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近郊列車で行く「天使の里」
Brienz > Engelberg > Luzern
Zentralbahn(zb)
ツェントラル鉄道
(2011/08/08)



(Engelberg駅で発車を待つツェントラル鉄道Luzern行きIR3687列車)

★「SBB Mobile」を超えた乗り継ぎ

 Brienzer Rothornを11:15に出発した下りのSL列車が、麓のBrienz BRB駅に到着するのは12:20の予定。その後はツェントラル鉄道でルツェルン 方面へ向かい、Hergiswil(ヘ ルギスヴィール)で乗り換えて、Engelberg(エンゲルベルク)へ行く計画です。
 今回の旅ではインターラーケン周辺の日程をフレキシブルにした関係で、詳しい乗り継ぎ時刻は調べていきませんでした。ロシェ・ド・ネーのページでも書いたように、現地で iPhoneアプリの「SBB Mobile」で調べるつもりでした。下り列車の中で調べてみると、ルツェルン方面行きの列車は1時間以上の待ち時間があるようです。ちょっと接続が悪い ですが、Brienz駅のホームにレストランがあったのは前日に確認済みなので、待ち時間に昼食を食べようと思っていま した。
 定刻の12:20に麓のBrienz BRB駅に到着し、道路を渡ってツェントラル鉄道のBrienz駅へ。ホームへ出て、壁の時刻表を確認 していたら、列車が入ってくる気配がします。
 なんと12:24発のルツェルン行きIR2221列車でした。「どうして?」と思いましたが、列車の 表示を確認し、とにかく乗り込みました。
 どうやら「SBB Mobile」は、ここでの乗り換えには5分必要だと判断し、この列車を示さなかったのでしょう。
 2012年8月時点で同条件で検索し てみると、BRBの時刻は同じですが、IR2221列車のBrienz発時刻は12:25に変更されて おり、ふたつの駅の間は「Walk 5min.」として接続の案内がされています。誰かが気がついて発車時刻を遅らせたのかな。
 左の写真は列車に乗り込んでから改めてiPhoneで確認しているところです。
 なお、この車両は窓が大きくて素敵でした。
 またありがたいことに、IR2221 列車は「インター・レギオ(地域間急行)」なのに食堂車付きでした。軽食だけでしたが、パスタと生ハ ム・サラミの盛り合わせ、それにビールとパンで満足できました。
 ゆっくり食事をしていると、通路を挟んで反対側でビールをちびちびと飲んでいた男性が話しかけてきま した。ウイーンの税関か入国審査の職員で、スイス旅行を楽しんで今からウイーンに戻るところだというこ とでした。気軽にスイスに来られるヨーロッパの人たちがうらやましいです。
 ところで、上の方の写真の機関車。前 日のMIBのページにも「機関車はDe110」と書きましたが、これは荷物室も付いているので、形式的 には機関車ではなく、電車扱いのようです。
 マイリンゲンで方向転換し、(機関車も付け替えて)ブリュニーク峠をすぎるとこんな風景の中を走りま す。
 と書いてから、2002年の旅のブ リュニーク線の記録を見返してみると、同じ風景の写真が載っていました。ワンパターンですね。でも美しい風 景、ルンゲン湖です。
閑散としたリゾート路線
 ヘルギスヴィール駅には13:53 着。エンゲルベルク行きは14:16なので、20分余りの接続。駅前に出て写真を撮りました。
 エンゲルベルクへは列車はルツェルンから直行なので、ここで乗り換える人はあまりいないようです。駅 前も人影がなく、駅舎も素っ気ない造りです。2階のベランダの赤い花が、わずかにスイスらしさを見せて います。
 エンゲル ベルク行きIR3676列車は、HGe101型機関車が牽引する客車列車。緑の中を走っていきます。屋 根付き橋もありました。
 HGe101の「H」は、ラックレール対応のしるしです。ルツェルン湖畔のヘルギスヴィールは標高 449mですが、終点のエンゲルベルクは999m。その手前には246パーミル(261パーミル説も) の急勾配がありました。
 過去形で書いたのは、2010年12月に新線に切り替わったためです。
 4,030mのエンゲルベルクトンネルが出来て、勾配は105 パーミルに緩和されました。ラックレールはリッゲンバッハ式です。
 所要時間も10分あまり短縮されて便利になったのですが、旅行者の身勝手な感想としては、見どころが なくなって残念です。
 トンネルを抜けたところで振り返ると、道路沿いに旧線の跡が見られました。もう線路はすっかり取り外 されていました。
 これはエンゲルベルク到着時に撮影した1等車の車内。下の写真 のように1等車は1両です。3人掛けでテーブル付きのゆったりした造り。
 この日は乗客は少なかったものの、ルツェルンからの手軽な日帰り観光地として、エンゲルベルクは人気 があるようです。でも、どちらかというとスキーリゾートなので、冬場がシーズンなのかもしれません。
 終点のエンゲルベルク駅。定刻14:53に、頭端式の3番線に到着したIR3676列車。HGe101型機関車は、角 張っていて好きなタ イプです。ツェントラル鉄道だけでなく、マッターホルン・ゴッタルド鉄道(旧フルカ・オーバーアルプ鉄道)でも使われて いる主力機です。

天使の里で作る絶品チーズ

 エンゲルベルクというと、このページ のトップ写真や、上の左側の写真のように岩山を背景に頭端式ホームが延びている写真をよく見ていたの で、突き当たりの建物が駅舎だと思っていました。
 ところがこれは右の写真のようにHotel Bellvue。駅舎は左のように、ちょと地味な現代建築でした。 
 エンゲルベルクはスキーリゾートで、観光地として一番有名なのは、Titlis(ティトリス、標高3,238m)の頂 上近く(標高3,028m)まで登るロープウェイ。しかし今回はロープウェイには乗らず、もうひとつの名所であるベネ ディクト派の修道院をめざしました。
 駅を出て少し歩くとすぐに町並みは途切れ、左上の写真のように 広大な修道院が見えてきました。おごそかな礼拝堂もお参りしてきました。
 その右側にある別棟の建物には、チーズの製造所があります。修道院の中でチーズを作っているのは、ス イスではここだけということです。
 設備は近代的ですが、手作業です。作業風景がガラス張りで見学できるようになっており、周囲は小さな レストランと、お土産売り場が取り囲んでいます。ここは、しっかり観光地仕様です。
 修道院の鐘をかたどったチーズはマイルドな味わいで、大変おいしかったです。
 エンゲルベルク滞在は2時間余り。17:00発の列車にのるため、駅 に戻りました。ホームの前方まで行って、進入してくる列車を待ち構えました。
 帰り のルツェルン行きIR3687列車もHGe101型機が牽引してきました。ここにやってきたときと 同じ964-5号機です。我々を運んできたあと、ルツェルンへ戻り、再びやってきたようです。機関 車の次が黄色い帯の入った1等車。その後ろに2等車が3両見えます。
 そしてその後ろ、ルツェルン寄りの最 後部は、右の写真のような流線型の運転台付き制御客車が付いています。
 これはABt941-943形という形式で、3両連接・片側運転台の低床式客車で、2006年製造で す。シュタッド ラー社の製造で、同じ形をしたABe130形という電車もあります。
 翌日、ルツェルンの駅でABe130形電車のスタイルがよくわかる写真を撮りましたので、このページに貼り付けておき ます。
 ご覧の通り電車も3両4車台の連接車で、片運転台なので、たぶん2組6両で運行するのが基本なのでしょう。運転台のあ る車両の運転台側半分が1等車。真ん中の車両は高床で天窓のあるパノラマ車両。いずれも窓が大きいのが特徴です。
★鉄ちゃん乗りで大好きなルツェルンへ
 ルツェルン行きは制御客車が先頭にな り、HGe101形機関車が推進運転します。
 ABt942形の制御客車も半室1等車。中から見るとこんなに窓が大きいです。うれしいことに運転台 後ろから前を見るこ とが可能でした。貸切状態だったので、こんな感じで、しっかり鉄ちゃん乗りして楽しんできました。
 定刻の17:54にルツェルン駅到着。横から見ると丸っこい先頭の形は愛嬌があります。隣にも同 型式が並んでいます。ルツェルン駅は、鉄とガラスとコンクリートの現代建築。スペイン出身の有名建築家、サンティアゴ・ カラト ラバの作品です。
 ルツェルンは大好きな街で、スイスに 来るたびに宿泊しています。
 今回は旅の前半と後半を切り替える中間地点として、わずか1泊の滞在。それでもせっかくなので夕暮れ のロイス川沿いを散策してきました。左上はラートハウス橋。風情のある好きな橋です。右上は川べりのホ テル街。中央は2002年の時に宿泊したHotel Schiffです。
 そしてルツェルンの象徴、カペル橋です。橋の灯りが水面に煌めいて美しいですね。正面には双塔を持つホーフ教会がライ トアップされています。
 そして左がルツェルン駅の夜景。来るたびに駅の全景を写そうとするのですが、なかなか全容を写し込むことができませ ん。 右は今回宿泊したHotel Monopol。1泊だけではもったいないホテルでしたが、駅前の横断歩道を渡った目の前という最高の立地。それにお洒落な外観のホテルが好きなんです。 おか げで余裕をもって翌日からの旅の後半戦に臨むことができました。


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