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今度こそ、ロシェ・ド・ネー
Montreux > Rochers-de-Naye
     MVR-mtgn線
(2011/08/04)


(山頂直下のRochers-de-Naye駅に到着したMVR-mtgnのR3369列車)

★家族客に人気の行楽地

 モントルーの東、標高2,042mのRochers-de-Naye(ロシェ・ド・ネー)山は、 日本人にはなじみ が 薄く、普通のスイスのガイドブックには載っていないことも多いですが、19世紀のうちに登山鉄道が開通するなど、地元で はメジャーな観光地です。
 大都市モントルーの駅から発着するのに、全線アプト式ラックレールで、最急勾配は220パーミルと、本格的な登山鉄道 です。(詳しい歴史は、2005年の旅のページを 参照)。このため、2005年に訪れる予定だったのですが、 ローザンヌからモントルー行きの列車を乗り間違えたために時間が無くなり、断念しました。今回は6年越しで願いがかない ました。

 ジュネーヴからの特急はモントルーに14:38に到着。ロシェ・ド・ネー行きのR3369列車は14:47発。駅は同 じなので、十分時間があるのです が、ロシェ・ド・ネー方面は、途中のCaux(コー)までしかスイスパスが通用しません。その先は50%割引となりま す。
 スイスの鉄道では基本的に車内での切符販売はなく、事前に購入する必要があります。このため、9分の乗り換え時間で切 符を買う必要がありました。ロ シェ・ド・ネー行きを運行するTransports Montreux-Vevey-Riviera(モントルー・ヴヴェイ・リヴィエラ交通、MVR)や、ゴールデンパス列 車を運行するMontreux- Oberland bernois(モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道、MOB)の切符売り場は、通路の山側にあることは、2005 年の時に利用してわかっていまし た。
 駅に到着すると急いで階段を下りて切符売り場へ。幸い先客は1人だけ。スイスパスを見せて「ロシェ・ド・ネーまで往 復、2人」というと、すぐ発券しても らえました。もちろんモントルーからの往復ではなく、コーから(正確にはコーの2駅先、Haut-de-Cauxオー・ ド・コーから)ロシェ・ド・ネーま での往復切符、1人25フランです。
 

 急いで8番ホームへ上がると、ずいぶんお客さんが並んでいます。お年寄りや家族連れが目立ちま す。
 まもなくR3369列車が入線してきました。上がクリーム色、下が水色の通常車両2両に加え、派 手なイラストが描かれた2両も加えた4両編成です。先頭 には荷物用のワゴンも連結しています。木曜日ですが、多客期なのでしょう。

 発車するとすぐに128パーミルの急勾配。後方にはモントルーの町並みが広がり、前方にはレマン湖に浮かぶシヨン城が 見えます。この区間は2005年に Glion(グリオン)からの下り列車に乗りましたが、進行方向が変わるとまた新鮮です。

★岩山とマーモット

 ロシェ・ド・ネー線の軌間は800mm。狭い車内は満席の盛況です。でも観光客ばかりなので、安 心してカメラを構 えることができました。
 グリオンを過 ぎると勾配はほとんど220パーミルに。モントルーの街がどんどん小さくなっていきます。
 ここから先は初めての区間。1892年にグリオンとロシェ・ド・ネーの間が開通したときは「グリオ ン・ロシェドネー鉄道GN」でしたが、1909年にモ ントルーとグリオン間の「モントルー・グリオン鉄道MGI」が開通しました。
 そして1987年に両社が合併して「モントルー・グリオン・ロシェドネー鉄道MGN」となり、さらに1992年には、 Territet(テリテ)とグリ オン間のケーブルカーを運行する「テリテ・グリオン鉄道TG」と合併して、「モントルー・テリテ・グリオン・ロシェド ネー鉄道MTGN」となりました。こ こまでは、まあ同一路線の中の話なので、合併も当然と思いますが、さらに2001年の元日、周辺の3鉄道とMTGNが大 合併し、「モントルー・ヴヴェイ・ リヴィエラ交通MVR」が発足しました。このような経緯から、ロシェ・ド・ネー線のことは、「MVR-mtgn」と書か れる場合があり、このホームページ でもそれを採用しました。

 Caux(コー)は大規模なホテルが並ぶ、沿線の中心駅。ここで山を下ってきた列車と行き違いです。(上の左の写 真)。こちらはイラスト車両のみの2両 編成でした。
 さらに登ると周囲はすっかり岩山に。それでも登山客、ハイキング客が多いのか、途中にいくつも駅があります。 Jaman(ジャマン)駅の横にはハイキン グコースの案内板が建っていました。両端に赤い目印がついているコースは、「上級者向け」ということです。

 やがて山頂が見えてきました。大きな建物は終点のロシェ・ド・ネー駅(標高1,973m)とホテル。その右上、高いア ンテナの立っているところが山頂 (標高2,042m)です。ちょっと霧(雲?)がかかっています。
 そしてロシェ・ド・ネー駅に到着。山を降りる人たちが、折り返しとなる列車に乗り込んでいきます。
 ところで車体のイラストはというと、「Marmotte(マーモット)」です。ウィキペディアによると、ネズミ目リス 科マーモット属の総称で、大型のリ スの仲間。日本には生息していないため、日本人にはなじみが薄い動物となっています。
 ロシェ・ド・ネーの山頂駅周辺には、マーモットの飼育施設があり、「マーモット・パラダイス」と名付けられています。 トップに載せたロゴは、モントルー 駅に掲げられている看板です。

 山頂への道を歩き始めると、山を下る列車が発車していきました。ホームは半地下になっており、上にテラス席があります が、今日は霧が多いので、人気はあ りません。
 山頂に到着す ると、レマン湖が一望できます。モントルーやヴヴェイの街がよく見えます。
 スペインからの観光客が多く、周囲を指さしながら「ミレ、ミレ(見えた、見えた)」と大声を上げてい ます。それが日本語の「見れ、見れ」にも聞こえて面 白かったです。
 ただ天気は良いのに、霧というか雲があり、遠くは不鮮明。案内板によると、左の3つこぶ山の向こう に、ユングフラウ3山が見えるはずなのに、残念でし た。
 駅の周 辺を見下ろすとこんな感じ。やっぱり雲がかかっています。
 右手に並ぶ白い円形のものは、モンゴルの住居「ユルト」です。ここには宿泊することも出来るようで、 パンフレットには「星に近いユルトで一夜を過ごし、 まか不思議な体験を」と書かれています。
 ホテルの建物と、ユルトの間、柵に囲われたところがマーモットの飼育施設。このほか、山頂への途中の 斜面にも広い飼育場所がありました。
 鉄道ファンとして楽しかったのは、上の写真。コー駅での列車行き違いの光景が見下ろせたことです。鉄道模型のような光 景は見飽きません。下っていくの は、さっきロシェ・ド・ネー駅を出て行くところを見送った列車。登ってくる列車は、我々が山を降りるのに乗る予定の列車 です。

★「バカだ」と言われても・・・

 さてその列車がロシェ・ド・ネー駅に到着しました。16:46発のR3374列車です。今度も4両編成ですが、イラス トが違います。サンタクロースが描 かれています。何で真夏にサンタクロース?と思いますが、実は、モントルーで「クリスマス・マーケット」が開かれる時、 ロシェ・ド・ネーには、「サンタク ロースの家と事務所」が出来るのだそうです。

 帰りの列車は よく空いていました。2005年の時に乗った列車は、1+2の座席配置でしたが、今回は行きも帰りも 2+2の座席です。そのかわり席はコンパクトで通路も 狭くなっています。

 氷河急行が、以前の詰め込み型から、少しゆったり型に変わってきたことなどを考えると、時代に逆行す る気もしますが、それだけお客さんが多いのでしょう か。

 さて、あとは山を下ってモントルーに17:41に着き、18時まで待って、朝ジュネーヴからファーストバゲージで送っ たスーツケースを引き取り、ホテル にチェックインするだけ。と考えていたのですが、グリオンが近づいてくると、ふと気がつきました。
 グリオンからモントルーへの下りは、2005年に乗車済み。しかし、グリオンからTerritet(テリテ)に下る ケーブルカーは、上りしか乗っていな い。ここは2005年とは逆に、ケーブルカーで下ってモントルーへ戻るべきではないのか。それにうまくいけば、国鉄のテ リテ駅から乗車できるかもしれな い、と。
 早速、iPhoneの「SBB Mobile」を起動。テリテ経由でモントルーまでの接続を見てみると、ケーブルで降りても6分待ちでバスに接続し、モ ントルーの駅前着が17:49。直 行するのとほとんど変わりません。それなら、同じルートはできるだけ通りたくないという、鉄道ファンの本能に従うべき。 グリオンで乗り換えました。
 乗り換え時間は最小の1分。というか降りてくる列車に連絡しているのです。慌ただしく写真をとりましたが、あれれ、2005年の 時は真っ赤だった車体が、「ゴールデンパス色」になっています。登ってきたケーブルカーも同じ色でした。
 その理由は、「ゴールデンパス」 のホームページを見るとわかりま す。MOBが運行するいわゆる「ゴールデンパス・ライン」だけでなく、MVRが運行するロシェ・ド・ネーや、Les Plèiades(レ・プレヤデス)への路線も同じようにPRされています。(デフォルトはフランス語ですが、日本語版 もあり、「ロッシェ・ド・ネ」と なっています)。
 HPの「会社案内」を見ると、MOBもMVRも、「ゴールデンパス」という同じブランドを使うようにし、同じ事務所で 足並みをそろえているようです。そ ういえば、駅で手にしたパンフレットも、MOBとMVRが分け隔て無く載っていました。
 
 とは言え、このようなことを考えたのは、帰ってきてから。ケーブルを降りた後、バ スの時刻まで数分ある のを利用して、地下道で道路と線路をくぐり、国鉄テリテ駅の時刻表を見に行きました。もしかして、もう少し待てば列車が あるのであれば、バスよりも列車で 戻ろうと思ったのでした。
 しかし、残念ながら列車は出たばかりで、次は約1時間後。しかたなくバス停に戻ると、妻の様子がなぜか険悪です。なぜ グリオンでわざわざケーブルに乗り 換えたのかが理解できないようです。きちんと理由を説明したのに、「そんなことして、バカじゃないの」って。

 そんな非難にめげず、トロリーバスに乗って、モントルー駅へ。最寄りのバス停「Escaliers de la Gare」というのは、「駅の階段」の意味。階段を上がったところがモントルー駅です。18時を待って駅の手荷物窓口に 行き、ジュネーヴでもらった半券を 見せて引き取りの旨を告げると、「書類はないのか」と言われてしまいました。どうやら、半券は単なる受領書で、パソコン で打ち出した1枚の紙の方が引換券 のようでした。でも、カバンの中を探しているうちに、窓口氏がスーツケースを持ってきてくれました。
 ホテルへはもう一度階段を降り、湖畔の道を左へ約5分でした。

 


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