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★☆  鉄道三昧の三が日 JR西の未乗路線を巡る ☆★
           (2024年1月1 日〜3日)中編    前編へ 後編へ

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<錦川鉄道の錦町駅で発車を待つ「せせらぎ号」。右は「ひだまり号」
(青い枠がついている画像は、クリックすると拡大画像が開きます)

6)山口駅に寄り道

 1月 2日(金)の朝8時23分に小野田を出発し、8時51分に新山口に到着しました。ここから山口へ向 かいます。すでに訪問ずみですが、駅の写真を撮っていないので、撮りに行きます。
 山陽本線はすべてICカードが使えますが、山口線内は山口、湯田温泉の2駅しか使えないため、出 発案内表示の下に、目立つ注意書きがぶら下がっています。ホームへ降りる階段の脇にも掲示してあり ました。
 山口線の山口往き列車は、気動車4両編成。先頭車はキハ47-2503です。8時55分発で、山 口には9時22分に到着しました。
 この 列車も運転士の指導役が乗っており、前が見にくかったです。
 山口の駅舎は立派でした。駅名が屋根の上にあるので近くからでは見えませんでした。中は天井が高く、明る いコンコースで、よく賑わっていました。
 山口線の2022年度の平均通過人員(輸送密度)は1日あたり1,232人ですが、新山口ー宮野 (山口の2駅先)に限れば5,118人となります。特急「スーパーおき」が3往復走っており、隣の 湯田温泉も乗降が多かったです。
 正月三が日は「DL津和野稲成号」が 運行されており、大きなカメラバッグを持った人たちもいました。
 折り返しの気動車は9 時32分発で、今度の先頭車はキハ40-2042。前が見にくいファン泣かせの車両です。

7)山陽本線 徳山駅と柳井の町
  新山口には9時56分に到着。次は10時04分の岩国行きです。黄色い115系電車の4両編成 で、先頭車はクハ115 ー3116です。
 山陽本線の駅はすべてICカードが使えるため、この列車もワンマン運転ですが、車内に料金箱 はありません。このため先頭の中央で前面展望を楽しみました。以前に山陽本線に乗った時は貨物 列車と頻繁にすれ違うことに驚いたのですが、今回はほとんどすれ違いませんでした。正月三が日 はやはり貨物列車は少ないのでしょうか。
 この列車は岩国行きですが、また写真撮影のために10時48分着の徳山で降りました。
  右は徳山の「みゆき口」で、在来線側です。2014年9月6日に新しい橋上駅になりまし た。周南市立徳山駅前図書館が同居しています。
 この図書館は蔦屋書店で知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営しています。2階の自由通路に面した入り口は お洒落で、スタバも見えます。年末年始も無休だったようです。
 今は周南市となった旧徳山市は、詩人のまど・みちおさんの出身地で、新幹線側の「みなと口」と むすぶ南北自由通路は「ぞうさんのさんぽみち」 と名付けられ、童謡が流れていました。
  徳山は11時11分発の岩国行きで、また115系電車の4両編成です。右の写真を拡大するとよ くわかりますが、前面中央の窓ガラスがホコリだらけです。お正月くらい、もう少しきれいにして ほしかったですね。このため少し見にくかったです。
 115系電車は1963年から83年にかけて2000両近くが製造されています。同時期に 3000両近く製造された111系、113系とともに全国の電化路線で活躍してきました。登場 時は窓付近がオレンジ色、上下が緑色の「湘南色」で、関西地区でも快速電車として走っていた馴 染みのある車両です。今ではJR西の山口、岡山地区と、しなの鉄道だけで使われています。岡山 地区では227系への転換が進んでいます。
  この電車は11時47分着の柳井で降りました。改札を出ると、出入り口が開放的で、南国の駅の ようです。ぶら下がっているのは、柳井市を代表する郷土民芸品の「金魚ちょうちん」です。夏の風物詩というイ メージがありますが、年中飾られているよ うです。
 柳井市は白壁の町並みが重要伝統的建造物群保存地区に 指定されています。下の写真をクリック してください。1907年(明治40年)建造の旧 周防銀行本店は立派な洋館で、 現在は街並み資料館になっています。しかし観光施設はいずれも正月休みのようで、人影はありま せんでした。
  右の写真は駅前通り、柳井川にかかる本橋から上流を見たところです。左岸側が伝建地区で、川べ りも美しく整備されています。
 
 次の列車までちょうど1時間ありますが、白壁の町並みは松山に住んでいた2003年に車で訪 問 しており、今回は駅の訪問が目的でした。目的を果たしたので、東隣の柳井港駅まで歩くことにし ました。駅間距離は2.8kmで、調べると歩行距離は3km余りなので、十分間に合いそうでし た。
  線路沿いの道は新しくて味気ないので、山側を平行している旧道をあるきます。途中の代田八幡宮は地元の人た ちで賑わっていたので、元日に機会がなかった初詣でをしてきました。

 柳井港は「やないみなと」で、「やないこう」ではありません。JRでも小野田港や門司港、今 はなき小松島港は「こう」と読むのに、気仙沼線の陸前港とここだけは「みなと」です。私鉄でも 両方の読み方があるようです。JRの境港の場合は市の名前が「さかいみなと」なので、ちょっと 例外ですね。
  駅のすぐ南側、国道188号を渡ると柳井港のフェリー乗り場が あります。2003年に車で柳井を訪れた時は、ここからフェリーで松山の三津浜港へ帰りまし た。防予フェリーが約2時間半で結んでいます。
 駅は無人で、簡 易型の自動改札機で す。カードをタッチするだけでなく、切符も通せますが、とおせんぼするバーはないので、18 きっぷはスルーです。
 12時50分発の岩国行きは、やっぱり115系電車の4両編成です。ちょっと見飽きてきまし た。先頭車はクハ115-3107です。
 ここからしばらく海岸べりを走ります。大畠(おおばたけ)では大島大橋がよく見えました

8)錦 帯橋に寄り道
 さて 岩国には13時28分に到着。次はJR岩日線が1987年7月に第三セクター化された「錦川鉄道」の錦川清 流線を走破します。
 同線は岩徳線で岩国から2つめの川西から分岐していますが、すべての列車が岩国を発着していま す。しかし、櫛ヶ浜や居能のように、分岐駅はやはり下車しておきたいと思いました。とことが岩日線 も錦川清流線も昼間は本数が少なく、どうしても1時間近くの待ち時間が生じることになります。
 駅舎もない無人駅の川西で1時間過ごすのは避けたいところです。地図を見ると、錦帯橋まで歩いて往復できそうです。錦帯橋は 2005年5月に訪問していますが、当時は 「平成の架替」工事の最中でした。そこで工事完成後 の姿を見に行くことにしました。

 岩国の改札内コンコースには錦帯橋の模型があり「祝・創建350年」とあります。錦川清流線乗り 場には、世界遺産登録を目指すポスターが貼ってありました。キャラクターの衣装の裾が橋になってい ます。
 とい うことで、岩国13時28分発の岩徳線徳山行きに乗りました。偶然ですが、前日と同じ列車です。そ れほど昼間は選択肢が少ないのです。
 川西には13時38分に到着。駅の名所案内にも錦帯橋まで「徒歩20分」とあります。地図で調べ た通りでした。次の錦川清流線は14時35分発なので、十分往復できるでしょう。
 ホームは高い位置にあるので、正面の岩国城がよく見えます。 橋はそのふもとにあります。
 ホームからは急な階段を降りま す。下には自転車置き場がありました。通学時間帯には高校生らで賑わうのでしょう。
 錦川 の右岸側を歩き、錦帯橋のたもとに到着したのは13時58分でした。やっぱり錦帯橋は美しいです。 よく「5連アーチ」と言われますが、正確にはアーチ橋は中央の3連で、両側は「桁橋」です。先のポ スターにも説明がありますが、絵は紛らわしいですね。
 同じ道を往復して帰るつもりでしたが、少し余裕が出来たので、橋を渡って左岸側を歩いて戻ること にしました。入橋料は往復で310円で した。

9)錦 川鉄道錦川清流線 川西ー錦町(32.7km)
 川西に戻って錦川鉄道の列車を待 ちます。時刻表はこちらで す。錦川鉄道各駅への運賃表があります が自動券売機はなく、すべて車内で支払うとの注意書きがありました。JRの券売機はありました。
 14時35分発は桜が描かれたピンク色の「ひだまり号」です。2007年3月から翌年12月にか けて4両導入されたNT3000形気動車の2号機です。ワンマンで後ろから乗るので、後部から撮影 しています。
 上の右の写真は、岩国から乗ってきた列車を見送った時に撮影したものですが、ホームには「錦川清 流線起点」のゼロキロポストが建っています。
 しかし、本当の分岐点は1.9km先の「森ヶ原信号場」になります。左の写真です。Y字型の分岐 を、制限45キロでゆっくりと右手へ進んでいきます。
 NT3000形はクロスシートが 主体の両運転台で、岩国側にトイレがあります。このため2023年8月に清流新岩国から西岩国まで 乗った時は、前面の展望はちょっと見にくかったの です。しかし今回は座席からも前方が見えるので、シートに座りました。  錦川清流線はその名の通 り、ずっと錦川右岸に沿って上流を目指します。地図を見ると川を渡るのは終点の錦町の直前だけなの で、座席は進行方向の右側に座ることが重要です。
 シートバックには車両の紹介と、沿線の案内図があります。折り畳み式のテーブルまで用意されてい たのには驚きました。
 北河内では対向列車とすれ違います。黄色い車体にホタルが描かれた「きらめき号」です。
 沿線 案内図には「観光徐行」の文字があります。これは見どころでは説明とともにゆっくり走って、写真撮 影がしやすいように配慮されています。
 椋野ー南桑間では進行左側に「かじかの滝」があ ります。写真は撮れましたが、冬場なので水が少なく、あんまり滝らしく見えませんでした。
 沿線にはところどころに集落があります。右の写真は南桑の到着直前で、対岸は岩国市美川町南桑の 集落です。ここには小学校や市役所の出張所もあります。集落と駅を斜張橋の「なぐわ橋」が結ん でいます。中央にデッキが見えます。
  川西から59分、少しも飽きることなく15時34分に終着駅の錦町に到着しました。ホームの反対側 に青い「せせらぎ号」が止まっています。清流を泳ぐアユとヤマメ、それにオオサンショウウオが描か れています。
 よく見ると車庫の中には緑色の「こもれび号」も見えます。こちらにはカワセミが描かれています。 錦川鉄道の通常車両は4両なので、すべてを見ることができました。
 「ひだまり号」から降りる時に運賃を支払うのですが、運転士さんから「1日フリーきっぷ」を購入することにしました。

 会社のホームページには車内で購入出来るとあったのですが、「手持ちがないので、窓口で買ってく ださい」とのこと。ホームから階段を降り、改札 口で窓口の駅員さんから購入しました。
 川西ー錦町は980円、帰りの錦町ー清流新岩国は890円で、お得ではないんだけど、「乗車記念 証」とポストカードも付いているので、あとは会社へのカンパのつもりです。乗車記念証は車両に合わ せた4種類あります。
 窓口 の反対側は待合室で、会社のグッズやお土産も売っていましたが、ここでの滞在時間は28分なので、 外へ出ました。
 駅舎は三角屋根がお洒落な2階建てで、2階は錦川鉄道の本社事務所となっています。右手の少し見 える黒い建物の2階には、観光・鉄道資料館があるのですが、お休みでした。
 駅前に観光案内板があり、汚れていますが、見やすい地図です。駅の周辺は旧錦町の中心地で、岩国 市の錦総合支所や警察の幹部交番、小、中学校、高校の分校などの公共施設が並んでいます。見どころ はありそうですが、時間が限られているので、駅に向かって左手の坂をのぼり、「とことこトレイン」乗り場を見に行きました。
 旧国鉄時代、岩日線が錦町まで開通したのは1963年10月1日のことです。線名の「日」とは、島根県津和野町にある山口線日原駅のことです。陰陽連絡 線のひとつとして錦町より北の工事も1967年から始まりましたが、岩日線が廃止対象路線となった ために工事は凍結されました。
 ただ県境を越えた島根県吉賀町の六日市までは路盤の工事がほぼ完成していたため、それを利用して 2002年、途中の「雙津峡(そうづきょう)温泉駅」まで、タイヤで走る観光用の遊覧列車「とこと こトレイン」の運行が始まりました。錦町まで乗ってきた列車にも案内がありました
 駅からすぐに乗り場が見えます。運行は3月から11月の休日が中心で、約6kmを40分かけて走 ります。柵は空いていましたが、本来の入り口らしきところには鎖がかかっていたので、写真だけ撮っ てすぐに引き返しました。
 駅に戻るとホームの一角に腕木式信号機のてっぺん部分が残されていました。後ろに見える白い列車は キハ40形1009号機のイベント列車「清流みはらし号」です。
 帰り の16時2分発岩国行きは「せせらぎ号」でした。このページのトップに掲げた写真です。帰りの車内 ではゆっくり過ごしました。
 来た時は気がつきませんでしたが、北河内の構内には、転てつ機標識をモニュメントにした「岩日線 開業五十周年」記念碑や、「錦川鉄道設立二十五周年」の記念碑がありました。
 そして16時58分、清流新岩国に到着。2023 年8月の訪問時には撮影できなかった駅名 標と旧駅名「MISHO」を同時に撮影し、列 車を見送ってから階段を降りて新幹線に向かいました。

10)新幹線で広島へワープ そして山陽本線
 錦川 清流線の清流新岩国駅と、新幹線の新岩国駅との関係や、具体的な連絡ルートについては、2023年 8月の「山陽新幹線のマイナー駅訪問」の記録をご覧くださ い。
 この時は閑散としていた新岩国も、さすがに帰省からのUターン客で賑わっていました。乗車予定の 新幹線は17時22分発の博多発新大阪行きこだま860号です。前回の乗り替え時間は10分間でし たが、今回は24分あるので、余裕を持って行動できました。
 こだま860号は「ひ かりレールスター」仕様の700系7000番台。17時15分に到着し7分停車します。広島着は 15分後の17時37分。隣の駅なので格安の自由席ですが、よく空いていました。
 広島 から本日の宿泊地、福山までは山陽本線で向かいます。糸崎で乗り替えになるのですが、糸崎行きは 18時6分発で、少し時間があります。このため、17時54分発の白市行きに乗り、広島から2駅先 の向洋(むかいなだ)に寄りました。
 向洋はマツダ本社の最寄り駅で、マツダファンとしては訪問する理由があります。駅の出口には本社 までの案内図もありました
 そしてこの駅の前後では「広島市東部地区連続立体交差事業」が進んでおり、 向洋の上りホームは仮ホームになっています。 今の駅舎がどうなるかは不明なので、訪れておきたかったのです。
 向洋 に着いたのは17時59分で、すでに夜になっていましたが、仕方ありません。上は南口駅舎です。駅 の開業は1920年8月1日ですが、広島市の資料によると、今の場所より200m東寄 りにあり、1942年に現在地に移った ようです。駅舎はその時のものと思われ、大きな三角屋根で、天井も高いです。今後どうなるのかが気 になります。
 マツダの通勤客が多いのか、自動改札機の多さは大規模駅と同等です。
 向洋を18時12分発の糸崎行き で出発しました。向洋へきた時も、この列車も227系「レッドウイング」です。帰宅時間帯なのでよ く混んでいます。
 糸崎には19時36分に到着し、19時39分発の岡山行きに連絡です。同じホームではなく、3番 乗り場から1番乗り場へと跨線橋を渡る必要がありました。次も227系です。
 そして20時06分、福山に到着。福山城を横目に、駅前のホテルに入りました。



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