スイス鉄道の旅
2002.08公開

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(辻本のホームページ)



氷河急行(Glacier Express)

(その2)


★BrigからZermattへ

 7月24日、定刻より2分遅れて14:08にOberwald(オーバーヴァルト)を発車した 氷河急行は、ほぼ定刻 の15:11にBrig(ブリーク)に到着。ここで12分停まります。Brigはイタリア、ベル ン、ジュネーブと各方面への線路が分かれる鉄道の拠点で、 駅も立派です。(駅の様子は、今後、BVZBLSのところで書きます)。

 氷河急行は駅前の、ちょうど路面電車乗り場のような場所に停まります。ここまでがFO、ここからはBVZ(ツェルマッ ト鉄道)で、駅は2社の共同駅に なっています。折り返し式の駅なので、機関車の付け替えや、客車の編成の組み替えなどが行われ、停車時間が長いのです。 お客も大勢が降り、パノラマカーも 少しゆったり出来るようになりました。上の左の写真は、Brigに停車中のパノラマカー。ただし、24日に載った列車で はなく、26日に戻ってきたとき に、たまたま停まっていた車両です。
 さて15:23にZermatt(ツェルマット)へ向けて出発した氷河急行は、次のVisp(フィスプ)まで2本の線 路と平行して走ります。
 左の写真で手前の複線のレールが、ジュネーブ方面へ向かう国鉄。そして向こうの山肌に見えるのが、ベルン方面へ向かう 私鉄のBLS(レッチベルク鉄道) です。どちらも大幹線で、国鉄の長大編成列車が追い越して行きました。23日にChur(クール)で国鉄を降りてから、 RhBやFOの赤い列車ばかり見て いたので、久しぶりに見る「国鉄カラー」です。

 さてVisp着は15:35。こちらもBrigと同様に国鉄駅の目の前に停まります。左の写真 は国鉄の駅舎。 Brigと似た、黄色っぽい建物でした。この色はこの地方の特色ある色なのでしょうか。
 Vispから先は1890-91年に開業した歴史のある区間です。

 Visp駅の標高は650m。ここから1605mのZermatt駅まで、列車はマッター谷をさかのぼっていきます。
 最急勾配は125パーミル。アプト式のラックレール区間にさしかかると速度がぐっと落ちて、ガチャガチャと歯車のかみ 合う音がします。前ページのトップ に掲げた写真のように、遠目にも勾配がわかるほどの急坂です。上の右の写真でもラックレールがよくわかります。

 Zermattに近づくにつれ、前方に雪をかぶった高峰が見えてきます。屋根にまで窓がついて いるパノラマカーが本 領を発揮する場面です。ただし、お目当てのマッターホルンは最後の最後、Zermattに着く寸前 に一瞬見えるだけです。しかもこの日は雲がかかっていま した。

 上の3枚の写真には、いずれも窓ガラスに反射した室内が写っています。窓の大きなパノラマカーは景色を見るにはありが たいのですが、窓を開けることが出 来ないので、写真を撮るには不向きです。
 なお、この区間のことは、改めてBVZのページで も書く予定です。

★運転の現状

 最後に氷河急行の運転形態についてまとめておきます。
 3社が共同して運行している列車なので、3社のそれぞれのページに氷河急行の案内が載っていますが、一番詳しいの は中間のFOのようです。その証拠に、 RhBの案内を読んでいると、最後に「もっと詳しい情報はFOのページを見てください」というリンクが張られていま す。
 ということで、FOの氷河急行ページはこち ら。 また、氷河急行そ のもののページもあります。こ ちらには車 両の紹介など、興 味深いデータが掲載されています。

 さてダイヤについて。時刻表を見てみましょう。どのページでもいいんですが、氷河急行そのもののページのものよ り、FOのページの時 刻表のほうが見やすいようです。冬季は1往復、夏は4 往復あることがわかります。そして重要なことは、各列車の内容が同じではないということです。
 パノラマカーや1等車、2等車の連結の有無、食堂車の連結区間が違うし、St.Moritz側は、始発・終着駅が St.Moritzであったり Davos(ダヴォス)だったり、またSt.Moritzへ行く場合、Churに寄るのか寄らないかなど、様々で す。車両の連結については、FOの時刻表 では「Regular Carriages Overview」という別ページになってい ます。

 これを見ると、例えばZermattに向かう列車の場合、4本のうち、パノラマカーが連結されているのは903と 907の2本だけです。逆に Zermatt発の列車では、902の場合は、Brigまではパノラマカーだけしかありません。そしてどの列車にも 食堂車があるのですが、連結区間はかな り限られていることがわかります。
 このように、一口に氷河急行と言っても、実態は複雑です。特に団体客が多い列車でもあり、なかには団体専用列車に 近いものもあるかもしれません。先ほど の車両のページの解説を見ると、パノラマカーにはスピーカーが付いているし、その他の車両では「団体で1両貸し切る 場合は、スピーカー設備を付けることが 出来ます」と書いてあります。
 また、BrigやDisentis、Churなど、折り返したり、会社が変わったりする駅では、短くても7分、長 い場合は24分も停まっています。さら に氷河急行だけの時刻表ではわかりませんが、一般の時刻表を見ると、氷河急行以外の一般列車と、所要時間はあまり変 わりません。こんなところが「世界で最 も遅い特急」などと呼ばれたりする所以でしょうが、鉄道ファンにとっては、遅いことも魅力の一つなのです。



Glacier Express(RhB、FO、BVZ)

開業年月日

1930-06-26

全長

291km(St.Moritz - Zermatt)

軌間

1000mm

最急勾配

125パーミル(BVZ)

ラック型式

アプト式

ホームページ

www.glacierexpress.ch/e/


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