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楽しさ満開、これこそ「氷河鉄道」
(その1)
RhB・Bernina Line
レーティッシュ鉄道・ベルニナ線(2005/07/16)


(Brusioのオープンループに進入するベルニナ線の普通列車)

★最もスイスらしい鉄道路線

 日本でも知名度の高い「氷河急行」 からは、その名に反して氷河が見えません。それに対して、3つの氷河を間近に見ることが出来る路線が、このレーティッシュ鉄道(RhB)のベルニナ線で す。
 宮脇俊三さんの子供向け絵本「スイス鉄道ものがたり」では、「スイスの鉄道にくわしい人は、この線がいちばんすばらしいといいます」と紹介されていま す。また箱根登山鉄道と姉妹提携しており、「ベルニナ号」という電車 の名前を聞いたことがある人も多いでしょう。

 もちろん鉄道ファンにとっては「聖地」のひとつですが、スイスの他の鉄道名所と比べると、ベルニナ線は地理的に不利な位置にあります。チューリッヒや ジュネーブという空港のある町から遠いことと、同じ路線を往復するか、イタリアにも出かけるかという選択を迫られ、スイスだけでの回遊コースが組みにくい のです。。
 このため、2002年の旅ではあきらめざるをえませんでした。今回はイタリア・フィレンツェからの帰りに通ることにし、やっと念願を叶えました。

 この路線の魅力は次の4点です。
 1)グネグネ度が非常に高い。鉄道ファンにとって、これは非常に重要です。上の図は、レーティッシュ鉄道のホームページから拝借しました。少し縮小しているので見にくいで すが、Alp Grum(アルプ・グリュム)とPoschiavo(ポスキアーヴォ)の間に注目してください。2002年の旅のページに も書きましたが、RhBのすべての路線は、ラックレールを使わない粘着運転です。このため急勾配を登れず、70パーミル以下でくねくねと山を上り下りする わけです。
 2)オープンループ。ループ線は日本でも見られ、それほど珍しくはありません。しかし、トンネルを使わない非常に珍しいループ線が、ここ には存在します。トップの写真に掲げたBrusio(ブルジオ)のオープンループ(オープンスパイラルとも言います)です。全景はRhBのページのギャラリーで 見てください。ここはベルニナ線のシンボルとなっています。
 3)氷河が間近に見える。最初にも書きましたが、Morteratch(モルテラッチュ)、Cambrena(カンブレナ)、 Palu(パリュー)という3つの氷河が見えます。
 4)粘着式鉄道のヨーロッパ最高地点。Ospizio Bernina(オスピツィオ・ベルニナ)駅の標高は2,253m。ラックレールを使った鉄道駅としては、ユングフラウ ヨッホ駅が3,454mと圧倒的ですが、粘着式ではここが最高地点です。

★国境の町Tirano

 ベルニナ線の南の起点、Tirano(ティラノ)はイタリアの町です。イタリア国鉄のティラノ駅(写真左)を出ると、駅前広場の左手にRhBのティラノ 駅(写真右)があります。
 もともとの計画では、フィレンツェからミラノに正午に着き、12:15発の列車に乗り換えて14:42にティラノに到着。そして14:50発の Bernina Express(ベルニナ急行)に乗る予定でした。ベルニナ急行にはパノラマ客車が連結されていて、時刻表によると「予約必須」となっています。フィレン ツェ滞在中にメールで予約を取っておきました。
 それなのに、フィレンツェからミラノへのユーロスター・イタリアが15分遅れ。ミラノ駅のホームを走りましたが、ティラノ行き列車は出発した後でした。 次のティラノ行きは2時間後! 14:15発の列車に乗りました。ティラノ着は16:42の予定。それなら16:49発のベルニナ線列車に乗れ、宿泊地の Filisur(フィリズール)には20:00に着けるはずでした。

 ところがイタリアの列車はやはり油断がなりません。ティラノの何駅か手前で意味不明の長時間停車。結局25分遅れで17:07に到着。ベルニナ線の最終 列車は17:40発なので、なんとかそれには間に合いました。フィリズール着は21:00。駅前のホテルにメールで遅くなる旨の連絡を入れると、「No problem(大丈夫だよ)」との連絡をもらいました。

 さてRhBのティラノ駅の内部です。駅の入り口を入ると狭い通路を通ります。両側に税関か入国審査のような窓口があ ると書いてあるガイドブックもありましたが、窓口は閉まったままでした。
 写真の左手の窓口が切符売り場。右手は待合室です。

 コンコースには「ようこそ」という日本語や、ハングル、中国語も書かれた看板がありました。しかし時間が遅いためか、構内は閑散としています。

 ホームにSt.Moritz(サンモリッツ)行きの最終列車が入ってきました。ABe4/4型の43号機と46号機の2両連結です。このタイプはベルニ ナ線の主力電動車で、この列車のように2両で使われるほか、ベルニナ急行などでは後ろに客車をつないで機関車のような働きもします。この写真ではわかりづ らいですが、中央の出入り口を挟んで、運転席寄りが1等席、反対側が2等席に分かれています。直流1000ボルト用で、出力750kW、最高速度は 65km/hです。41号機から49号機までは、1964年から65年にかけてと、1972年に製造されました。

 ティラノを発車すると、しばらくは町の中を走ります。路面電車のように道路の真ん中を走る区間もありました。やがて 上の右の写真のように谷に入って高度を上げていきます。
 8分でCampocologno(カンポコローニョ)駅。スイスに入って最初の駅です。警察か税関かの係員の姿が見えましたが、列車には乗り込んできま せんでした。

★鉄道模型のようなオープンループ


 さらに数分、右手前方にブルジオのオープンループが見えてきました。樹木に邪魔されていますが、弧を描いた高架橋がはっきりわかります。
 地図でもループは一目瞭然。上の780という数字のところがブルジオの駅です。


 右にゆるくカーブしながら列車は高架橋のアーチのひとつをくぐっていきます。長い編成の列車だともっと絵になるのですが、2両編成では、2両目の後部か ら見てもこれが精一杯です。それでも、窓が開けられる普通車両であることと、車内が空いていて両サイドに自由に移動できたので、たくさん写真を撮ることが できました。

 ループの内側から南側を見たところ。中央には抽象的な彫刻が立っています。写真には2点しか見えませんが、もう1点あるようです。また高架橋は9連アー チで全長は107mです。

 
 左の写真はちょうど高架橋で下の線路を越えていくところです。高架橋を渡り終えて、後方を振り返ってみたのが右の写真。9連アーチがなんとか判別できま す。
 ティラノからポスキアーヴォまでの区間は、1908年7月1日に開通。当時はRhBではなく、Berninabahn(ベルニナ鉄道)という別の私鉄で した。同じ日に、北側のPontresina(ポントレジーナ)からモルテラッチュまでの区間も開通しています。

 ループを過ぎて前方を見ると、集落の向こうから対向列車が下ってきます。こちらは長大編成で、ABe4/4型が機関車役を務めています。最後尾にはト ロッコ列車のような黄色い開放的な客車が連結されています。

 ブルジオ駅で行き違いとなります。
 ところでベルニナ線には、氷河急行のような大きなガラス窓がついたパノラマ客車も存在します。時刻表ではベルニナ急行には「Panorama Coach」とあります。これは大きなガラス窓の客車なのか、写真のようなトロッコ風客車のことなのか、調べたけれどわかりませんでした。

 乗ってみればわかるさと思って予約したのに、結局乗れずじまい。この疑問は今も解けないままです。どなたかご教示下さい。

★ イタリア語圏最後の町

 ブルジオの駅からは、すれ違った列車がオープンループを下っていくのが見えました。こちらの列車も駅を発車し、ヘアピン カーブを登っていきます。右の写真で、町並の向こう、遠くにオープンループの高架橋が見えているのがわかるでしょうか。

 次の駅、Miralago(ミララーゴ)に着くと、目の前に広いポスキアーヴォ湖が広がります。しばらく湖岸に沿って走 り、やがて18:22、ポスキアーヴォに到着。この地方の中心となる町なので、駅も大きく、乗降客もそれなりにいます。標高は1,014m。ティラノの標 高は429mなので、17.07kmで585m登ってきたことになります。

 ここから先は下の地図のようにヘアピンカーブの連続。標高2,091mのアルプ・グリュム駅まで16.52kmで1,077mも登ります。


 写真のように、駅のすぐ先から上り坂が始まっているのがわかります。この駅では10分以上停車しているので、対向列車の行き違い待ちだと思いました。そ の通り、ようやく到着した対向列車が坂を下ってくるのが見えました。

 こんどの列車は、ABe4/4型ではなく機関車が牽引しています。角張った特徴のある形はGem4/4型の801号機です。この型式は801号機と 802号機の2両しか存在しません。直流モーターの他にディーゼルエンジンも搭載したハイブリッド型の機関車で、1968年に製造されました。モーター出 力は540kW(780kW説もあり)、ディーゼンエンジンは2003年から04年に強力なエンジンに更新され1,420kWの出力です。
 ディーゼルエンジンがあるため、交流区間も走ることができ、積雪期にはベルニナ線以外の路線でもロータリー除雪車を押して働いているようです。

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