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ICN(Intercity-Neigezug)でLausanneへ

「傾斜列車」で坂の街・ローザンヌへ(2005/07/10)




(Aarau駅4番線に進入するLausanne行きICN1516列車)

★現在のスイス国鉄を代表する列車

 Neigezug(ナイゲツーク)とは、直訳すれば「傾斜列車」の意味。日本でいう振り子式のことですが、ドイツ 語で振り子を意味するPendelzug(ペンデルツーク)というのは「プッシュプル運転(をする列車)」のことなので、ややこしいです。このあたりのこ とは、以 前にも書きました。
 前置きはさておき、このICNは1999年から製造が始まり、2000年の夏から走り始めた、スイスでも最新の列車のひとつ。カーデザイナーとして有名 なピニンファリーナがデザインを担当しており、型式はRABDe500と呼びます。
 特に、電気機関車牽引の列車が普通であるスイスで、長距離特急用の電車としては、最新鋭にして唯一とも言える存在です。もうひとつ、先輩格の Cisalpino(チザルピーノ)という電車特急もあるのですが、こちらはイタリアとの共同運行とはいえ、もともとはイタリアで開発された車両です。こ のため、スイス専用のRABDe500は特別の存在であるようで、国鉄のパンフレット類ではこの電車の写真が特に目立っています。

 今回はAarau(アーラウ)駅を9:29に出発する1516列 車に乗りました。スイス東部のSt.Gallen(ザンクト・ガレン)を早朝に出発し、チューリッヒを経てローザンヌに向かいます。時刻表には 「1等のビジネスコンパートメントは予約可能」「自転車は予約必須」となっています。ということは、途中駅からでも座席予約無しで大丈夫と思っていたら、 案の定、このとおりガラガラでした。

 ちなみに、時刻表には「予約可能=Reservation possible」「予約必須=Reservation compulsory」に加え、「予約がおすすめ=Reservation recommended」というのもあります。「予約おすすめ」の場合は、予約すべきかどうかは微妙ですが、「予約可能」なら、ほとんどの場合、まず予約 の必要はないと言えるでしょう。

 最新鋭列車とあって、革製のシートはなかなか豪華です。枕の赤い色も、車体の色とマッチングしています。
 で、振り子機能については、左の写真の通り。架線の支柱と比べて、車体の傾き具合がわかるでしょうか。
 アーラウからローザンヌまで、178キロを途中5駅停車で1時間46分。表定速度は100.75Km/h。遅くは無いけれど、びっくりする速さでもあり ません。

 さてRABDe500は、7両編成が基本で、3両の1等車を挟んで、両側2両ずつが2等車です。そして2等車の4両がモータ付きの動力車となっており、 日本式にいうと4M3Tとなります。出力は計5200kWで、最高速度は200km/h。たぶん、現在はそこまで出していないのでしょう。車両の長さは先 頭車が26.9m、中間車も26.27mで、新幹線(25m?)より長くなっています。(訂 正・これまで「日本式にいうと4M5Tとなります」となっていました。訂正します。)

 
 この写真は「2005年の旅」のトップページに掲げたものの拡大です。このページの最初に 載せた写真は、ちょうどホームで影になってしまったので、こちらの写真でディテールを見てください。前面から屋根にかけての赤色と、ドア部分の緑、青、1 等車の黄色など、派手な色ばかりですが、お洒落にまとまっています。出入り口のドアには、見にくいですが自転車のマークが描かれ、自転車が積み込めること を示しています。
 運転席の窓には、日除けが半分降りています。ワイパーを動かすために、ボディーと窓ガラスには段差があるようです。側面の三角窓の下に、小さく文字が書 かれていますが、これは編成ごとに、スイスの有名な詩人や建築家の名前が「列車名」として書かれているようです。この写真では「Max Frisch」と読めます。辻本は知りませんでしたが、マックス・フリッシュは、20世紀のスイスを代表する作家のようです。
 また三角窓の前半分は黒いカバーのように見えますが、これが羽のように広がった写真を見たことがあります。バックミラーの役を果たすのでしょうか?

★琵琶湖のような?ヌーシャテル湖

 ドイツ語圏とフランス語圏の境にあたるBiel/Bienne(ビール/ビエンヌ)を発車すると、スイス西部の湖地帯を走ります。まずBieler See(ビーラー湖)、次ぎにLac de Neuchatel(ヌーシャテル湖)です。湖の名前もドイツ語からフランス語に変わります。
 Neuchatelでは、駅を発車するとすぐ、左側(湖側)にヌーシャテル城が見えます。この城は1011年の史料に「新しい城」(ニュー・シャトーで すね)として書かれており、その後の増改築や火災による焼失を経て、現在の城は大部分が15、16世紀のものだそうです。
 湖の対岸には高い山は見えず、スイスらしくない風景は、なんだか琵琶湖のような茫洋とした感じもしました。右の写真のように、ブドウ畑?も広がっていま す。

 スイスの他の列車と同じく、特急でも座席は向かい合わせが基本です。間にはしっかりとしたテーブルがあり、広げると 2倍の広さになります。地図を広げたり、書き物をするのには大変便利です。
 シートの間の手すりは、跳ね上げ式です。リクライニングは、どうだったかな。この写真を見る限りでは、肱の部分にはスイッチはありません。座面の下に あったのかな。

 ローザンヌに到着すると、車いすの乗客のために、こんなリフトがホームに待っていました。ヨーロッパの鉄道は、ホー ムが低いため、列車に乗り込むのに、何段ものステップを上がる必要があります。これだけは、重い荷物を持っていたり、足が不自由な人には不便だなあと思っ ていました。日本だと、ちょっとしたスロープですむのに、なかなか大変です。

★「オリンピックの首都」

 ローザンヌではあまり時間がなかったのですが、せっかくなのでタクシーで旧市街の中心にあるノートルダム聖堂を見て きました。1173年に建設が始まり、スイスの初期ゴシック様式の代表だといわれています。

 帰りは国鉄駅まで1駅だけ、地下鉄に乗りました。スイスパスがあると市内交通も気楽に乗れます。

 
ローザンヌの町は傾斜地にあるので、このメトロもラックレール式です。歯が1枚のシュトループ式でした。旧市街のはずれにある Lausanne-Flon(フロン)駅から国鉄駅までは、わずか290mで、頻繁に運転されています。国鉄駅から先は、レマン湖畔のOuchy(ウー シー)駅まで続き、全長は1480mです。
 全線がラックレール式ですが、傾斜は最も急なフロン駅から国鉄駅までの区間が120パーミル。国鉄駅から460m先のMontriond(モントリオ ン)駅までが100パーミル。その先、ウーシー駅までの730mは70パーミルです。
 ローザンヌは人口約12万人。それでもスイス有数の大都市なので、国鉄駅も立派です。また国際オリンピック委員会(IOC)の本部がある都市としても有 名で、ちょっと見にくいですが駅の正面には五輪マークとともに、「Lausanne Capitale Olympique」の文字が掲げられています。駅の中も賑わっており、列車も頻繁に発車しています。
 ここからMontreux(モントルー)に向かう列車に乗るはずが、同じ時刻に発車する列車が3本あり、急いでいたため乗り間違えてしまいました。この ため、予定外のFribourg(フリブール)で美 しい風景を眺めることが出来た代わり、Rochers-de-Naye(ロシェ・ド・ネー)への登山列車はあきらめることになりました。(この話 はいずれまた)


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