広辞苑のような分厚さで、圧倒的な存在感を示すこの時刻表が、スイスのすべての時刻表関係出版物の基本です。こ
の中には、私鉄を
含めたすべての鉄道とロープウェイ、ケーブルカー、リフト、客船、遊覧船、トラムなどの市街交通、路線バスが網羅さ
れています。
表紙が黄色の分冊は2708ページあり、1冊すべてが路線バス。青色の分冊は1730ページとやや薄く、その他の
交通です。
スイスは多言語国家なので、説明は独、仏、伊、ロマンシュ語、英の5か国語で記述。表紙も上の写真のように、表に
独、仏、伊の3か国語、裏表紙に2か国 語で書かれています。
表紙は三つ折りになっており、裏にスイス全土の路線図が描かれています。Luzern(ルツェルン)周辺のアップ
はこんな感じ。
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幹線は太く、ローカル線や登山鉄道などは細い赤線で示されています。黄色は主なバス路線で
す。
路線の横の600や470といった数字は、ページ数ではなく、時刻表の番号です。
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有名なトーマスクックの時刻表も同じですが、スイスの時刻表も、時刻表ごとに個別の番号がついているのが特徴で
す。基本的に鉄道は100から960まで
の3桁の数字。ケーブル・ロープウェイ、リフト類が2001から2993までの4桁。船が3150から3940まで
の4桁。バスは枝番号が付き、 100.10から960.76まであります。(2002年夏版の場合)
番号はだいたい地域ごとにまとまっており、完全な通し番号ではなくて、ところどころ数字がとんでいます。これは路
線の改廃の結果や、新設にそなえている ためでしょう。
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目的の時刻表を見つけるためには、この路線図のほか、駅名索引も使えます。冒頭に、
Aadorfから始まって Zwischenfluhで終わる索引があります。
駅名の前に付いている数字は、駅の標高です。これはスイスらしいありがたい情報です。左の写
真にはGornergrat(ゴルナーグラート)や、
Goschenen(ゲシェネン)が掲載されている部分です。駅名に続く数字が時刻表の番号。
太字が鉄道、細字がバスを示しています。
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時刻表部分はこんな感じです。
左は上の路線図の600番、Zurich(チューリッヒ)やLuzernからイタリア方面に向かう幹線の一部。両
都市からArth-Goldau(アル ト・ゴルダウ)までの2つの路線が同じ表にまとめられています。
右はArth-GoldauからRigi(リギ)に向かう登山鉄道。ページの上には、Basel(バーゼル)や
Luzern、Zurichなど、主要都
市からArth-Goldauに連絡する列車が掲載されており、便宜が図られています。時刻表の下には、臨時列車の
運転期間など、細かい情報が記載されて います。
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ロープウェイの例。Pilatus(ピラタス)からKriens(クリエンス)に降りる山
麓寄りの分です。5分おき の運転と書かれているほか、長さ、標高差、所要時間が出ています。
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船の例。Luzern湖のうち、Pilatusの登り口であるAlpnachstat(ア
ルプナハシュタット)方面 への時刻表の一部です。
かなり頻繁に運行されており、レストランもマークも見えます。
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乗り換えの場合、日本では、参照ページが書かれていますが、スイスでは参照時刻表番号が書かれているわけです。
日本の時刻表にあってスイスに無いものは、駅名の横のキロ数表示です。国鉄の主要路線については、巻末に、路線ご
とに起点からのそれぞれの駅のキロ数が
一覧表になっていますが、私鉄は無視されています。ロープウェイの長さや標高差まで掲載するのに、これだけは残念で
す。
以前は国際線時刻表が別にあって、3分冊でしたが、今は2分冊です。日本ではスイス旅行専門の旅行会社「サ
イクルツアー」が販売して いますが、2500円もします。
それでも鉄道旅行のプランを考えるに当たって、これほど頼りになる資料はないので、辻本も2001年に通信販売で
購入しました。当初は2001年に行く
つもりだったのです。ところが旅行が翌年に延期になり、また買い直すのはもったいないと思い、前年の時刻表を元に、
インターネット版時刻表で変更部分を チェックすることにしました。
スイス国鉄のホームページ「SBB Online」
には、 便利なネット時刻表があり、とても便利です。
そして実際の旅行には必要部分をコピーしたり、プリントアウトして持っていったのですが、やっぱり帰ってからの記
録集計用と、旅の記念として2002年
版も欲しくなりました。結局、Zurichの本屋で帰国の前日に入手したのですが、CHF10.0。つまり約800
円でした。ちょっとサイクルツアーの販
売価格は高すぎる気がします。(おまけに通信販売だったので送料がプラス1000円。)
ところで、2001年8月に買った方は、時刻表の有効期間が「2001年6月10日から2002年6月15日ま
で」となっており、表紙にも「01
02」の数字が書かれています。これに対してスイスで2002年7月にかったのは「2002年6月16日から同年
12月14日まで」で、表紙は単に 「02」ですした。
ヨーロッパの鉄道は、大きく夏ダイヤと冬ダイヤに別れていますから、半年分の方がわかりやすいと思うのですが、年
によって違うのでしょうか。SBB
Onlineを見ると、「2002年12月15日からダイヤが変わった」と書かれており、「2003年12月13日
まで有効」となっています。