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港 の見える街から
(辻本のホームページ)

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Goldenpass PanoramicのVIP席

特等席で行く
景勝ルート
(2005/07/11)



(モントルー駅の留置線で出発を待つゴールデンパス・パノラミック)

★スイス有数の観光列車

 スイスで観光客に人気の高い鉄道・列車といえば、氷河急行、ユングフラウ鉄道、ゴルナーグラート鉄道がベスト3で しょう。その次ぎあたりに位置するのが、この「ゴールデンパス」ラインだと思います。

 ゴールデンパスとは、スイス中央部の観光都市Luzern(ルツェルン)からユングフラウ観光の拠点である Interlaken(インターラーケン)を経て、レマン湖畔の国際都市Montreux(モントルー)に至る約210kmのルートです。
 このうち中間のインターラーケンからZweisimmen(ツヴァイジンメン)までは標準軌ですが、両側は軌間1000mmの「メーターゲージ」区間で す。

 このため、全区間を通して運転する列車がないのが特徴で、このことが、先に述べたベスト3に比べて、日本での知名度が劣る原因ではないでしょうか。つま り、団体旅行の移動などには使いにくいということです。


 パンフレットの路線断面図も、軌間が違う3つの区間を強調しています。(この図は東西が逆になっているので、少し違和感があります)。一番路線のアップ ダウンがあるのは、西側のツヴァイジンメンとモントルーの間で、ここには今回乗ったような豪華な展望列車が運転されています。
 また、東側のルツェルンからインターラーケンまでは国鉄のブリューニク線、インターラーケンからツヴァイジンメンまでは私鉄のレッチベルク鉄道 (BLS)、ツヴァイジンメンからモントルーまでは私鉄のモントルー・オーベルラン・ベルノア鉄道(MOB)と、運営主体も3つに分かれています。

 今回は、どうせ乗るなら、VIP席と名付けられた展望車の最前列に座ろうと、座席を予約しました。MOBのホームページを見ると、オンラインで座席予約ができます。列車 の座席配置図も載っています。 VIP席は先頭車と最後尾に各8席。一般の1等座席指定料金は7スイスフランですが、VIP席は15フランになります。5月28日に予約を申し込んだとこ ろ、無事にゲットできました。メールでPDFの書類になった予約確認書が届き、「これを車掌に見せろ」と書いてありました。指定席料金はクレジットカード 決裁です。

★これもピニンファリーナ

 モントルーの街はレマン湖に面した傾斜地にあります。駅前は狭く、目の前にホテルが迫っています。
 駅本屋の左手にある階段を登ると、そこが地下通路です。レマン湖側は国鉄線で、MOBは山側を使用。通路の突き当たりにはMOBの切符売り場がありま す。
 列車の発車は10:45。早めに駅に着くと、冒頭の写真のように列車は6番線に止まっていました。

 5番線にはこのように大勢の観光客が待っています。
 ゴールデンパス・パノラミック特急は8:45発から2時間おきに18:45発まで6往復が運転されています。
 8:45発に乗れば、ツヴァイジンメンで乗り換えてインターラーケンに正午ごろに着くので、たぶん観光客はそっちのほうが多いでしょう。

 
 さて、列車をじっくり見てみましょう。その名の通り、金色を主体に、ロゴの書かれた白色部分とのツートンカラーです。とにかく窓が大きく、パノラミック の名に恥じない作りです。設計はICNと同じく、イタリアの自動車デザイナーでもあるピニンファリーナです。
 VIP席のシートには赤い布がかけられています。これには「Reserved」と書かれ、予約済みを示しています。展望席の上には運転席。ぱっと見る と、特急電車だと思いますが、電車ではなく、あくまで電気機関車が牽引する列車なのです。
 牽引する機関車は、編成の中央部に連結されています。黒いボディーになにやら派手な絵が描かれています。はっきり言って、あんまり美しくありません。機 関車はGe4/4型で、レーティッシュ鉄道で使われているGe4/4 III型機の姉妹機です。
 発車時刻が近づくと、6番線に止まっていた列車はいったん進行方向へ進み、バックして5番線に進入してきました。右の写真は最後部の展望車です。こちら は先頭車とは違い、ちょっと角張っています。このタイプは1985年に登場し、当初は「ゴールデン・パノラミック・エクスプレス」と呼ばれました。先頭の 丸みを帯びたタイプは1993年に登場した新型で、こちらは当初、「クリスタル・パノラミック・エクスプレス」と呼ばれていました。今では両タイプを合わ せて「ゴールデンパス・パノラミック」に代わっていますが、ややこしいので、ガイドブックによっては混同しているものもあります。

 先頭車の車内です。これは中央部から前を見たところ。シートバックが低いですね。列車の座席と言うより、ラウンジで す。全区間乗っても2時間足らずなので、これで良いのでしょう。
 とにかく、外から見た以上に窓の大きさに驚きます。ほとんど温室状態です。
 前方のトイレのような部分は運転席への登り口でしょう。

 こちらは後部を見たところ。最後までガラス張りです。
 写真ではちょっと見にくいですが、窓際の半円形の小テーブルには、コップを置くための窪みがついています。
 また後部のガラス仕切の向こうには軽食を販売するビュッフェコーナーになっています。
 なお、この2枚の写真はツヴァイジンメン駅での撮影です。

★ヘアピンカーブの連続

 さて、定刻の10:45に出発です。

 前方の見晴らしは上のような感じ。最前列なのですが、右端なので、右手の窓枠とワイパーがちょっと邪魔です。
 左に見える変わった形の電車はモントルー・ヴヴェイ・リビエラ交通(MVR)の低床電車です。
 左の写真は上の写真の中央部の拡大です。左前方に見えるトンネルは、ロシェ・ド・ネー方面への線路。ツヴァイジンメンへは右前方の坂道を上り、大きく左 へカーブしていきます。

 南東に向かって発車した列車は、駅を出てすぐのカーブで180度向きを変え、北西に向かって65パーミルの急坂を 登っていきます。
 さらに2つのヘアピンカーブを過ぎ、Chamby(シャンビー)では標高749m。395mのモントルーから7kmで356mも登ります。
 さらに登りは続き、LesAvants駅の先には、73パーミルという、全線で最も勾配が急な区間が待っています。地図にも「70パーミル」の表記が見 えます。

 最初は左側にレマン湖が見えます。市街地は後方です。モントルー発ではなく、到着の列車だと、進行方向の前方に美しい風景が広がるのですが、今回は残念 ながら逆向きです。それでも次のヘアピンカーブを過ぎると、右の写真のように少しモントルーの市街地も見えます。

 シャンビー駅は面白い建物。ここから分かれるブロネイ・シャンビー鉄道は、1966年に廃線になった区間を利用して、各地から集めた蒸気機関車などの古 い車両を集めた博物館鉄道です。5月から10月の土日のみ運転されるようです。
 シャンビー駅の先でもう一度ヘアピンカーブになり、しばらく行くと、谷を隔てて崖の上の集落が見えます。Glion(グリオン)あたりでしょうか。

 そして標高1112mのジャマントンネルをくぐると、レマン湖を見下ろす風景とはお別れ。このような高原の中を、右 に左にゆるやかなカーブをたどっていきます。こういう景色を楽しめるのは最前列の席の特権です。
 その反面、走っている列車の写真がうまく撮れません。これは仕方がないことなんですが……。

 
 無理やり、後ろを振り返って窓越しに撮影すると、こんな感じ。しっかり、窓ガラスに後ろの席のおじさんの姿が写り込んでいます。それでも中央の機関車を 挟んで、前後に3両ずつが連なったゴールデンパス・パノラミックの全貌がなんとかわかります。

 11:23の予定から数分遅れて、Montbovon(モンボーヴォン)に到着。ここはチーズの産地として有名な Gruyeres(グリュイエール)を経て、Bulle(ビュール)へ向かうフリブールジョワ公共交通(PTF-gfm)の乗り換え駅。止まっているのは BDe4/4型の電車です。
 ここで乗り換えるとグリュイエールまでは18分です。

 モンボーヴォンではしばらく停車し、対向列車を待ちました。やってきたのはゴールデンパス・パノラミックですが、Ge4/4型の電気機関車が先頭で引っ 張っています。
 モンボーヴォンからしばらく走ると、右前方に特徴のある山が見えてきます。リュブリホルンでしょうか。

★高原のリゾートを連ねる

 11時47分、Chateau-d'Oex(シャトー・デー)に到着(左の写真)。予定より7分遅れです。ここは1月に開かれる熱気球の世界大会で有名 です。
 Rougemont(ルージュモン)ではまた対向のゴールデンパス・パノラミックと行き違いです。今度の列車はGDe4/4型の電気機関車が引っ張って います。Ge4/4型より少し古いタイプですが、角張っていて前に小さなデッキも付いており、精悍な感じがします。

 ルージュモンまではフランス語圏だったので、駅名もフランス風ですが、次のSaanen(ザーネン)からはドイツ語 圏。駅の名前もドイツ語風に変わります。
 駅舎はシャトー・デーとよく似た山小屋風。このルートにはこういう駅舎が多かったようです。どの駅でもお客さんが待っています。観光列車ですが、途中駅 での乗り降りも多いようです。

 そして12時6分、定刻より2分遅れでGstaad(グシュタード)へ。ここは日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは有名な高級リゾート 地。サンモリッツにも並ぶ存在のようです。列車を待つお客も、何となくお洒落な人たちが多いような気がします。駅の背後には右の写真のようにお城のような ホテルもありました。駅を過ぎて進行方向の右側には、商店街も見えました。この駅の少し先にある鉄橋は、鉄道写真撮影の名所です。

 終点のツヴァイジンメンの手前、Halten信号場で、対向列車と行き違いです。今度は真っ赤なGe4/4が引っ張 る「ゴールデンパス・クラシック」列車でした。
 これは1930年代に走っていたワゴン・リ社の豪華客車を復活させ、2005年5月から運行を始めたばかりの列車です。木製の内装がクラシックな雰囲気 を醸し出しており、これにも乗ってみたいと思っていました。


 やがて右手からLenk(レンク)方面からの線路が合流すると、ツヴァイジンメン駅。定刻よりわずか1分遅れの12:35の到着でした。ここはメーター ゲージのMOBと標準軌のBLSの接続駅であり、いろんなタイプの機関車や電車が並んでいます。時間があればゆっくりと車両を眺めていたかったのですが、 インターラーケン方面への列車への乗り継ぎ時間は、わずか5分。残念でした。
 画面が少しぼけているのは、小雨のため、フロントガラスに雨粒がついているからです。

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