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★ 木次線と芸備線の旅(2022年10月9日)
(その2)

<備後落合駅で出発を待つ三次行き(左)と新見行き(右)普通列車>

5)かつての拠点駅が今は……

 JR 西日本管内で最も標高が高い三井野原駅を出発すると、右手にはスキー場も見えます。(2021年度 からリフトは無くなったようです)。
 列車はすぐに県境を越え、島根県奥出雲町から広島県庄原市へ入り、ゆっくりと下っていきます。油 木駅を過ぎると次が備後落合です。駅に着く直前、右手に古びた転車台が見えました。
 14:35、列車は2分遅れで備後落合駅1番線に到着しました。芸備線の出発まで2分しかありま せん。上の写真のように、2番線に三次行き、3番線に新見行きの気動車が待っています。
 しかし出口の近くにいたので、素早く降りて、駅舎を写すため外に出ました。駅名がありませんが、 出入り口の横に看板があったのかもしれません。


 駅舎内にあった時刻表も写してきました。芸備線の新見方面へは、1日に3本しか列車がありませ ん。早朝6:41の次が、これから乗る14:37、その次が最終の20:12です。これではさすが に利用するのが難しいのではないでしょうか。JR西日本管内での輸送密度ワーストワンもしかたない と思えてきます。しかし、かつての備後落合は、陰陽連絡の拠点駅でした。
 左は JTBが2019年に発売した「交通公社の時刻表 1964年10月号」の復刻版で す。東海道新幹線が開通した月です。拡大するとわかり ますが、芸備線の上り、備後落合ー新見間には、準急2本を含む10本 の列車が運行されています。
 芸備線全体を見ると、広島発米子行きの準急「ちどり」が2本、広島発鳥取行きの準急「いなば」も あり、いずれも備後落合から木次線、山陰線を通っています。「いなば」と「第2ちどり」が夜行列車 であることにも驚かされます。
 このほか広島から姫路まで中国地方を縦断する普通列車が2本あります。備後落合—新見間で見る と、普通列車8本のうち、姫路行きなど5本は機関車牽引列車でした。
 現 在、備後落合を発車する列車は、芸備線新見方面が3本、同線三次方面が5本、木次線方面が不定期の 「奥出雲おろち号」を含めて4本の計12本。1964年10月には、新見方面が10本、三次方面が 13本、木次線方面が9本と計32本ありました。
 駅の横には乗務員の宿泊所が併設され、駅前には旅館もあったようです。SL撮影で訪れる鉄道ファ ンも多く、ホームの立ち食いうどん店では、「おでんうどん」が名物だったそうです。
 左のイラストは池田邦彦さん(絵)、栗原景さん(文)による「テツ語辞典」(2018年、誠文堂 新光社)から。同書によると、現在、駅から1km離れた「ドライブインおちあい」で、おでんうどんが食べら れるようです。木次線の列車から、備後 落合到着前にドライブインが見えたのですが、予想していなかったので、写真が撮れませんでした。

6)「SL 三重連」撮影の夢の跡

 新見 行きの芸備線列車は14:37発。ワンマン仕様のキハ120-334です。木次線列車から多くの人 が乗り換えたようで、満員です。
 最初に書いたように4月11日に発表された2020年度の輸送密度では、芸備線の東城-備後落合 間はJR西日本ワーストワンの9人でした。それが10月5日に発表された2021年度の輸送密度では、13人と改善し、 ワーストワンは変わらないものの、一桁から脱し ました。また木次線の出雲横田–備後落合間は、18人から35人へと倍増しています。
 これは鉄道ファンや「奥出雲おろち号」の効果だと思えますが、まだまだ低い数値であることは間違 いありません。 

 さてその芸備線は備中神代駅で伯備線に合流しますが、列車はすべて新見まで直通します。そして備 中神代の次が布原です。左の写真は駅に到着するところです。この駅は伯備線にあるのですが、列車運 行上は芸備線の列車しか止まりません。車内の案内図もそのように描かれています。
 この 布原駅は国鉄時代は信号場で、1987年4月1日のJR西日本発足と同時に駅に格上げされました。 伯備線にSLが走っていた頃は、貨物列車を引くD51三重連の撮影場所として知られていました。
 YouTubeに1972年3月12日の三重連最後の日の 様子を記録した動画があります。それを見ると、今では考えられないものすごい光景です。
 左の写真は布原を出たところで、青色信号機のところに鉄橋が見えます。鉄橋を渡るとすぐにトンネ ルに入りますが、その山肌が一面の撮影者で埋まっています。当時は斜面に樹木がなく、撮影スポット になっていたようです。信号場に停車した気動車から撮影者が直接線路脇に降りてくるのも驚きです。
 さて新見には定刻16:01着。木次駅を出てから久しぶりの大きな街です。東城 –新見間の列車は6本あります。乗り換えに時 間があったので、駅前の高梁川の「甌穴」 を見てきました。
7)松江の夕日 と水燈路


 以上で「木次線&芸備線の旅」の記録は終了ですが、おまけとして前日に宿泊した松江市の様子を載 せておきます。
 上は「宍道湖夕日スポット」から見た光景。水平線近くには雲があったものの、美しい夕日が見られ ました。日没時刻より少し前、17:27頃の撮影です。
 右は松江城周辺で開かれていたイベント「松江水燈路」の様 子。松江城の二の丸上の段での「手作り行燈コンテスト」です。国宝の天守もライトアップされ、大勢 の市民や観光客で賑わっていました。
8)鉄道の 日  乗り放題パス
 最後 に今回利用した「鉄道開業150年記念秋の乗り放題パス」の写真 と、日程の紹介です。
 パスは上の1枚で、説明書が5枚ついています。例年は「鉄道の日記念」なのですが、今年は特別で す。「青春18きっぷ」と違い、自動改札に通せるので便利です。また購入時に利用日を指定し、連続 3日間使うことができます。7,850円なので、1日あたりの料金は、「青春18きっぷ」より少し 高いです。

 日程は以下の通り。実際の時刻ではなく、予定時刻です。
▽10月8日(土) 三ノ宮 6:27 → 7:30 姫路 7:31 → 10:49 新見 10:54 → 13:09 米子(昼食)14:40 → 15:10 松江。
▽10月9日(日) 松江 10:42 → 11:01 宍道11:19 → 11:53 木次 12:00 → 12:59 出雲横田 13:11 → 13:32 出雲坂根 13:50 → 14:33 備後落合 14:37 → 16:01 新見 16:52 → 18:27 岡山 19:17 → 20:40 姫路 20:55 → 21:37 三ノ宮。



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