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CISALPINOでSimplon越え
チザルピーノでシンプロン越え
(2005/07/12)
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(Domodossola駅に到着したCIS45列車)
★イタリア生まれの振り子式電車
CISALPINO(チザルピーノ)とは、イタリア語で「アルプスのこちら側」という意味だそう
です。その名の通
り、イタリアのMilano(ミラノ)を中心に、スイスとイタリアの諸都市を結んでいます。(一部はドイツの
Stuttgartへ)。スイス国鉄とイタリ
ア国鉄の共同運行になっており、ネットには専
用のサイトもあります。
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初代振り子電車として1988年にイタリアで誕生したETR450の流れを受け継いだもので、
車両型式は
ETR470となっています。車体の側面にも、チザルピーノのロゴとともに、型式が描かれていま
す。デザインと製造はFIATです。
純白の車体にブルーのストライプは大変美しく、イタリアデザインというよりは、フランスのエスプ
リを感じます。
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さて今回は、7月12日(火)にSpiez(シュピーツ)からイタリアのDomodossola(ドモドッソラ)ま
で、8:09発のCIS45
列車に乗りました。
シュピーツは小さな町ですが、ベルンやバーゼルからイタリア方面へ向かう幹線と、インターラーケン、ルツェルンとモン
トルーを結ぶゴールデンパス・ルー
トが交差する交通の要衝なので、すべての特急列車が停車します。駅舎もクラシックな感じです。列車番号にはチザルピーノ
を示すCISの3文字が付いてお
り、出発時刻表などでも目立っています。
シュピーツとBrig(ブリーク)の間は2002年にも通りました。
この時は南から北に向かいましたが、今回は反対方向です。
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シュピーツを出発して約10分。鉄道写真撮影の名所であるKander
Viadukt(カンデル橋)にさしかかります。
橋は複線が別々になっており、車窓からは北行きの古い橋がよく見えました。これは1913年に開
通し、全長265m。スパン25mのアーチが11連あり
ます。
列車が通っている南行きは、1981年に複線化された285mの新しい橋です。
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チザルピーノはICNの先輩にあたる振り子式電車です。ご覧の通り、しっかり傾いて走っていま
す。シュピーツとブ
リーグの間は、レッチベルクトンネルを含む山越え区間で、トンネル手前の連続ヘアピンカーブが有名
です。(2002年のBLSのペー
ジを参照)。
今回も気を付けて見ていましたが、カンデル橋とは逆に、カーブは知らぬ間に通過していました。
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右手に自動車が屋根付きの貨車に乗り込んでいます。Kandersteg(カンデルシュテーク)駅も通過です。シュ
ピーツからドモドッソラまで
114.7kmを、ブリークのみ停車で81分。表定速度は85.0km/hなので、それほど驚く速さではありません。
レッチベルクトンネルの前後は22
パーミルから27パーミルの坂が連続するので、仕方ないのかもしれません。
そのレッチベルクトンネルの入り口には、右の写真のような変なイラストが描いてありました。近づいてから気が付いたの
で、激しくぶれていますが、顔のよ
うです。
トンネルを抜けると、ローヌの谷が広がります。左の写真はVisp(フィスプ)の町です。正面の山間を進むと
Zermatt(ツェルマット)に至りま
す。遠くには雪山が見えています。これはミシャベルと呼ばれる高峰群で、主峰のDom(ドーム、4,545m)は全体が
スイスにある山の中では最高峰で
す。2002年の旅では、反対側のGornergrat(ゴルナーグラート)からDomを眺めました。
ローヌの谷を見下ろしながら東へ走り、やがて右の写真のようにMGB鉄道の車庫が見えてくると、ブリークはもうすぐで
す。
★世界最長を誇ったシンプロントンネル
ブリークの駅のことも2002年のBLSのページに書きました。あの時、ホームからシンプロントンネルが見えないのを
残念に思いました。
辻本が物心付いて乗り物に関心を持ったころ、世界最長のトンネルはこのシンプロントンネルでした。1906年に開通し
たシンプロントンネルは、全長
19,803m。1982年に上越新幹線の大清水トンネル(22,221m)が出来るまで、76年間も世界最長を保持し
ていました。当時はゴッタルド・ト
ンネルのことは何も知らず、日本最長だった北陸トンネル(13,870m)を6kmも上回るシンプロントンネルのことを
想像していました。
そんな有名なトンネルが目の前に迫ってきました。上の写真のように、ブリークからは緩い右カーブになっており、トンネ
ルの入り口がしっかり見えます。
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トンネルは2本あります。右側は1921年の複線化で完成したシンプロンIIトンネルで、長さ
19,823m。トン
ネルの入り口はローマ建築のような立派なもので、「1921」と完成した年が大きく刻まれていま
す。ゴッタ
ルド・トンネルは、ローマ数字だったのに、こちらは算用数字。わかりやすいけれど、少
し安っぽく見えてしまいます。
列車は古いシンプロンIトンネルへ入っていきます。
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トンネルの中にイタリアとの国境があります。正確には、第Iトンネルだとブリーク側から9,068m、第IIトンネル
は同じく9,089mの地点が国境
です。真ん中より少しだけスイス寄りです。その先はイタリアなのですが、現実的には、トンネルを抜けて約19km先のド
モドッソラまで、スイスの切符で通
行が可能です。スイスパスも使えます。
時刻表を見ると、CIS45列車の場合、ドモッドソラ>ミラノについては、「予約必須。追加料金必要」となっていま
す。このため、今回もシュピーツを発
車後の検札で、スイスパスを見せると、「どこまで行くのか」と聞かれました。
スイスの切符が使えるとはいえ、イタリアであることには間違いないので、ガイドブックなどには「パスポートを必ず持っ
て乗ること」と書いてあります。今
回、トンネルの中だったか、抜けてからだったかは忘れてしまいましたが、警察官か軍人風の官憲が、列車の中を見回ってき
ました。ロンドンの地下鉄テロの直
後だったので、ものものしい雰囲気でしたが、パスポートの提示を求められることはなく、「出入り口のそばに置いてあるの
は、お前の荷物か」とだけ聞かれま
した。ただ、厳しく詰問されている乗客もいました。
さて、チザルピーノの1等車も、ICNなどと同じく、2+1の座席配置で、向かい合わせが基本です。シートはICNの
革張りとは違い、枕カバーは青色で
す。これはこれで上品な感じがしました。中央のテーブルは、がっちりした作りです。
ICNとは違って、肘掛けには、リクライニングのボタンや、オーディオのチャンネル、ボリュームボタンがあります。そ
の上、窓の下にあるのは、ブライン
ドの上げ下げボタン。テーブルの下には、コンセントが付いており、パソコンを使うのに便利です。
★イタリアの空気
定
刻の9:30にドモドッソラに到着しました。広い構内には、上
の写真のように、初めて見るイタリアの機関車や客車が並んでいました。空の青さも、気のせいかスイスとは少し違う気がし
ます。
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シュピーツから乗車するとき、列車が入ってくる方向を勘違いしていたので、写真がまったく撮れ
ませんでした。ドモ
ドッソラでは列車は2分間停車するので、その間にしっかり撮影しました。このページのトップの写真
のように、運転士はこの駅で交代するようです。
駅舎もスイスとは少し違い、よく言えば庶民的、悪くいうと薄汚れた感じに見えました。
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ここでFARTの列車に乗り換え、スイスのLocarno(ロカルノ)へ向かいました。
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