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★☆ 鉄道中心 台湾の旅(2023 年2月24日〜3月3日)☆★
第1章 鉄道編】その6  (地下鉄とバス、悠遊卡)


台北捷運(MRT)には高架の区間もあり、街並みが望める。写真は士林 駅


20)便利な台北捷運

地下鉄は本数が多くて便利なので、旅行と街歩きには欠か せないのですが、
ホームまでたどり着くのが遠いことと、景色が見えないことが欠点です。

でも台北捷運(MRT)には、景色が見える高架の路線もあります。
その1にも紹介した、新交通システムを使った文胡線もそうですが、
台北を南北に貫く淡水信義線も高架が多い路線です。

トップの写真は同線の士林(Shilin)駅、
故宮博物院に行く時に、ここからバスに乗るので、皆さんおなじみです。



赤い色は淡水信義線のラインカラーですね。
乗り換えのない高架駅は、構造が単純なので、乗りやすいです。



ホームはこんなかんじ。すべてホームドア付き。
電車はレールの横から電気を取り込む第三軌条集電方式なので、
架線やパンタグラフはありません。
「出口」表示は日本語と同じなので、わかりやすいです。
行き先は路線の終点駅名で示す、パリのメトロ型です。
上の写真の左上、見切れていますが、赤地に白文字で「象山(Xiangshan)」とあるのがそうです。
MRTは台鐵、高鐵と違って右側通行なので、
利用する時は、行き先をよく確認することが大切です。

 

劍潭(Jiantan)駅を 過ぎると、左手に圓山大飯店が見えます。
台北で古くから有名な大ホテルです。

松山空港へ着陸する飛行機も見えました。
ちょうど反対方向の列車も通りました。
淡水信義線のラインカラーは赤ですが、
車輌のカラーリングは、文胡線を除いて各線共通のようです。




路線図は、台 北捷運のホームページか ら最新版が見られます。
中文版だと左のメニューの「如何搭車」の中の「路網圖、閣站資訊及時刻表」に、
英語版だと「Metro Guide」に「Route Map & Timetable」があります。
日本語版はモバイルサイトになるので簡略版ですが、
「路線図及各駅情報」があります。

開いた路線図の駅をクリックすると、その駅の情報が見られます。
日本語版だと駅の周辺地図と、構内図があるだけですが、
中文版、英語版には、駅の断面図や時刻表など、より多くの情報が見られます。

路線図自体は、ガイドブックや街で手に入るパンフ類にも載っていますが、
駅の構内図は、初めて訪れる旅行者には便利です。

書き忘れましたが、捷運=MRTとは、Mass Rapid Transportの略です。
地名は含まれていないので、台北以外でも「高雄捷運」などと呼びます。
メトロという呼び方をする場合もあり、台北捷運のホームページも
「Metro Taipei」とあり、URLもそれを使っています。

現在の営業路線は146.2km。
大阪市営地下鉄(129.9km)よりも充実しています。


21) 利用した駅の印象を一言で

▽松山機場(Sonshan Airport)駅 「便利だが遠い」
空港直結とはいえ、ターミナルビルの直下にあるわけではなく、
動く歩道で平行移動が必要。深いのはまあ仕方ない。


▽忠孝復興(Zhongxiao Fuxing)駅 「超立体交差」
高架の文胡線と地下の板南線が直角に交差しており、
垂直移動の距離が長い
文胡線の動物園行きホームからだとエレベーター、エスカレーター2回ですむが、
反対側のホームからだと、4回の上り下りが必要。


▽台北車站(Taipei Main Station)駅 「淡水信義線の乗り換えは便利」
平渓線に乗りに行った「その5」でも紹介した通り、
淡水信義線と台鐵、高鐵との乗り換えは、単純で便利です。
しかし板南線からだと複雑になります。
最近開通した桃園国際空港へ向かう「桃園捷運」の台北車站駅との乗り換えは
さらに複雑です(今回は利用していないけど……)。


▽中山(Zhongshan)駅 「何度も使っておなじみに」
ホテルの最寄り駅として何度も利用。
淡水信義線はホームが地下2階と浅いので便利だった。
直角に交差する松山新店線は使いませんでしたが、
地下1階の改札階から直通のエレベーター、エスカレーターがいくつもあるので、
比較的便利かもしれない。


(青枠の写真は、クリックす ると拡大します)

コンコースになぜか京阪電車の1日乗車券のPR看板がありました。
子会社の叡山電鉄も紹介。「CP値 爆表!」がなんとなくわかっておかしい。


▽劍潭(Jiantan)駅 「高架駅なので単純な造り」
士林夜市へ行くのに利用。
上で紹介した士林駅と同様に、高架駅なので、
エスカレーターを降りたらすぐ出口と単純な構造。
観光案内所でもらったパンフ「美食で遊ぶ台北」は有益だった。


▽士林(Shilin)駅 「故宮博 物院の最寄り駅」
このページのトップで紹介。
高架駅で、
構造は劍潭駅と同じです。


▽台大醫院(NTU Hospital)駅 「吹き抜けホームで単純明快」



ホームは地下2階だけど、浅いようで、
写真のように改札階の地下1階からの階段も短い。
なによりホーム部分が吹き抜けになっており、構造が一目瞭然。
大病院の最寄り駅なので、弱者に優しい造りなのかもしれない。


▽東門(Dongmen)駅 「赤坂見附駅と同じ!」
グルメ街として人気の永康街の最寄り駅。
淡水信義線と中和新蘆線が、地図上ではX字形に交差しており、
淡水信義線の動物園行きと
中 和新蘆線の蘆洲・廻龍行き、
淡水信義線の象山行きと
中和新蘆線の 南勢角行きが、同一ホームで乗り換え可能。

こう書くとわかりにくいですが、
「赤坂見附駅
と同じ」と言えば、わかる人にはわか ります。
構造を知っていないと、初めての人にはわかりにくいでしょう。


▽大安(Daan)駅 「複雑怪奇な立体迷路駅」
忠孝復興駅と同様に、高架の文胡線と地下の淡水信義線が直角に交差。
今回は淡水信義線から地上に出ようとしたけれど、
中間階に行ってしまい、改めてホームに降りてやり直す。
立体図を見ても、平面図を見ても、その複雑さは際立っています。


▽大橋頭(Daqiaotou)駅 「分岐駅だが造りは単純」
迪化街の北部から、西門へ移動する際に利用。

中和新蘆 線がこの駅の西側で、蘆洲行きと廻龍行きに分かれるが、
同じホームから発車するので、駅の構造は単純だった。


▽松江南京(Songjiang Nanjing)駅 「鶴橋駅と思って乗り換えに注意」
中和新蘆線と松山新店線 が、地下で直角に交差。
立体図は複雑だけど、
重 要なのは松山新店線のホームが島式ではなく、相対式であること。
これを理解し、階段、エスカレーターを選べば大丈夫。
関西人なら鶴橋駅、関東人なら秋葉原駅を思い浮かべてください。


▽西門(Ximen)駅 「早く地上へ出たかった」
松山新店線と板南線が同じホームで乗り換え可能な、
東門駅と同じ赤坂見附駅型の駅。
違うのは、東門駅では同じホームで2つの路線が反対方向に発車するのに、
西門駅では、2つの路線が同じ方向に発車すること。
正確には、こ ちらのほうこそ「赤坂見附型」と呼ぶべきかもしれない。

改札を出ると、出口通路は目の前ですが、
利用者の多い6番出口は、地上までは地下通路を少し歩かされます。
観光客としては、少しでも早く地上へ出たいところでした。


▽北門(Beimen)駅 「JR難波駅か」
西門からホテルへ帰るため、一駅だけ利用。
松山新店線のこの区間、西門駅から松山駅までは2014年11月15日開業で、
新しいため、構造は単純ですが、ホームは地下4階と深い。
地下2階が改札階で、地下1階は台北駅や桃園捷運の台北車站駅と連絡する
通路・地下街となっています。
しかし台北駅とは距離があり、一番西端なので人通りは少なめ。
まるでJR難波駅のようなロケーションです。



22) バスについても簡単に

鉄道編ですが、最後にバスについて簡単に書いておきます。
今回の旅で路線バスには5回乗りました。

@台南中心部の赤崁樓(Chihkan Tower)から安平の延平街(Yanping Street)へ。
A瑞芳駅前から九份老街へ。
B九份老街から瑞芳駅前へ。
C士林駅前から故宮博物院へ。
D故宮博物院から士林駅前へ。

いずれも悠遊卡を使ったので、楽々でした。
降りるバス停さえわかっていれば、
バスは街並みが見えるので、地下鉄よりは楽しいです。
今はグーグルマップで現在地を表示させ、
降りる準備をすることも出来ます。



23) 悠遊卡の利用実績は

さてその悠遊卡のこと。
台北到着時に悠遊卡を購入し、500元(台湾ドル)チャージしました。
これは事前に調べて考えた金額なのですが、その結果はどうだったでしょうか。

捷運などで自動改札にタッチする時、残額が表示されますが、
一瞬だし、表示内容はそれだけではないので、見逃しがちです。

そこで便利なのが、Easy Walletというアプリです。

 

初期設定はちょっとややこしいのですが、
これは台湾でクレジットカード的に使うための設定が多いためで、
そこを飛ばして、とにかく自分の悠遊卡の番号を入れ、名前を付けます。
それが左の画面。もうそこに残額が出ています。
残り13元。見事に使いましたね。

利用実績は、直近の1週間、1か月、3か月、任意の期間で選べます。
1か月で表示して、ちょっとスクロールしたのが右の画面です。
利用した交通機関と利用区間、日時、引き落とし額がわかります。
0となっているのは、バスの場合、乗る時と降りる時の2回タッチするためでしょうか。
金額だけでなく、タッチした時刻が分単位でわかるのは、
記録好きにはありがたいです。

ただ、交通機関によっては即刻アプリに反映されず、
時間がかかる場合もあり、目立つところに「お断り」がありました。

一覧は次の通り。※は下に注記あり。
金額の「元」は、台湾ドル(NT$)の意味で、
旅行当時のレートは「1元=約4.5円」でした。

日付
交通機関
利用区間
金 額(元)
2月24日(金)
台北捷運
松山機場→台北車站 25
2月25日(土)

台北車站→南港 30

台鐵
沙崙→台南 22

府城客運※ 赤崁樓→延平街 ※0
2月28日(火) 台北捷運
中山→劍潭
20


劍潭→中山 20
3月1日(水)
台鐵
台北→瑞芳 44

瑞芳→ 27

桐→十分 14

十分→瑞芳 17

台北客運
瑞芳車站→九份老街 15

基隆客運 九份老街→瑞芳車站 15

台鐵
瑞芳→台北 44

台北捷運 台北車站→中山 20
3月2日(木)
台北捷運 中山→士林 20

中興客運 士林→故宮博物院 ※7


故宮博物院→士林 15

台北捷運 士林→中山 ※12


中山→台大醫院 20

台大醫院 →東門 20

東門→大 安 20
3月3日(金)
大橋頭→ 西門 20

西門→北 門 20

※ 客運とはバスのことで す。

※ 台南のバス料金が無料。短距離だとこういう場合があります。

※ 故宮博物院への行き帰りの料金が違う。
行きは博物館直下の地下1階に停車。帰りは道に面した広場から乗車したためか?

※ 士林ー中山の台北捷運も、ここだけ料金が違う。
実はこの時、出場時に悠遊卡がエラーになり、駅員さんに操作してもらったので、
敬老料金(4割引)にされたのかもしれない。本当は外国人は適用外です。

アプリのレビューを見ると、
日本人はクレジットカード機能が使えないから、利用価値がない、
と言っている人もいますが、利用価値はあるでしょう。

以上で、鉄道編は終了です。