スイス鉄道の旅
2002.08公開

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ゴルナーグラート鉄道(GGB)
Gornergrat-Bahn (そ の1)



(マッターホルンを望む夜明けのGornergrat駅に着いたGGBの特別列車)

★アルプス最高の展望台へ

 アルプスを望む展望台は数あれど、ひとつ選ぶとすれば、Zermatt(ツェルマット)から鉄道 に乗っていくこの Gornergrat(ゴルナーグラート)にとどめを刺すのではないでしょうか。スイスには4000m以上のピークが 34峰あるそうですが、360度の展 望が可能なGornergratからは、そのうち29峰が見えると言います。そして、もちろんマッターホルンの眺望も文 句無しに美しいです。

 この素晴らしい展望台に登るのがGGB。1898年にスイス最初の電化された登山鉄道として開業しました。当初は夏場 だけの運転だったのが、1929年 から冬も運転するようになりました。
 特筆すべきことは、全長9339mのうち3分の1以上の3790mが複線区間であることです。それだけ利用者がいると いうことで、団体旅行では、氷河急 行とユングフラウ鉄道とともに三大定番鉄道のひとつです。

 開業百周年を期に、正式名称はGornergrat-Bahnから、上に掲げたロゴのように、Gornergrat- Monte Rosa-Bahnenに変わりました。またBVZ(ツェルマット鉄道)と一体として運営されているようで、ホームペー ジも共通です。

★Sunrise Excursion

 辻本がスイスに憧れたきっかけは、中学生の時に見た1枚の写真です。確かジャルパックのパンフ レットでしたが、夜 明けのZermattの町並みの向こうにピンク色の朝焼けのマッターホルンがそびえている写真です。それを「モルゲン ロート」と呼ぶというのを知ったのは もう少し後のことですが、以来、そんなマッターホルンを見るのを夢見てきました。
 さて前置きが長くなりましたが、7月25日(木)にGGBに乗りました。夏季の始発は通常、07:10なんですが、6 月20日から9月19日までの水曜 と木曜を中心に運行された特別企画「Sunrise Excursion」に参加しました。
 夜明け前に出発し、Gornergratでモルゲンロートを見るというもの。ホームページの案内では出発時刻は日に よって違うというので、 Zermattに到着した24日、GGBの駅に確認に行きました。ちゃんとパンフレットもあり、出発は5:10でした。 予約しておかなくて大丈夫かと聞く と、「大丈夫」とのこと。それで当日、暗いうちにホテルを出て、駅に着くと、ほどほどの参加者。2両でゆったり乗れるく らいです。日本人も少しいます。料 金はCHF79.00。通常の往復料金はCHF67.00。これに朝食と野生動物ウォッチングのミニツアーが付いて、プ ラス12フランなら、納得できる料 金かな。で、スイスパスは25%オフのはずですが、実際はCHF71.00でした。どういう計算なんだろう。
 さて、最初、上の左の写真のように、ホームに待っていた新型の電車に乗りましたが、出発時刻がきても動きません。どう やらポイントが切り替わらないよう です。結局、全員が電車から降り、車庫から別のホームに入ってきた古い電車に乗り換えました。出発は12分遅れでした。
 出発してすぐ、右の写真のように町並みの向こうにマッターホルンが見えます。まだ町は真っ暗ですが、月明かりのため、 空は明るいのです。
 登るにつれてマッターホルンは全容を見せてくれます。上の左の写真は、カメラのせいで実際はもう少し暗い感じです。臨 時列車のため、途中駅の停車があっ たのか無かったのかも覚えてないくらい、ずっと窓の外に夢中でした。
 2210mのRiffelalp(リッフェルアルプ)駅を過ぎると森林限界を越えるためか、樹木はなくなり、見晴らし がよくなります。大きな右カーブで は、右の写真のように、前方の斜面を登っていく線路がよく見えました。GGBは全線アプト式のラックレールで、最急勾配 は200パーミルですが、ずいぶん と急に見えます。

★晴天なのに……

 Zermattを出て約40分。6時ごろに終点のGornergratに到着しました。駅には 誇らしげに 「3089m」の表示があります。ヨーロッパの鉄道の最高点はJungfraujoch(ユクング フラウヨッホ)の3454mですが、これはトンネルの中 なので、Gornergratは、「地上鉄道の最高点」と言ったりしています。

 駅からもマッターホルンと、南側のモンテローザなどの山々、それに氷河の眺めは素晴らしいのですが、とりあえず、駅の 背後の展望台へ登ります。こちらは 標高3145m、文字通り360度の展望です。鉄道の話からは外れていますが、せっかくなので少しだけ紹介します。

 北側で谷の右手に目立つのは遠くの2つのピーク。左側がドームで4545m。全体がスイス国内 にある山では最高峰で す。そのすぐ右の三角形がテーシュホル(4491m)。右側の山はアルプフーベル(4206m)。解説 板はこちらです。

 同じく北側で谷の左手では白く美しいピラミッド型のヴァイスホルン(4506m)が目立ってい ます。その左手で高い ピークはジナルロトホルン(4221m)です。撮影時刻は上の写真よりずっと後です。解説 板はこちら

 西側はマッターホルンばかり目立ちます。で、かんじんのモルゲンロートですが、残念ながら不発に終わりました。 朝日はそれなりに 差しているのに、すでにあたりは明るすぎます。もっと東側の太陽が昇る山の上の雲が少なく、最初の太陽がうまく差し てくれると、ピンク色になるのでしょう が、今回はダメでした。
 上の写真は、マッターホルンにはまだ直射日光は当たっていませんが、右手の雪が多いダン・ブランシュ (4357m)は朝日に輝いています。かなり西にあ るので、名前がフランス語です。
 手前の建物は駅のすぐ上にあるGornergrat Kulmホテル。展望を楽しんだ後、このホテルでゆっくり朝食を食べました。
 またホテルの右には、GornergratからStockhorn(シュトックホルン)へ登るロープウェイの駅が 見えています。

 南側は大きなゴルナーグラート氷河を隔てて、イタリア国境のモンテローザが見えます。写真 の左側のかたまりです。モ ンテローザはいくつものピークの総称で、左の山にも2つのピークが見えます。右が最高峰 Dufourspietze(4634m)で、モンブランに次ぐ、 アルプス第2の高峰です。

 氷河を隔てて右側がリスカム。こちらもいくつかのピークがありますが、最高峰は4527m。
 (なお山の標高については、ガイドブックや地図によって異同があり、現地の案内 看板の数値も大きく 違っています。ここでは、スイスの連邦地図局の地図に従っておきます。)


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