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Sバーンでチューリッヒ
の駅めぐり(前編)
Stadelhofen
> Dietlikon > Oerlikon >
Schwerzenbach > Stadelhofen
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Zürcher
Verkehrsverbund(S-Bahn Zürich
)
チューリッヒ交通ネットワーク
(チューリッヒのSバーン)
(2011/08/12)
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(Santiago Calatravaが改築し、1992年のブルネル賞を獲得したZürich
Stadelhofen駅)
★乗りつぶし+観光は
「ZürichCARD」で
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スイスの
旅の最後は、半日妻と別行動をとり、チューリッヒ周辺の駅の探訪と近郊電車(Sバーン)の乗りつぶしで
す。もっとも限られた時間ですべてを乗りつぶすことはとうてい無理なので、どこを訪れるか考えました。
外せないのはStadelhofen(シュタデルホーフェン)、Enge(エンゲ)、
Oerlikon(エリコン)の3駅。あとは中央駅の北東部で線路がX型に交差している部分を乗ってみ
たいと思いました。Sバーンは頻発しているはずなので、とりあえず行き当たりばったりの行動です。
スイスパスは前日で有効期限が切れているので、キップが必要です。そのため「ZürichCARD」
を買いました。これは左の地図の範囲が24時間、または72時間乗り放題のほか、多くの博物館、美術館
が無料になります。
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乗り物だけなら別の1日キップもあるのですが、今回は国立博物館とチューリッヒ美術館も行くつもりだったので、カード
を使うことにしました。また空港駅も有効範囲に含まれているので、翌日空港へ向かうときにも使えます。有効期間は買った
時点から24時間なので、翌日の空港行きの時刻を考え、10時すぎに購入することにしました。
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調べてみるとカードは「チューリッヒ
の主要駅で買えます」みたいなことが書いてありました。それで中央駅の観光案内所で聞いてみると、「自
動券売機で買って下さい」とのこと。
それで駅の自動券売機を見ましたが、よくわかりません。ちょっと考えて、トラムの乗り場にある券売機
を見てみるとありました。
左の写真のように右側に「ZürichCARD」のボタンがありました。
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画面の左上にある「ZVV」と文字の入っ
たロゴは、チューリッヒ周辺の鉄道やバス、トラム、船などの公共交通を一元的に管理している組織で、ドイツ語で
Zürcher Verkehrsverbund、英語でZurich Transport
Networkといいます。日本語だと「チューリッヒ交通ネットワーク」でしょうか。
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これが
「Zürich CARD」。変わった形です。24時間用は20フランでした。約1,000円。ちなみ
に72時間用は40フランなので、チューリッヒに長く滞在するときは72時間用がお得です。
上の方の青い字で印字されているのは使用開始時間。これは券売機で購入したあと、改めて券売機のス
ロットに差し込んでこの時刻を打ち込む必要があります。ヴァリデーションですね。パンフレットにも写真
入りで、「使う前にヴァリデーションしろ」と注意が書いてあります。
またパンフにはSバーンとトラムの詳しい系統図が載っており、市内の移動の際には重宝しました。
「ZürichCARD」
のホームページはこちら。パンフレットもダウンロードできます。なお、今回改めて見てみる
と、料金は24時間用が24フラン、72時間用が48フランに値上がりしています。
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上の地図がSバーン系統図の中心部。
今回乗ったルートを箇条書きすると以下の通りです。
1)Stadelhofen -Dietlikon
2)Dietlikon - Oerlikon
3)Oerlikon -Schwerzenbach ZH
4)Schwerzenbach ZH - Stadelhofen
5)Stadelhofen - Altstetten
6)Altstetten - Zürich HB
7)Zürich HB - Enge
番外 Enge -(トラム)- Saarsporthalle
8)Saarsporthalle - Giesshübel |
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★ブルネル賞に輝くお
しゃれな駅ーStadelhofen駅
10:29にカードを買った後、最初に向かったのはドルダー鉄道でした。この時の様子はこちらに。
ドルダー鉄道を往復し、レーマーホフ駅から15番のトラムでシュタデルホーフェン駅に向かいました。ここはスペイン出
身の有名建築家であるサンティアゴ・カラトラバが改築を手がけ、国際的な鉄道のデザイン賞であるブルネル賞を1992年
に獲得しています。ぜひ行ってみたい駅でした。
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駅の場所は左の地図の通り。赤く塗った長方形が駅舎で、その右にカーブした斜線部分がホームです。
地図の上にある中央駅からは地下ホームを出た線路がそのままトンネルで市街地を通過し、シュタデル
ホーフェン駅の部分だけ地上に出ています。新幹線の新神戸駅のような造りです。
駅舎の前は緑地のある広場で、さらに湖岸側にはオペラハウスもあるなど、このあたりまでが中心市街地
です。
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現在は中央駅からこのようにまっすぐ到達していますが、1989年5月27日までは上の右の地図(クックの
Continental Timetable 1976年10月号)のように線路が続いていました。 「thurbo」のページの一番最後の写真に
写っているのが、この時の線路が通っていた鉄橋です。
「Schienennetz
Schweiz」2010年版によると、シュタデルホーフェン駅の開業は1894年3月15日、スイス北東鉄道がシュタデルホーフェンからラッパーズヴィ
ルまで開通させたときです。その半年後、10月1日に、シュタデルホーフェンからチューリッヒ中央駅までの路線が開通し
ています。ウィキペディの同駅の項目でも同様の記載がありますが、「駅舎は1884年に建てられた」とも書いています。
開通の10年も前に駅舎だけ建つのでしょうか。ちょっと疑問がわきます。
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建築年はともかく、開業当時に建てられた駅舎が現在も使われ
ています。左上の写真が正面。写真でも架線が見えますが、駅前広場にトラムがループ線を作っています。
スイスの駅には改札がないので、特別な用がある人以外は駅舎を通り抜けず、駅舎の横手から直接ホーム
へ向かいます。右上の写真と左の写真を見ると、駅舎とホームの関係がわかります。地下へ降りる階段は向
かい側のホームへ行く地下道です。
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ホームを覆うガラスの屋根と、屋根を支える鉄の支柱が印象的ですが、これがカラトラバの作品です。
また上の3枚組写真で、地下道へ降りる階段の上の屋根のような部分は可動式で、夜間は下に降りてきて出入り口をふさぐ
ことができるようです。こういうギミックもカラトラバは得意なようです。
ホームをまたぐ形で何か所か陸橋があるので、上からもよく観察できるのがありがたかったです。
右側のホームの屋根の上は遊歩道になっていて、ホームを支える柱と似たスタイルの支柱が連なっています。上の写真はこ
のページのトップに掲げた写真の中央に見える陸橋の上から写しました。トップの写真の陸橋の上には人影が見えますが、辻
本と同様に写真撮影をしている人でした。
アップにしたのが左の写真。この人は熱心で、辻本が陸橋の上でしばらく列車を眺めていると、「ちょっとどいてもらえま
せんか」と声をかけてきました。
ホームにも右の写真のようにカメラ小僧がいました。日本ではよく見る姿ですが、スイスではこういう光景を見るのは珍し
かったです。ちなみに少年の前にある大きな機械は自動券売機。改札がないスイスでは、ホームに券売機があります。
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遊歩道の下のホームは島式で両側に線
路があり、この駅は2面3線になります。上に掲げたSバーンの系統図から見ると、系統の多さに比べて
ホームは少なめです。
写真はホームの出発表示板。多機能型で、次に来る列車については編成の長さもわかります。
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上の写真はDietlikon(ディエトリコン)へ向かうのに乗った列車ですが、機関車牽引の3両編成で、真ん中の車
両は半分1等車であることがわかります。大都市にしては3両とは短いですが、これはすべて二階建て車両です。上の方の列
車が写っている写真ではわかりにくいですが、機関車も専用の機関車です。
★都心から10分の森
の駅ーDietlikon駅
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シュタデルホーフェン駅をでるとすぐ
にトンネル。抜けるともう郊外の風景です。
ディエトリコン駅までは7分。3両の二階建て客車を引っ張るのは専用のこの機関車、Re450型で
す。この機関車は034-4号機。3か国語の国鉄表記の右側には、ZVVのマークも付いています。
これはディエトリコン駅に着いたところです。
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上の2枚は駅舎の様子。左が外側。駅
前は森のようです。正面写真は逆光で断念。右はホームから見た様子。
次はエリコン駅へ。ここの表示板は次の列車のみです。
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12:53発は4両編成のオール二階
建て電車RABe514です。この車両は039-7号機。
これはドアのところに大きくZVVのマークが入っているのがわかります。
S8系統は、エリコン駅からチューリッヒ中央駅を経て、フォアアルペン・エクスプレスで通ったプフェ
フィコンSZ駅まで向かいます。
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★まるでスイスの大宮
駅?ーOerlikon駅
ディエトリコン駅から7分で、エリコン駅に到着しました。
ところで、日本でのOerlikon駅の読み方は諸説あります。1)エリコン。2)オエリコン。3)エルリコンなど。
ウィキペディアでは現在は2)ですが、3)への改名が提案されています。辻本が1)を使うのは、この地にある、かつては
軍艦の大砲、機関砲のメーカーとして有名だった同名の大企業が「エリコン」と呼ばれており、日本法人も「日本エリコン株
式会社」となっているためです。
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駅舎は風格のある建物です。エリコン
駅の開業はスイスでも早いほうで、1855年12月27日、スイス北東鉄道によってエリコンからヴィン
タートゥールまで開通しています。そして翌年の6月26日にはチューリッヒ中央駅との間が開通しまし
た。
開通当時の駅舎は木造だったようで、ウィキペディアによると1865年に石造の駅舎が建てられ、さら
に1912年に建て替えられたのが現在の駅舎だということです。
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他の駅の例にもれず、駅舎の中は長距離キップ売り場があるくら
いで閑散としています。古い駅舎の左手に新しい駅舎が続いており、建物を通り抜けて直接ホームへ出られ
ます。またピロティ部分の中央には、向かいのホームへ向かう地下道の入口があります。
列車の案内表示もここにあります。中央の黄色い枠の表示がそれです。
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ホームは4面6線。南側はチューリッ
ヒ中央駅方面ですが、北側は4方向に線路が分かれていきます。
スイスの大幹線として、長距離列車が頻繁に通り過ぎていきます。左の写真はICNが高速で通過してい
きます。
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エリコンからは逆戻りの形で、
SchwerzenbachZH(
シュウェルツェンバッハZH)駅へ。
13:19発のS14系統も二階建て。電車だったのか機関車牽引だったのかは忘れてしまいました。
内部はこんな感じ。黄色が目立ちますが、2等車です。階段付近はロングシートもありますが、基本はク
ロスシートです。
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★殺風景な郊外駅ーSchwerzenbach
ZH駅
エリコンから9分、13:28にシュウェルツェンバッハ駅に着きました。駅舎はごらんの通り、コンクリートの味気ない
造り。駅の周辺もなんということのない光景です。何となく駅名にひかれてこの駅に降りましたが、こんなことならひとつ手
前のDübendorf(デューベンドルフ)駅に降りた方がよかったかも。デューベンドルフはチューリッヒ近郊の空軍基
地として、いまでも飛行場があり、航空博物館があるほか、戦前のユンカースJu52を使った遊覧飛行機ツアーもありま
す。
見るところもないので、すぐに次の電車に乗ろうと思いましたが、次は13:47発のZug(ツーク)行きと、意外と間
隔が空いています。待っている間にS9系統の反対方向の列車がやってきました。これは機関車牽引です。編成は短いです
が、背が高いので前から見ると迫力があります。
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次はAltstetten(アルシュ
テッテン)駅ですが、いったんシュタデルホーフェン駅で降ります。
表示板は鳥を排除するためか、トゲトゲ付きでした。
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列車の中にあった案内表示板は、上の左の写真のように、現在地点の駅名が大きく表示され、順番に4つ先の駅まで駅名と
時刻が表示されています。最後は終点駅。これは旅行者には便利です。
上の右はシュウェルツェンバッハとデューベンドルフの間の風景。中央駅まで5分なのに、こんな広々とした土地がありま
した。
★途中下車ースイスの小型時刻表
(2011年版)
シュタデルホーフェン駅で途中下車したのは、駅の時刻表を手に入れようと思ったからです。
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左の写真はエリコン駅の駅舎の中の
キップ売り場で入手した「発車時刻表」です。チューリッヒ中央駅とエリコン駅それぞれを発車する全列車
の時刻、種別、行き先(経由地)、発車番線が時刻順に掲載されています。
時刻が掲載されいるページは黄色で、駅の発車時刻表と同じです。2002年の旅で入手した「発
着時刻表」と違い、 着時刻は未掲載です。
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エリコン駅にあったのだから、シュタデルホーフェン駅にもあるのではないかと思い、改めてキップ売り場に行ってみまし
たが、残念ながら見当たりませんでした。作ってないのか、品切れなのかは不明です。
ちなみに他の時刻表も紹介しておきま
す。
左はチューリッヒ中央駅からの「主要都市行き時刻表」。これは2002年の旅で入手したのと同じ造り
です。他の駅のものもありますが、表紙はいずれもRe460型電気機関車でした。
中央は「地区別時刻表」。
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これは最初の「発車時刻表」と同じサイズです。2002年の旅で入手した同タイプの時刻
表は、
表紙が掲載地域の路線図でしたが、この年のものはその地区の列車の写真です。上のチューリッヒ地区は、このページでも紹
介したRABe514型電車です。北東部の時刻表はThurboの電車でした。
右はZVVのSバーン時刻表。横長のものを二つ折りにした形です。表紙はやっぱりRABe514です。
最後は「国際線時刻表」。「発車時刻
表」や「地区別時刻表」より一回り大型です。
2002年版は表紙が国名だけでしたが、今回は各方面への代表的列車が表紙に。
左のフランス方面はTGV。中央のイタリアはETR610。右はオーストリア行きのRailjet
です。
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【2013.5.29追記】Railjetが「オースト
ラリア行き」になっていましたが、もちろん間違いです。オーストリア行きです。
(後編に続く)
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