車。4両編成です。
先頭車は29号機で、景色を楽しむには不向きなロングシート車です。
沙崙線と同じく、前面展望もできませんでした。
おとなしくロングシートに座りました。
連休明けの平日ですが、ロングシートが埋まるくらいの乗客がいます。
日本人の男の子2人連れもいました。
高校生くらいで、軽装だったので、駐在員?の家族かな。
車内にあった路線図です。
平渓線は戸籍上は宜蘭線の三貂嶺(Sandiaoling)駅が起点ですが、
すべての列車が瑞芳駅へ乗り入れています。
ところで深澳線と瑞芳–三
貂嶺間を含む「平渓線一日周遊券」という
乗り放題パスが、80元で売られているのは知っていましたが、
今回の瑞芳→菁桐→十分→瑞芳ルートを調べると、
計58元だったので、購入しませんでした。
八斗子まで行ったり、猴
硐で下車したりするなど、
一日たっぷり回るなら、お買い得になるのでしょう。
次は猴硐 (Houtong)駅。
「猴」はサルという漢字
ですが、ここは猫の駅として有名だということです。
三貂嶺駅を出ると、宜蘭線が
左手へ分かれていきます。
複線電化の宜蘭線と違い、平渓線は単線非電化路線です。
このあと、ちょっと長いトンネルを抜け、あとは基隆河沿いに遡っていきます。
十分駅到着の前に、沿線最大の名所「十分瀑布」があります。
列車からも見えるかと思って注意していると、
ちらっと見えましたが、写真には写せませんでした。
十分駅に近づくと、列車は通りのすぐ近くを通ります。
観光客がカメラを向けてきます。
連休明けのせいか、閉まっている店も目立ちました。
そして10:31、十分駅に到着しました。
駅舎側のホームには対向列車がすでに到着しています。
平渓線には行き違い出来る駅が十分駅のほかにはなく、
すべての列車が、十分駅で行き違うようになっています。
大半の乗客がここで降りました。
こちらのホームからは線路を直接渡って行き
来する形式です。
列車の出入り口
から写真を撮っていたら、ホームに降りていた車掌さんが
「まだ出発しないからホームから撮影しても大丈夫」と言ってくれました。
言葉はわかりませんが、そういうことです。
駅舎とホームは、街並みにそのまま続いているように見えました。
9分停車して、10:40に出発しました。
線路は思ったよりも川から高
いところを走っています。
瑞芳駅でもらったパンフを見ると、沿線には登山道もあり、
ハイキングらしいグループも乗っています。
そして、この車輌はドアの開閉スイッチが乗務員室ではなく、車内にあるため
車掌さんはほとんど車内にいて、顔なじみ?の乗客と語り合っていました。
18)
静かな菁桐とにぎわう十分
そして定刻の10:50、終点の菁桐(Jingtong)
駅に到着しました。
ホーム側から見た駅舎です。
外へ出ると、白いきれいな駅舎でした。
右上が少し曇っているのは、iPhoneのレンズが汚れていたためです。
このあと夕方に九份で撮影するまで、気がつきませんでした。
この駅舎は、1929年10月1日の平渓線開業時からの建物で、
2003年5月1日、新北市の直轄市定古蹟に指定されています。
路線自体は炭坑の石炭輸送のため1919年から運行されていたようです。
1929年から人も運ぶようになったということですね。
開業時は「菁桐坑駅」だったようです。
炭坑は衰退しましたが、施設の多くは史跡として残っています。
観光マップには日本語もありました。
駅前通りも静かです。
この「鉄道文物館」にはちょっと興味があったのですが、
平渓線は1時間に1本の運行
なので、今回は12分停車で折り返しました。
帰りは菁桐駅を11:11
に発車し、十分駅に11:30に到着しました。
先ほど中分ですれ違った時は、菁桐行きが後から着いたので、
今度もそうかと思ったら、違いました。
十分の中心街を通って駅に到着する列車を撮影しようと思ったのに、
あてが外れ、出発する列車を撮影することになりました。
急いで駅を出て、中心街へ向かいました。
上の写真は駅を出てすぐのところで振り返って撮影。
駅舎側に停まっているのが菁桐から乗ってきた列車で、
この列車が街中を通るシーンを狙います。
このあたりでいいでしょうか。向こうに駅が見えます。
こちら側は少なめですが、まだ線路上に人がいます。
反対側の、列車の進行方向を見ると、
ランタン上げをしていた人たちも線路から退避し始めました。
しかし手前で写真を撮っていた女性はなかなか線路から出ず、
大声で注意されていました。
このあと撮影したのが、このページのトップに掲げた写真です。
そして振り返って去っていく列車を追って撮ったのが、「そ
の1」のトップの写真で す。
19)
ちょっとだけ鉄っちゃん乗り
十分で2時間過ごして食事をとり、ランタン上げも体験しました。
次は13:40発の列車で瑞芳へ戻り、九份を目指します。
駅へ戻る途中、基隆河にかかる静安吊橋に寄りました。
駅の構内を横断していきます。
静安吊橋から見た十分駅です。
そして十分駅へ戻ってきました。
駅舎側のホームへは、街路から真っすぐ進める構造ですが、
チェーンがかかり、「駅舎の中の出入り口を通れ」みたいな札がかかっていました。
列車がやってきました。みんな改札口の端末にタッチして入場しています。
こっち側にも入場用の端末はあるのですが、どういう運用なのでしょうか。
ともあれ、駅舎の中から改札口を通りました。
駅舎の中はこんな様子。出札窓口と自動券売機、それに郵便局の端末があるだけです。
平渓線と深澳線全体の時刻表がありました。全体でこの1枚に納まっています。
一部列車は、宜蘭線の起点・八堵駅まで乗り入れているようです。
13:40発の八斗子行きも4両でした。今回の先頭車はDR1000型の25号機です。
乗り込むと、この車輌は運転室が半室で、前面展望が可能でした。
でもすでに日本人の若者グループが特等席に座っていました。
対向列車も到着し、降りた客が線路を渡っていきます。
運転席はこんな様子。速度計はデジタル画面でした。
発車時だけ、ここに立って、前を眺めました。
また大勢の人が列車にカメラ(スマホ)を向けています。
ところで、線路沿いには北側のみ柵があります。
昔の写真を見ていると、かつては柵はなかったようです。
手元にある2006年1月発行のJTBパブリッシング「ポケットガイド台湾」を見ると、
原
色の看板やテント屋根がない街並みは、 ガジュマルの緑だけが目立っていました。
ランタン上げにも触れられていません。
いつごろからこんなに有名になったのでしょう。
2015年4月発行の昭文社「トラベルデイズ台湾」は、平渓線を
「列車は天燈が名物の十分駅付近で商店街を貫き、線路沿いは生活感に満ちる」
と紹介しています。
このあと、進行方向左手のドアの窓ガラスにへばりつき、
再び、十分瀑布を写そうと試みました。
最初、吊り橋の下に小さな滝が見えますが、これは違います。
右の写真の中央、柵と植物の向こうが白く光っていますが、
これが十分瀑布のしぶきです。「十分のナイアガラ」と呼ばれるだけの迫力はありました。
その後、次の大華(Dahua)駅と三貂嶺駅の間で、
車内に来た車掌さんが乗客に、
基隆河とは反対側の進行右側に注意するよう告げました。
なんだろうと思っていると、山肌から何段にもなった細い滝が流れ落ちていました。
美しい滝でしたが、やっぱり写真は撮れませんでした。
スマホのカメラは便利ですが、素早く撮るのには慣れた一眼レフが必要ですね。
瑞芳駅に着いたら、バスで九份へ向かい、
暗くなるまで街歩きと夜景を楽しんで、またバスで瑞芳駅へ戻りました。
九份からは台北直通のバスが何本もあるのですが、鉄道にこだわります。
瑞芳の駅前で夕食を食べるつもりでもありました。
そしてこの日の最後は、瑞芳始発で20:02発の樹林(Shulin)行き普通列車です。
台北の東側の車輌基地が七堵駅にあるのに対し、
西側の車輌基地が樹林駅(正確にはさらに隣の南樹林駅)にあるため、
台中、高雄方面への列車は「樹林行き」が多く見られます。
車輌は行きと同じ、EMU900型。
ドアの上、案内表示の列車のアニメーションが可愛かったです。
車内の様子です。よく空いていました。
写真の左手一番奥に、クロスシート部分が見えます。
台北には20:51に到着しました。
|