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★☆ 鉄道中心 台湾の旅(2023 年2月24日〜3月3日)☆★
第3章 観光&街並み編その2(3月1日)


今では台湾有数の観光地になった九份の夜景
・青枠の写真はクリックすると大きい写真が開きます。


 4) 新北市 十分(3 月1日)

3月1日は台鐵でローカル線の平渓線を訪れ、十分でランタン上げを体験し、
その後、夕暮れに合わせて九份を訪れることにしました。

平渓線や十分瀑布については「鉄道編その5」 を、
十分での食べものについては「食べもの編その2」 をご覧ください。



十分の街は、線路と街路の近さが特徴です。
そして列車が来ない間、線路上で行われるランタン上げが有名です。
多くの業者が店を開いていました。
連休明けですが、順番待ちの店もありました。



ランタンの色には、赤は「健康・平安」、ピンクは「良縁祈願」、
黄色は「金運」などと意味があります。
1色だと200元ですが、複数の色を組み合わせたランタンは高くなります。
我々は赤1色を選びました。

フレームにランタンを広げて固定し、筆を使って墨で願いを書きます。
4面しっかり書き終わると、線路上に移動します。
撮影係の人にiPhoneを渡し、4面すべてを撮影します。
それからランタンの下で火をつけます。
飛ばす場面は動画で撮影してくれました。



手を放すと、予想以上に勢いよく上昇していきました。
あっという間に小さくなってしまいました。
上げた後は並んで記念撮影を してもらいました。

後でiPhoneを確認すると、ランタン4面をそれぞれ5枚ずつなど、
写真は24枚も撮ってくれていました。
昔と違ってフィルム枚数を気にすることもなく、お互いに楽です。



駅の近くに街の案内地図がありました。日本語付きです。
左端の十分駅から、中央のY字路のあたりまでが中心街です。

駅の南側に、基隆河にかかる吊り橋「静安橋」があるので見に行きました。

 

橋の上は記念写真を撮る観光客で賑わっていました。
右は渡り終えた、駅のほうを振り返ったところです。
1947年にかけられた橋のようですが、手入れがされています。
主塔には青地に金色で詩が刻まれています。
向かって右側に「塵煙語定野草生橋水互喝相映春」、
左側が「山城無言観自在願留祥和満乾坤」です。
何となく意味はわかりますね。



橋の上から基隆河の下流を眺めると、橋が重なっていました。
手前が十分寮橋、その奥が南山橋、
遠くの高い位置にあるのが基隆と東海岸の宜蘭県を結ぶ主要道路、
「基福公路」の高架橋です。


 5) 新北市 九份(3 月1日)

瑞芳駅に戻り、バスで九份へ向かいます。
駅前に街の地図がありました。



駅の目の前にもバス停があります が、ここは西行きの乗り場です。
九份など東行きは、駅前から少し離れた「瑞芳火車站(国民広場)」バス停が乗り場で す。

九份へ向かうバスの系統は調べてありました。
電光掲示板で次に来るバスをチェックしていると、すぐに「965系統」が来ました。
普通のバスとは違い、長距離観光バスのようなタイプです。
後でわかったのですが、台北からの直行バスでした。



路線図を見ると、新北市板橋区にある台北MRT府中駅が始発で、
台北市内でいくつか停車したあと、ここまでやってきていました。
連休中だったら、多分満員だったでしょう。



この地図は、瑞芳駅でもらったパンフレットに赤字で書き足しました。
九份観光のメインルートは、「九份老街」バス停で降り、
基山街を通って、階段である豎崎路を下り、
「九份」バス停から帰るというものです。

階段の登りを避けるためのお勧めコースなんですが、
観光バスが停まる駐車場は「九份」バス停の近くにあるので、
ツアー客は
豎崎路を 登ってやってきますし、
狭い街なので、行ったり来たりすることが可能です。

今回はとにかく「九份老 街」バス停がスタートです。
ところがバスを降りると、あたりは霧に包まれています。
バス停の横には展望台が設 けられていましたが、寄りませんでした。
雨男の本領発揮です。
台湾北部、とくにこのあたりの気候は雨が多いそうです。



ともかくセブンイレブンの横から基山街に入りました。
日暮れまでにはまだ時間がある15時前ですが、それなりに観光客がいます。

 

基山街は道が狭く、連休中はさぞ混雑したことでしょう。
アーケードになっていたり、向かいあった店の軒が接していたりしており、
グーグルマップで道がわかりにくいのは、このためです。

曲がりくねった基山街を進み、
豎 崎路との交差点を過ぎると、
道が少し広くなった展望台に着きました。



 北側を望むと海が見えるのですが、霧に 覆われて判然としません。
それでも、バスを降りた時の霧と比べると、薄くなっ ています。
さらに霧が晴れることを期待するしかありません。



西側、斜面に広がる九份の街も、まだ霧に包まれてい ます。
引き返して、
豎崎路の 階段を下りました。



豎崎路の 階段を少し下りると、九份で最 も有名な「阿妹茶樓」があります。
店の入り口の少し上に、西側へ 入る横道があり、そこが撮影ス ポットになっています。
まだ明るいので、それほど混雑 していません。

ちなみにガイドブックなどで 「阿妹茶酒館」「阿妹茶館」と 書いてあることもありますが、
現地の看板も、公式ホームペー ジも「阿妹茶樓」でした。



店の入り口近くには、4か国語 で
「『千と千尋 の神隠し』と噂さ れる茶樓」と書かれていまし た。
日本語がちょっと変ですね。中 国語や英語を見ると、
「想像」「Imagine」で あり、「『千と千尋 の神隠し』の茶 屋」なので、
「映画の茶屋を思わせる茶樓」 とするべきでしょうか。
ただし映画に出てくるのは「茶 屋」ではなく「湯屋」です が……。

この下には建物についてもう少 し詳しく書いてあり、
「まるで映画『千と千尋の神隠 し』に飛び込んだような雰囲気 が……」とあります。
これが正確ですね。
いずれもにしても、「映画の茶 屋のモデルとなった」とは書い てありません。

台湾で宿泊したホテルの人に、 「九份に行く」と言うと、
「ああ、千と千尋の……」とい う反応がよくありました。
それほど台湾でも、話題になっ たのでしょう。

スタジオジブリも宮崎駿監督 も、映画の湯屋「油屋」には
「色々な温泉が入っていて特定 のモデルはない」と答えていま す。
(ただし、「けれど、道後温泉 は確かに入っている」と続きま す)。
(スタジオジブリHPの「スタ ジオジブリ蔵」にある「ジブリ日 誌」2003年1月9日

客観的に見て、「阿妹茶樓」が 「油屋」のモデルだとは思えま せん。
しかし今回、九份から眺める海 が霧に包まれている光景を見 て、
映画に出てくる霧のシーンを思 い出しました。
そういう意味では、迷路のよう な九份の街は、
「千と千尋の神隠し」と親しい 関係にあると言えると思いま す。

「阿妹茶樓」から、さらに豎崎 路を 下ると、軽便路との交差点に至 ります。
左に曲がると、基山街や豎崎路 の喧騒が嘘のように消え、
静かな道になります。さっきの 展望台で、下に見えていた道で す。
ここも展望が開けています。



霧が晴れてきています!
拡大写真は少し補正しています が、左手奥に特徴的な白いアー チ橋が見えます。
ニールセンローゼ式の「社寮 橋」で、
基隆港をふさぐ形の和平島との 間にかかっています。

手前の湾の対岸が新北市の最北 端にある深澳漁港です。
その右手が「深澳岬角」で、象 の鼻のような岩が、最近注目を 集めているようです。

そして「深澳」という地名は、 鉄道にも関係があります。
鉄道編その5」で紹介した、 平渓線が直通している「深澳 線」です。
現在の深澳線は瑞芳から八斗子 間ですが、
かつては深澳を経て、さらに東 の濂洞までの路線でした。

歴史の詳細は省きますが、 1989年に瑞芳からの旅客営 業が終了しました。
しかし沿線に国立海洋科技博物 館が出来たことなどから、
瑞芳から八斗子までが2014 年に復活しました。
さらに2019年1月、八斗子 と深澳の間が、
観光用のレールバイク路線とし て開業しています。
上の写真の漁港から左手に続く 市街地のはずれに、乗り場があ ります。

TAIPEI navi」の2019 年3月15日に、レールバイク の紹 介や、
深澳漁港から九份を眺めた写真 が掲載されて います

さて、話が少しそれました。
軽便路にある茶藝館「水 心月茶坊」で日が暮 れるのを 待つことにしました。




茶藝館のシステムは、テーブルチャージ料に加えて、
好みの茶葉を買い、何杯か飲んで、残った茶葉を持ち帰る仕組みです。
ここはチャージ料が1人120元。茶葉は600〜1500元。
高いですが、高級茶葉なので、お土産になります。

最初の1杯は店の人が説明しながら入れてくれます。
手順が複雑なので、覚え切れません。
でもおいしいお茶で、ゆったりとした時間を過ごしました。




90分くらい店で過ごしてベランダに出ると、猫の置き物にあかりが灯っていま した。



店の外の灯も目立ってきています。
軽便路という名前は、かつて軽便鉄道が走っていたためで、
この曲がり方は、確かに鉄道の路線跡を思わせます。
こんな山の上まで軽便鉄道が走っていたというのが、
この街が鉱山の街であった証と言えます。

九份は19世紀末に金の採掘が始まったそうです。
しかし1971年に鉱山は閉山され、街はさびれていきました。
そして1989年に公開された映画「非情城市」の舞台となったことから、
風情のある独特な街並みが注目されることになり、
今では台湾有数の国際的な観光地になりました。



豎崎路との交差点まで戻ると、昇平戯院前の広場はすっかり夜の雰囲気で、
「九份」バス停方向から上ってくる団体客も増えてきました。




豎崎路も混雑しています。
阿妹茶樓の前まで戻りました。



撮影スポットも賑わっています。
みんな譲り合いながら写真を撮っていました。
iPhoneで写すと、明るめですが、超広角は周囲まで写せて便利です。




こっちはオリンパスPEN-Fで写した写真です。

この場所の左手には、階段の上に「海悦樓景観茶坊」という店が あり、
その店の前からだと、もっと高い位置から見下ろした写真が撮れます。
しかし利用しない店の入り口をふさぐ形になるのはダメなので、
階段をちょっとだけ上ったところから撮ったのが、
このページの最初に掲 げた写真です。

18時前まで撮影して、帰途につきました。
豎崎路を降りると「九份」バス停なんですが、
混んでいて乗れないと困るので、
来た時に降りた「九份老街」バス停まで戻って乗ることにしました。




豎崎路を登り、振り返ったのが上の写真です。
基山街で買い物をしながら「九份老街」バス停へ向かいました。

やってきたバスは、また台北へ向かう高速バスタイプでした。
そこそこ乗客が多く、これは台北まで帰る人が優先されるべきなので、
「瑞芳までだけどいいですか」と運転手さんに声をかけて乗り込みました。