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★☆ 鉄道中心 台湾の旅(2023
年2月24日〜3月3日)☆★
【第1章 鉄道編】その2 (高速鉄道で台南へ)
<高鐡の始発・南港駅で乗車開始を待つ自由席利用者の行列>
6)自由席確保のため始発駅へ
2月25日(土)、台湾の4連休の初日、台北から古都・
台南に向かいました。
指定席は売り切れで、自由席も混雑は必至。
その時、思い出しました。
台湾高鐵の始発駅は、台北ではなかったということです。
台湾高鐵は2007年1月5日、
台北市の西隣、新北市の板橋駅から、高雄市の左營駅まで開業。
これは仮開業とも言え、3月2日、台北駅まで開業しました。
そして9年後の2016年7月1日、
台北市東部の南港(Nangang)駅まで9.4km延伸しています。
上の図は、高鐵のホームページで各駅停車タイプの列車を表示したところです。
全部で12駅。このうち在来線である台鉄の同名駅に発着するのは、
南港、台北、板橋の3駅だけです。
新竹、台中、台南、左營の4駅は、台鐵の駅と接続しているものの、
台鐵の駅名は別の名前になっています。ややこしいです。
前ページで紹介した「日式 台灣鐡路路線圖」をご覧下さい。
なお、駅名の漢字の後ろのカッコ内は、英語表記です。
鉄道関係は駅などでも漢字と英字が併記されているので、それにならいました。
さて高鐵の南港駅には、在来線(台鐵)と、台北捷運(MRT)の同名駅が連絡しています。
台鐵のほうが便利ですが、運転本数が少ないので、今回はMRTで向かいました。
台北駅前のホテルをチェックアウトし、前夜乗ってきた板南線へ。
8:35発の南港展覧館行きに乗りました。
南港は終点のひとつ手前で、10駅ありますが、19分後の8:54に到着です。
車内で妻がMRTの路線図を広げていると、隣の男性が話しかけてきました。
高鐵の自由席に乗るために、始発駅へ向かっていると言うと、
「OK、OK」と理解し、良い考えだと認めてくれたようでした。
高鐵の南港駅は地下にあります。
MRTの南港駅も地下ですが、いったん地上へ出て、また地下へ降ります。
案内表示は控えめです。オレンジ色の車両がわかりやすいです。
コンコースは「大廳」というんですね。
この文字は、このあと各駅のあちこちで目にしました。
地下2階のコンコースに降りると、自動券売機の前には折れ曲がった長い列が出来ています。
しかし、みんな慣れているのか、順調に列は進んでいきます。
自由席は当日しか買えないので、自動券売機の使い方もしっかり予習しておきました。
無事にクレジットカードで購入。台南まで1,345元です。
乗車券はカードサイズで、薄い樹脂製。
自由席のことは「自由座」といいます。
自由席の場合、当日ならどの列車にも乗れます。
この時の為替レートは1元=約4.5円だったので、6.000円余り。安いですね。
(後日届いたカード明細では、レートは4.559円。2人分で12,263円でした)。
ちなみに台湾では自由席と指定席の料金差は少なく、指定席は1,390元、
グリーン車にあたる「商務車」(ビジネスクラス?)が2,290元です。
7)日本の新幹線よりゆったり
切符を買い終えたのは、レシートを見ると9:17でした。
時刻表を見ると、ちょうど9:40発に間に合いそうです。
9:40発の1213列車は、連休中だけ運行の臨時列車で、
南港を出て、台北、板橋と停まると、次は台中、
その次が下車駅の台南と、停車駅が少ないタイプ。
台南着は11:17で、所要時間は1時間37分で、
各駅停車タイプと比べると34分も早く着きます。
12両編成のうち、自由席車は後方の3両です。
ホームは地下1階なので、エスカレーターを上ります。
乗車口にはすでに折れ曲がった行列が出来ています。
10号車に並びましたが、先客は20人程度です。
1両に2か所の出入り口があり、それぞれ行列が出来ています。
台湾の高速鉄道700T型は、日本の新幹線700系を元にしているので、
普通車の座席は日本と同じく、2人+3人の5人がけ。
1両に80〜90人座れるので、これなら大丈夫と安心しました。
列車の入線は9:25ごろ。それから車内清掃があります。
このページのトップの写真は、乗車開始を待っていた時の様子です。
乗り込んだのは、発車の約5分前でした。
出入り口近くの3人席の窓側とその隣を確保しました。
帰国してから調べると、座席定員は、
10号車が96人、11号車が88人、12号車が68人なので、10号車で正解でした。
座るとこんな感じ。日本の新幹線より座席間隔が広く、
64リットルのスーツケースを入れても座ることが出来ました。
テーブルの裏の案内表示は、日本とそっくりです。
日本と違うのは、緊急時に窓ガラスを割るハンマーが備えられていることです。
座席のポケットには、飛行機のような緊急時の説明書が入っていました。
南港発車時に、すでに通路まで満員になり、
次の台北駅だったか、その次の板橋駅だかでは、
自由席車両に入れないため、ホームを指定席車両のほうへ走っていく人も見られました。
台北の市街地はずっと地下。その後もトンネルや地下構造が多い。
新幹線らしいといえばそうだけど、車窓をみる楽しみが少ない。
どうしても市街地を避けて走っているからね。
そんなわけで、1時間37分の道中は、あまり書くことがないです。
8)台南到着、地上駅は気持ちがいい
定刻11:17に、高鐵台南駅に到着。高架ホームです。
これまで利用したMRTや高鐵南港駅は地下ホームだったし、
乗り換えたMRTの忠孝復興駅は夜だったので、
空の見えるホームは台湾に来てから初めてで、気持ちが良かったです。
ホームは相対式で、線路の反
対側には「三井アウトレットパーク」があり、
ユニクロのマークも見えました。
ようやく落ち着いてきて、写真を撮る余裕が出てきました。
まず、停車時間1分で発車していく1213列車を見送りました。
列車を降りた人たちがぞろぞろと出口へ向かいます。
中国語も「出口」は一緒なので、分かりやすいです。
さすがに連休の混雑とあって、出口の自動改札は渋滞していました。
(青枠の写真は、クリックすると拡大します)
高鐵台南駅は、台南市の市街
地とは離れていて、
台鐵の沙崙(Shalun)線という支線が連絡しています。
改札を出ると、「台鐵駅は左」との案内表示がありました。
接続しているのは、沙崙駅なんですが、
「沙崙」という駅名は案内には出てきません。
高鐵と台鐵は別の経営体なので、改札内での乗り換えはできません。
全く別の駅なので、いったん改札を出て乗り換えることになります。
乗り換え列車の時刻案内があ
りま した。
沙崙駅の発車間隔は均等ではなく、40分以上あく時間帯もあります。
南港9:40発の列車に乗れたので、ちょうどよい乗り換えのタイミングでした。
9)台鐵初体験は沙崙線
高速鉄道の線路に平行する通路を少し進むと、沙崙駅の入り口です。
ここにも「沙崙」という駅名
はなく、あくまで「台鐵」表示です。
台鐵のマークは「台」の字とレールで、分かりやすいですね。
これまで台北捷運と高鐵に乗ってきましたが、台鐵はこれが初体験です。
切符売り場がありますが、「悠遊卡」が使えるので、そのまま改札を通りました。
ホームに出ると、ちょうど左側に列車が到着したところでした。
沙崙駅は1面2線の頭端式で、台南の市街地と高鐵の駅を結ぶため、
2011年1月2日に開業しました。
台鐵の台南駅の3駅南にある中洲駅から分かれ、
沙崙駅まで5.3kmの全線複線電化路線です。
台北捷運や高鐵は軌間1,435mmの標準軌ですが、
台鐵は日本のJR在来線と同じ1,067mmの狭軌です。
列車はEMU500型電車の4両編成で、先頭車は
75号機でした。
最前部から前方の風景を眺めようと先頭車に来たんですが、
残念ながら乗務員室のドアはすりガラスで、前は見えませんでした。
仕方ないので立っていたら、2人掛けロングシートに座っていた女性が席を譲ってくれました。
台南が終着かと思ったら、
5駅先の善化(Shanhua)駅行きでした。
高鐵駅にあった乗り換え列車案内を見ると、永康(Yongkang)駅行きもありました。
ちなみに台南駅の南に保安(Bao'an)駅があり、
縁起の良い「永康→保安」の切符が、2000年ごろにブームになったそうです。
なお、保安駅は1909年建築の古い駅舎で、2001年に台
南市定古蹟に指定されています。
時間があれば立ち寄ってみたかったです。
台南駅着は11:52。駅舎
に面した1番ホームに到着。大勢の乗客が降りました。
京都駅の0番ホームのように、広いホームなのに、人で埋まっています。
台南駅は古い駅で、昔の日本にもよくあったように、
駅舎の中の改札は乗車口で、降車口(下車口)は直接駅前広場へ出るタイプでした。
先頭車輌に乗っていたので、出口はずっと先になります。
ようやく出口です。
仕切りは古いタイプですが、改札は自動改札で、悠遊卡のタッチで通れました。
外へ出てみると、駅舎は足場とシートに覆われています。保存工事のようです。
駅舎の見学は翌日に残し、この日はホテルへ向かいました。
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