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スイスの滝めぐり

走破記録

港の見 える街から
(辻本のホームページ)

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ローカル鉄道で渓谷と滝 めぐり
Meiringen > Innertkirchen MIB > Aareschlucht

MIB
(2011/08/07)



(Innerkirchen MIB駅で折り返しを待つ、広告だらけのMIBの単行電車)

★スイス有数の地味な路線へ

 今回、インターラーケンには正午前に到着して2泊するという、辻本としてはゆったりした日程を組 みました。ひとえにユングフラウ三山との対面のためですが、その目的は初日に無事果たすことが出来ました。
 次の目的地は、Meiringen-Innertkirchen-Bahn(マ イリンゲン・インナートキルヒェン鉄道)です。インターラーケンからルツェルンへ向かう鉄道は観光路線で、途中のマイリ ンゲンでスイッチバック式に方向転換します。マイリンゲンはシャーロック・ホームズゆかりの街ですが、そこからさらに東 側へ延びている鉄道については、知る人は少ないのではないでしょうか。長真弓さんの「スイスの鉄道」によると、もともと は発電所への引き込み線だったそうです。

  さて、インターラーケン・オスト駅はホテルの目の前。出発は9:04なので、ゆっくりとホテルで朝食を 楽しめました。
 最初に乗るのはルツェルン行きIR2215列車です。
 2等車4両、1等車1両、1等と2等半々が1両の6両編成。ホームに出てみると、まだ機関車は連結さ れていませんでした。
 8:58になると、ルツェ ルン寄りに機関車が連結されました。De110の003号機です。
 ルツェルンへの路線は、かつては国鉄ブリュニーク線でしたが、今ではZentralbahn(ツェン トラル鉄道)となっており、車体に大きき「zb」の文字が描かれています。

 ブリエンツ湖を眺めながら約30分、9:35にマイリンゲン駅に到着です。
  到着は1番線。上の写真のように1番線と2番線の線路は行き止まりです。
 しかし、そのまま進行方向に向かうと、ホームはMIBのマイリンゲン駅に続いており、次に乗る 9:42発R9814電車が停まっています。Be4/4 8型です。
 きれいなブルーの車体ですが、ごてごてと広告が描かれています。メーンは「アーレ渓谷」です。
 「スイス鉄道地図」の 2012年版です。中央左上のMeiringen MIBから右下へ延びる路線がMIBです。途中の「アーレ渓谷(Aareschlucht)」に見どころマークがついていて、鉄道はトンネルになっている ことがわかります。
 なおこの地図には廃止路線として、1956年まで、マイリンゲン駅前とライヒェンバッハの滝やアーレ 渓谷の入口を結んでいたMRAという鉄道も載っています。

★ワンウーマンカー

 MIBの乗り場にはキップ売り場などの表示はなにもなく、1両編成の電車に乗り込むと、中にタッ チパネル式の券売機がありました。もちろんワンマンカー。ただし女性運転士でした。スイスパスが有効な路線なので、今回 はキップを買う必要はありません。
 発車してアーレ川沿いにくると、南側の正面の山の中腹に、ライヒェンバッハの滝が見えます。そしてアーレ川の川幅が狭 くなってくるとアーレ渓谷ですが、鉄道はトンネルに入ってしまうので車窓から渓谷を見ることは出来ません。
 渓谷に入る手前に、Aareschlucht West(アーレシュルフト・ヴェスト)という駅があり、渓谷見学の(西側の)最寄り駅です。この路線ではバスのように、利用者がいないと通過してしまう ため、マイリンゲン駅発車の際、運転士さんは、みるからに観光客の我々に「West駅で降りるのか?」と確認してきまし た。今回はまず終点まで乗るので、その旨を伝えておきました。

  他の乗客は、West駅と、トンネル出口の手前にあるトンネルの中のAareschlucht Ost(オスト)駅、それに街の中心部にあたるInnertkirchen Post駅で降り、終点まで乗ったのは我々だけでした。
 前方の終点が見えてきました。手前の側線には貨車や、機関車もしくは作業車も見えます。突き当たりは山が迫っていま す。
 これが終着のInnertkirchen MIB駅の全景です。マイリンゲンからちょうど5.0km、標高は637mです。すぐ後ろに岩山が迫っています。この写真の右手には近代的な工場がありま す。
 列車が停まっているホームのある木造の大きな建物も、駅舎というよりは倉庫のようです。
 駅を示すものといえば、紺色の駅名表示と時計、そして窓の左下に見える黄色と白の発着時刻表のみです。左手に立ってい るのはこの列車の女性運転士さん。折り返しの時間待ちの間、煙草を吸っておられました。
 ところで駅名表示をよく見ると、「Innertkirchen KWO」となっています。鉄道会社のHPにある路線図を見ても、終点は「Innertkirchen KWO」で、手前の「Post」駅が、単に「Innertkirchen」駅になっています。しかし、iPhoneアプリの「SBB Mobile」では、現在でも終点は「Innertkirchen MIB」と表示されています。

 このKWOというのは、「Kraftwerke Oberhasli AG」という会社(企業グループ?)の略称で、水力発電関係の会社のようです。上に書いた駅の横にある近代的な工場というのも、このグループの 「Grimsel Hydro」という会社です。
 どうやらこの鉄道(MIB)は、KWOの実質的な子会社なのでしょう。そういえば、鉄道のHPも、KWO関連のページ の中にあります。鉄道の成り立ちと現況を見れば、そうなるのも当然といえるかもしれませんが、広告だらけの車両をみる と、日本の地方鉄道やバス(ただし伊予鉄道を除く)のようで、けなげに思えてきます。
 上の写真とは反対側から眺めた風景です。右端がホーム。赤い機関車はGem4/4 12型。Gemというと、ディーゼルと電気のハイブリッド機関車です。これにも何か宣伝のようなフレーズが書かれています。

★渓谷と滝めぐりへ

 さて、滞在時間7分で折り返しです。今度はアーレ渓谷を見に行くため、運転士さんに「West駅 で降ります」と告げておきます。


  Aareschlucht West駅は上の写真。アーレ川の北岸に、短いホームと小さな待合室があります。
 すぐ隣りにある歩道橋を渡って川の南岸に渡ります。アーレ川は氷河が溶けた濁ったようなコーヒー牛乳 色です。
 ここからアーレ渓谷の入口までは10分程度。以下は「スイスの滝めぐり」をご覧くださ い。

 アーレ渓谷とライヒェンバッハの滝を見た後、また歩いてマイリンゲンの中心部に向かいました。
  ライヒェンバッハの滝は、シャーロック・ホームズが宿敵のモリアーティ教授と戦って滝壺に落ちたところ とされているので、ホームズファンの聖地のひとつです。メーンストリート沿いにホームズの銅像もありま した。
 駅も観光地らしくお洒落です。
 マイリンゲンを12:21 発のIR2220列車に乗り、12:34にBrienz(ブリエンツ)に到着。観光駅とあって、ホーム にも飲食店があるなど華やかです。
 今回はここから船に乗って対岸のギースバッハの滝へ向かいました。続きは「スイスの滝めぐり」をご覧くださ い。

 


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