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緑の中を走る「ブルートレイン」

RhB・Arosa Line
レーティッシュ鉄道・アローザ線
(2005/07/17)



(Arosa駅で出発を待つ、Arosa Express)

★鉄道の町、Chur

 Chur(クール)はローマ時代以前から続くスイス最古の町で、グラウビュンデン州の州都。 チューリッヒからは Re460機関車が引っ張るインターシティーで1時間18分。頻繁に特急が走る幹線の終点です。ここから先は、どこへ行 くのも、1mゲージのレーティッ シュ鉄道(RhB)に乗り換えることになります。

 クールから高原のリゾート、Arosa(アローザ)に向かうのがRhBのアローザ線。 25.68kmを約1時間で結 んでいます。
 クールは標高584m、アローザは1,739mです。左の地図のようにPlessur(プレスー ル川)を遡っていきます。特に前半は短いトンネルが連続 する区間です。

 全区間が1914年12月12日に開通し、開通時から電化されています。当時はChur-Arosa鉄道(ChA)と 言いましたが、1942年1月1日 にRhBと合併しました。

 クール駅はホームも多い大規模な駅ですが、アローザ線の乗り場は駅前広場に面しています。待っているとGe4/4II 型機関車633号機に引っ張られた 赤い客車列車が到着しました。以前に「スイス鉄道の旅」の表紙を飾っていた写真は、上の写真の直前に写したものです。

 アローザ行き列車に間違いなかったので乗り込むと、列車は引き揚げ線に入ってしまいました。オ レンジ色の作業服を着 た鉄道マンが、足回りを点検しています。
 日本だったら「到着した列車は引き揚げ線で点検が済むまで乗車できません」とかのアナウンスがあ るところですが、スイスではこだわりが無いようです。

 1等車の車内はこんな感じ。3人掛けでゆったりしていますが、これまでに見たことのないタイプ です。
 安っぽいというか、カジュアルというか、同じ赤一色の外観でも、色々な内装があるものです。
 RhBの1等車は、窓が開くのでありがたいです。この列車もほどよく空いています。

 進行方向に機関車が付けられ、引き揚げ線から乗り場に戻る途中、本来のホームがよく見えました。国鉄とRhBの代表的 機関車が並んでいます。
 左の2台が国鉄で、左がRe4/4II型の11153号機。同型では古いタイプで、パンタグラフが菱形です。その隣が Re460型の045号機。その右 の白い機関車はRhBのGe4/4III型の649号機。右端の柱の陰にはRhBのGe4/4II型が見えます。

★渓谷沿いに高原の湖畔へ

 12:08にクール駅を出発すると、しばらくは路面電車のように市街地を走ります。牽引するの はGe4/4II型の 613号機で、なかなか迫力があります。道がそれほど広くないので、列車だけでいっぱいです。
 ヨーロッパでは、チューリッヒなどでもそうですが、都心部にはあまり車が走っていないので、こう いうことも可能なのです。


 市街地が尽きると、プレスール川の川べりを走ります。しばらく行くと、線路は川からずいぶん高い ところを走るようになり、ランドヴァッサー橋のような断 崖に突っ込むトンネルがありましたが、カメラの用意が出来ていませんでした。
 それで、また通るかもしれないと待ちかまえて撮影したのが右の写真です。こちらは断崖とは言え ず、ふつうの斜面でしたが、それでもなかなかの迫力です。 窓を開けずに撮ったので、やや不鮮明なのが残念です。

 トンネルに入る部分を拡大してみました。機関車がパンタグラフを折り畳んでいるのがわかるで しょうか。ベルニナ線の ところでで書 いた疑問の答えがここでわかりました。
 ところで機関車の次の車両は窓が少なくて異質ですが、これは自転車用の車両なのです。

 クールを出てから約40分、Langwies(ラングヴィース)駅が近づくと、右手前方に同名 の大きな橋が見えてき ました。
 ラングヴィース橋は全長284m(287m説も)。中央径間は100mで、完成時にはコンクリー ト製アーチとしては世界一の長さを誇っていました。

 残念なことに橋の上部が補修中で、白いカバーがかけられています。橋桁の部分が薄い、優美な橋なのですが、そのあたり がわかりにくくなってしまいまし た。

 ラングヴィース駅を出発すると、右へ急カーブを切り、橋にさしかかります。左の写真でも、白いカバーが目立っていま す。橋の上から下流を見たのが右の写 真。このあたりはなだらかな斜面となっています。

 Litziluti駅で対向列車と行き違いです。待っていると、左手前方のS字カーブを降りてくる対向列車が見えまし た。引っ張るのは、やはり Ge4/4II型の617号機です。

★異色のリゾート列車

 定刻の13:09にアローザに到着です。大勢の人たちが自転車を下ろしています。このグループ はLitziluti 駅から乗り込んできました。
 スイスの鉄道は自転車愛好家にとっては本当に頼もしい存在です。ICNなどの特別列車でも、自転 車の搭載が考慮されています。日本人にとってはうらやま しい限りです。

 自転車に優しいのは、駅の構造も関係しているのでしょう。跨線橋や階段が少なく、改札もないた め、ホームからそのま ま町へ走り出すことが可能です。
 アローザ駅は中央の藤色の建物。左に赤い列車が見えます。駅前には湖があるため、広々としていま す。

 駅前で昼食を食べ、帰りは14:48発のArosa Express(アローザ急行)です。急行と言っても所要時間は変わらず、各駅に停車。違うのは外観と内装です。この ページのトップに掲げたとおり、スイ スの鉄道には珍しい青い色にカラフルな花を描いた派手な外観です。特にレーティッシュ鉄道は機関車も客車も赤色一色が基 本なので、とても目立ちます。
 この写真では見にくいですが、機関車は赤いGe4/4II型の627号機が担当し、前に4両、後ろに2両の客車を動か します。先頭の客車は運転台付きの 制御客車です。

 内部は右の写真のとおり。中央部がラウンジ風になっています。これは1等車ですが、2等車も一部がラウンジ風になって いるようで、RhBのホー ムページには車両 の図面が載っています。辻本は写真を撮るため、1等車ですが、両端部のクロスシート部分に座りました。特別車両でも窓が 開くので助かります。また端っこだ と、風が入っても迷惑になりません。

 帰りもLitziluti駅で対向列車と行き違いです。今度は相手を待たせてこちらが坂を下っていきます。対向列車に は、トロッコ風のパノラマ客車が連 結されており、遠足なのか女子学生の団体が乗っていました。

 来るときにうまく写せなかったトンネルの写真に再チャレンジしました。いずれも後方に向いての 撮影です。
 左は行きにも撮した場所。Clasauトンネル(93m)と、Clasaurer Tobel橋(64m)です。
 撮影順に並べましたが、位置的には左の写真がアローザ寄りで、東側です。

  右側がランドヴァッサー橋のように断崖に開いたトンネル。Ballenfalleトンネル(249m)と、 Castieler Tobel橋(82m)です。地形図を見ても、鉄道が橋を渡って崖に突っ込んでいる様子がわかります。

 やがてクールの市街地に入ってくると、川べりの駅に停車します。Chur Stadt(クール・シュタット)駅ですが、ただの歩道に停まっているように見えます。
 Stadt(街)というだけに見所の多い旧市街に隣接しており、大勢の観光客が降りました。
 この後、また路面電車のように市街地を走り、数分でクール駅に到着しました。

 到着の前に車内放送があり、「レーティッシュ鉄道のアローザ急行に乗っていただき、ありがとうございました。またのお 越しをお待ちしています」みたいな アナウンスをしていました。スイスでは車内放送は極めて簡単なので、印象に残りました。このへんが観光列車のあかしで しょう。

 クールの駅舎は左のようにクラシックな造りですが、現在は大規模に改装中で、この駅舎は使われていませんでした。この 右手に新しい駅舎が出来つつありま す。右の写真に見える大きなガラス屋根も最近出来たようです。国鉄の古いタイプの客車が見えます。
 クールからは、Re460機関車が引くインターシティーに乗って、一路チューリッヒへと向かいました。

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