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ユングフラウは、また霧の中
Schynige-Platte-Bahn
シーニゲ・プラッテ鉄道(SPB)(2005/07/11)


(トゥーン湖を見下ろしながらS字カーブを下るSPBの列車)

★テディベアがお出迎え

 Schynige Platte(シーニゲ・プラッテ)は、スイス観光の一大中心地であるインターラーケンのすぐ南にある山で、ユングフラ ウ、メンヒ、アイガーというベル ナーオーバーランド3山の好展望地として知られています。インターラーケン・オスト駅からグリンデルワルド方面へ行くベ ルナーオーバーランド鉄道 (BOB)で一駅目のWilderswil(ヴィルダースヴィル)から登山鉄道が走っています。2002年の旅で、「可愛い列車が 見 えました」と書いたのがそうです。

 今回は列車の接続の都合で、ヴィルダースヴィルへはインターラーケン・ヴェスト駅からバスで向かいました。というの も、スイス国鉄のWeb時刻表で、モ ントルーからのゴールデンパス・パノラミックからシーニゲ・プラッテへの接続を調べたところ、バス利用という結果が出たか らでした。
 さて上の写真の左がインターラーケン・ヴェスト駅。向かって右が広いバス乗り場です。バスで8分。市街地を抜けると右 の写真のようなヴィルダースヴィル の駅に着きました。

 シーニゲ・プラッテ鉄道(SPB)のホームには、テディベアの看板があります。これは、スイス の絵本作家がシーニ ゲ・プラッテを舞台に2頭のテディベアが活躍する物語を作ったためのようで、すっかりこの鉄道のマ スコットになっています。
 のんびりと列車を待つ人たちに似合っています。

 SPBが開通したのは1893年6月14日。電化されたのは1914年5月9日。電気機関車はそれ以来現在までずっと 現役です。上の写真左の緑色の機関 車はHe2/2の61号機で、1910年から1912年にかけて製造されています。登山列車の常で、機関車は常に山麓側 に連結。先頭となる客車側にも簡単 な運転室があります。

 客車も、車内に通路がなく、座席ごとにドアがある古典的なタイプ。連結しているのはたった2両ですが、この写真を見る と、ドアがいっぱいで、ずいぶん長 い編成に見えます。

 古典的なのは列車だけではなく、ポイントも手動で動かします。ホームの端の踏切の横にあるポイ ント切り替え機を操作 しているのはSPBの女性。
 駅の係員かと思ったら、この女性は車掌で、検札も行い、先頭の簡易運転室に乗り込みました。ちな みにSPBはスイスパスでは25%の割引きです。
 無事にポイントが切り替わり、定刻の14:50に発車です。

★2つの湖とインターラーケンを見下ろして

 ヴィルダースヴィルを発車して、ほんのしばらくはツヴァイリュッチネン方面へのベルナーオーバーランド鉄道(BOB) と併走。リュッチーネ川を渡ると東 へ向きを変え、すぐに左の写真のような急な登りが始まります。SPBは全長7.26kmで、全線にわたって250パーミ ルの勾配が続き、すべての区間がリ ゲンバッハ式のラックレール付きです。
 右の写真は途中駅Breitlauenen(ブライトラウエネン)ですれ違った対向列車。機関車にもテディベアが描か れていました。

 天候は最悪で、空は今にも泣き出しそう。遠くの山はすっかり霧に隠れています。しかし、麓の景 色はなんとか眺めるこ とができました。
 これはThuner See(トゥーン湖)方面を見下ろしたところです。湖は独特の深い緑色をしています。

 眺望が開けた場所に来ると、お客さんたちは一斉に立ち上がっていました。写真を撮っている人も 大勢います。座席は木 製の固いベンチですが、こうして立ったり座ったりしているので、約50分間の道中も苦にはなりませ ん。
 天井からはテディベアのぬいぐるみがぶら下がっています。

 インターラーケンの市街地も見えました。左右に横切っているのがトゥーン湖とBrienzer See(ブリエンツ湖)を結ぶアーレ川。中央の橋の手前左側にインターラーケン・ヴェスト駅があります。

 こちらはブリエンツ湖。右上の集落はRinggenberg(リンゲンベルク)あたりでしょう か。写真の左手がイン ターラーケン市街地になります。
 写真の左下隅にはレッチベルク鉄道(BLS)の工場があり、赤い列車が見えます。

 ヴィルダースヴィルから52分。定刻の15:42より少し早く、シーニゲ・プラッテに到着しま した。駅の標高は公式 時刻表など各種資料では1,987m。しかし駅名標の下には1,967mとありました。どうしてで しょうか。
 ヴィルダースヴィルの標高が584mなので、標高差は1,403mにもなります。

★せっかくの眺望はお預け

 駅には周辺のハイキングコースがわかりやすい写真で示されていました。中央の赤丸が駅の位置です。左上の山頂まで往復 すると1時間以上かかりますが、今 回は帰りの列車まで40分ほどしか時間がありません。

 それに霧で眺望がきかないので展望台に行く意味がありません。そこで、駅の横に入り口がある高 山植物園に行きまし た。ここもゆっくり歩くと45分かかるので、ざっと見物です。
 こんな風に可憐な高山植物の横に名前を書いたプレートが立っています。しかし学名とドイツ語だけ です。これは何かな。

 高山植物園を歩いた後、駅の反対側にあるホテルのテラスまで行ってみました。このホテルは 1832年開業といい、鉄 道開通より遙か以前からの歴史を誇っているそうです。
 で、ご覧のように南側、ユングフラウ方面は見事なまでに霧に包まれています。2002年に続い て、ベルナーオーバーランド3山の対面はかないませんでし た。

 予定通り16:26発の列車で山を下ります。
 急カーブが多いんですが、何せ客車は2両なので、窓から身を乗り出しても列車の写真はあまり写せ ません。それでもこのページのトップに掲げたように、列 車とS字カーブと湖をからめた写真をなんとか写すことができました。

 左の写真はブライトラウエネンの駅舎。かつてはここにもホテルがあったそうです。
 右の写真はRotenegg(ローテンエッグ)駅でのすれ違い風景。どの駅でもポイントは手動で切り替えるため、電気 機関車から降りた運転士が前方のポ イントへ走っていくのが見えています。

 そして定刻17:18より少し早く、ヴィルダースヴィルに到着。ここからBOBでインターラー ケン方面へ戻りまし た。ヴィルダースヴィルのホームは大変細く、長大編成のBOBの列車の接近時は大変危険です。赤い ベストの駅員さんが、目を見張らせ、キョロキョロする観 光客に注意していました。


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