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★ エッフェル塔が好き(塔が好き・その3)

エッフェル塔のことを知ったのは、いつごろだったのだろう。
東京タワーを知ったのと、同じころだったように思います。
そして、東京タワーに高さが抜かれたエッフェル塔を、可哀想だと思いました。
そのころから、エッフェル塔が好きでした。

40年近く前、足元まで行きましたが、登ることはできませんでした。
2016年3月、ようやく、念願を果たしてきました。
写真はそこそこ撮りましたが、内部は駆け足の訪問。
またゆっくりと訪れたいと思っています。

★最初は遠くから



パリの中心、ポンヌフから眺めたエッフェル塔です。
セーヌ川に架かるのは芸術橋(ポン・デ・ザール)。「橋が好き」に載せたのと同じ写真です。
左のドームは学士院。正面右手はオルセー美術館です。
パリの中心部には高層ビルがほとんどないので、遠くからでもエッフェル塔がよく見えます。
このあたりだと、地上から115mの第二展望台が見えるかどうか、という感じです。



次はコンコルド橋から、アレクサンドル三世橋方向を遠望したところです。
完全な逆光なのでかすんでいますが、このあたりまで来ると、第二展望台の全貌が見えています。

★エッフェル塔の基礎知識

 

エッフェル塔の公式 ホームページを見ると、
「エッフェル塔のすべて」に、「基本数値」として次の7つの項目が出ています。
上の写真の左側です。この写真をクリックすると、さらに様々な数値が描かれた写真が開きます。

・HEIGHT(高さ)324m
・3rd FLOOR(第3展望台)276m
・2nd FLOOR(第2展望台)115m
・1st FLOOR(第1展望台)57m
・NUMBER OF ANTENNAS(アンテナの数)120
・SPARKLING(フラッシュ用バルブ)20,000バルブ
・ILLUMINATION(イルミネーション)336ランプ

ホームページからダウンロード出来る20ページのデータ集、
「all_you_need_to_know_about_the_eiffel_tower」や、観 光用パンフレットには
とても詳しいデータが載っています。
上の写真の右は、データ集の表紙のイラスト。高さと各展望台の広さがわかります。

高さについては注釈が必要です。
エッフェル塔が完成したのは1889年。万博に合わせて造られた有名です。
この時の高さは300mでした。
これは建築コンクールの条件が「高さ300mの塔」となっていためです。
ただし、当時でも塔の最高点は312mでした。
12mは避雷針の高さのようです(データ集にはflagpole=旗竿?となっています)。
その後、1957年にテレビ放送用のアンテナが加わって318.7mとなり、
さらに2000年、UHFのアンテナが加わって324mになっています。


★ライトアップを見に行ったら……

 

エッフェル塔は午後7時からライトアップされます。
夏場は暮れるのが遅い上にサマータイムなので、午後9時のようです。
そして毎時0分から5分間だけ、多くのフラッシュライトが点滅します。
公式サイトでは「スパークリング」と呼んでいます。
(シャンパンフラッシュと呼んでいる人もいました)。

エッフェル塔に登るのはバリ滞在最終日に予定していたので、
その前日の3月10日、ライトアップだけ見に行こうとシャイヨ宮に向かいました。
メトロのトロカデロ駅で降りて、地上に出ましたが、様子が変です。
エッフェル塔を眺めるベストスポットであるシャイヨ宮のテラスへ行けません。
トロカデロ広場からテラスに向かう通路には警察?車両がバリケードしています。
仕方ないので、広場のフォッシュ元帥の銅像の下から、遠く眺めるだけにしました。
結局、そんなこんなで5分間のスパークリングには間に合いませんでした。



その後の予定もあるので、ホテルへ引き上げ。
帰り道、メトロの6号線がビル・アケム橋を渡る際、電車の中からの撮影にチャレンジ。
ドアのところに立ち、撮った1枚が上の写真。
右側に車内の反射が写り込んでいますが、まあまあ合格点でしょうか。
川沿いに明かりが見える場所は、RER(郊外線)C線の駅です。
駅名は「シャン・ド・マルス ツール・エッフェル」。「四天王寺前夕陽ヶ丘」みたいな駅名です。
拡大するとSNCF(フランス国鉄)の列車が停まっているのがわかります。

★ゆっくりと接近



翌3月11日、この日はいよいよエッフェル塔に登ります。
アレクサンドル三世橋を見た後、エッフェル塔に向かいました。
時間があるので、歩いて士官学校前からシャン・ド・マルスを抜け、
だんだん近づいてくるエッフェル塔を堪能する計画です。

  

シャン・ド・マルスの士官学校寄りには、なにやらガラスのモニュメントがあり ました。
上の地図では緑地の中央の白い部分の真ん中にある黒四角の部分です。
地図を見ると「Le Mur pour la Paix」(平和の壁)とあります。
ガラスの部分に日本語を含む49か国語で「平和」と書かれているようです。
漢字の「平和」があまり上手じゃないので、ちょっと安っぽい気がしますが、
エッフェル塔の眺望を妨げる場所に立っているからには、
それなりにきちんとした施設なのでしょう。
帰国後に調べると、2000年3月30日に建てられたそうです。
もともと練兵場だったシャン・ド・マルスは、平和を願うモニュメントにはふさわしい場所でしょう。
なお、エッフェル塔側からみると、思ったほど目立ちません。よくできています。

  

「平和の壁」を越えると、エッフェル塔が全身を現しました。
左の写真は広角28mmなので、実際よりは遠く感じます。
右の写真は少し望遠にした70mm。見た目はこれより少し小さい感じです。
時刻は午後4時半くらいで、左手からやや逆光です。
空が多いと、レンズの汚れが目立ってしまいます。

  

さらに近づいて、シャン・ド・マルスの中央あたりまできました。
左の写真の左手前は小銃を持った兵士です。
2015年11月に起きた大規模なテロ事件から4か月、
パリのあちこちで警戒する兵士の姿をみかけました。
左の写真は人間の眼に近い48mm。
右も同じですが、少し近づいています。70mmで撮った先の写真と比べると、少し見上げる形です。

  

このあたりで各展望台をアップで写しました。
左が地上276mの第3展望台。二層になっていて、上の階はテラスが鳥かご状の金網で覆われています。
右は地上115mの第2展望台。こちらのテラスは手すりだけで、吹きさらしです。
拡大すると、下り階段の案内表示も見えます。



こちらは地上57mの第1展望台。さすがに人影は少ないです。
拡大してみると、展望台の下に文字が書かれているのがわかります。
これはフランスの科学者たちの名前だということです。
知っているところでは、振り子の実験で有名なFoucault(フーコー)が見えます。

 

足元近くまで来ました。広角28mmで見上げる形なので、姿はいびつです。
真下に来て、「鉄のレース編み」と呼ばれる様子を観察しました。
細い鉄骨に、スパークリング用の照明が無数に取り付けられています。

 

本当に細部まで手が込んでいます。
右は中央部を見上げたところ。第1展望台は中央が吹き抜けになっています。
内側の手すりもガラス張りになっています。
さらに張り出し部分は、床もガラス張りになっています。右下にはおじさんが立っています。

★定番のポイントから

 

イエナ橋を渡り、前日は来ることが出来なかったシャイヨ宮のテラスへ。時刻は午後4時53分です。
でも、東側半分強が工事中でフェンスに囲まれており、エッフェル塔を真正面から見ることができません。
左の写真はテラスのひとつ下から。50mm相当なので、見た目と同じです。
右の写真はテラスに上がりました。少し高いかわりに、少し右手からになります。52mmです。
太陽は右手の手前側にあり、順光なので塔もくっきりと見えます。



こちらは少しあとで撮った写真。時刻は午後5時47分。
上の2枚の写真とは露出の感じが違います。
まだ陽は十分ありますが、車のテールライトが目立ってきました。

 

テラスに並んでいるアールデコ彫刻を入れた、ガイドブック定番の写真にも挑戦。
でも、左側は工事のフェンスがあるので、塔が隠れてしまいます。
反対の右側は、彫刻が陰になるので、美しくありません。

 

こちら側の展望台もアップで写してみました。
順光なので、シャン・ド・マルス側よりくっきりと見えます。
第2展望台の吹きさらしのテラスの上に、ガラス張りの部屋があります。
ここはミシュラン1つ星の高級レストラン「ジュール・ヴェルヌ」です。
拡大すると、白いクロスがかかったテーブルが見えます。
「ジュール・ヴェルヌ」には専用のエレベーターがあるので、並ばずに登れます。



第1展望台のシャイヨ宮側にもガラス張りの部分があります。
ここもレストランですね。「ジュール・ヴェルヌ」よりカジュアルな「Le 58 Tour Eiffel」です。
58というのは高さでしょうか。第1展望台の57mと微妙に違います。
テラスの下には科学者の名前。こちらで有名なのはLavoisier(ラヴォアジエ)かな。



地上部分のアップも撮ってみました。中央はイエナ橋です。
橋の中央部が工事中のため、渋滞がひどいです。
橋の四隅には馬と兵士の像が建っています。
右岸側(手前)が「ガリアの戦士」と「ローマの戦士」、
左岸側が「アラブの戦士」と「ギリシャの戦士」だということです。
橋を渡った右手には、メリーゴーランドが見えています。

 
 
テラスから降りて、エッフェル塔の足元に向かいます。
シャイヨ宮とセーヌ川の間は公園になっています。
左は絵はがき風に撮った1枚。
右はイエナ橋と一緒に撮ったエッフェル塔。
イエナ橋の側面にはナポレオンの象徴である鷲の浮き彫りがあります。
またエッフェル塔のアーチの下に、ちょうどモンパルナス・タワーが見えています。

★登りました!

 

さて、ようやく塔に向かいます。写真を撮るのに時間をとりすぎました。
エレベーターの乗り場は西側の脚の下にあります。
写真は半分くらい行列がすすんだところ。まだまだ先は長いです。
右の写真のように、階段を降りてくる人も見えました。

ところで、現地でもらったパンフレットや様々な資料を見ると、
エレベータは西側だけでなく、北と東にもあるようです。
でも、訪問したときは、エレベーターの行列が出来ていたのは西側だけでした。
冬場のオフシーズンのためでしょうか。それともテロの影響かな。

 

切符売り場の窓口は複数あるのですが、列が進むのはゆっくりです。
左の写真に見えている黄色い箱がエレベーターです。二段になっています。
エレベーターに乗れる人数にも限りがあり、年代物の装置はゆっくり動くため、
運べる人数には限りがあります。ゆっくり切符を売って、ちょうどいいのでしょう。
切符を買う前に午後7時になり、ライトアップが始まりました。
スパークリングに歓声があがります。
ようやく切符売り場に。最上階の第3展望台までは17ユーロでした。



第2展望台でエレベーターを乗り継ぎ、とにかく第3展望台へ。
エレベーターを降りたところはガラス張りの室内なので、階段を上がって上のテラスへ。
金網の隙間から写真を撮りました。
上はすぐ足元のシャイヨ宮とトロカデロ公園。
近いので広角28mmで十分でした。
拡大するとテラスの右側半分が工事中なのがわかります。
高感度での手持ち撮影なので、画質とピントはご容赦下さい。



次ぎはエッフェル塔に並ぶパリのシンボル、エトワールの凱旋門です。
こちらは遠いので、望遠200mmです。




ふたたび広角レンズで、セーヌ川の上流、パリの中心部を。
中央右より、観覧車が見えるのがコンコルド広場。
その左手、緑色の大屋根がグラン・パレで、向かいがプチ・パレ。
その前の橋がアレクサンドル三世橋。両岸の4つの塔がわかります。
その手前がアンヴァリッド橋。一番手前がアルマ橋。
アルマ橋の右岸(左手)側、橋のたもとの広場の下を通る道路トンネルが、
ダイアナ妃が事故死した現場です。
コンコルド広場の右手にはルーブル宮が見えます。



もう少し右手、南方面を見てみました。
中央右手にひときわ輝いているのが、アンヴァリッドのドーム教会。
手前を左右に走るのは、アルマ橋に続くボスケ大通り。
右下の明るい場所はグロー将軍広場です。
ドーム教会の遠方には、特徴ある形のサン・シュルピス教会が見えます。
さらにその左手には、ノートルダムも見えています。

ネットの記事を見ていると、第3展望台だと高すぎて下の景色がわかりません、
なんて書き込みがあったりしますが、600mの東京スカイツリーならともかく、
300m弱のエッフェル塔でそんなことはありません。
それにパリの街は高層ビルが少なく、著名な建築はよく目立っているので、
いくらでも見つけることができます。

眺望好きにとっては立ち去りがたい場所ですが、そうもいきません。
レストランのディナーを予約しているので、帰りのエレベーターに乗りました。
第2展望台でエレベーターを乗り継いだところ、動きません。
係員があれこれやってみたけれど、お手上げ。
そして「階段で降りて下さい。下まで徒歩10分です」。

 

急いでいるのに、仕方ありません。
115mの第2展望台はビルでいえば28階相当とか。階段は約760段らしいです。
途中、若い人たちに追い抜かされながらも、思ったよりは楽に降りることができました。
左の写真のように踊り場で曲がりながら降りることが多かったけれど、
下の方では螺旋階段もありました。



無事に地上に降り、メトロ6号線から見えたRERの駅へ向かいました。
帰り際に足元から見上げた名残の1枚です。

★ 参考文献


「エッフェル 塔ものがたり」
1983年4月20日。岩波新書
新書判、222ページ、430円
倉田保雄 著

 共同通信のパリ支局長時代に、エッフェル塔の魅力にとりつかれた筆者が、エッフェル 塔の「知られざる真実」を紹介。古い本だが、新書判なので読みやすい。


「エッフェル 塔物語」
2002年8月5日。玉川大出版部
四六判、186ページ、2000円
フレデリック・サインツ 著
松本栄寿、小浜清子 訳

 建築の専門家が、エッフェル塔の歴史的背景を技術、芸術、都市問題、政治など様々な 角度から解説し、エッフェル塔がどのようにしてパリのシンボルになったかをさぐる。

「ギュスター ヴ・エッフェル」
1989年10月25日。西村書店
A5判、286ページ、2800円
アンリ・ロワレット 著
飯田喜四郎、丹羽和彦 訳

 サブタイトルは「パリに大記念塔を建てた男」。塔だけでなく、多くの橋梁の設計者でもある エッフェルの技術者としての生涯を紹介している。


「Gustave Alexandre Eiffel」
2003年。teNeues Publishing
Paco Asensio 編
A5変判、80ページ

 長大な鉄道橋や歩道橋など、エッフェル塔に先立つエッフェルの作品を紹介。アマゾンのリンク は新版の表紙になっている。

「The Eiffel Tower」
2005年10月。Musee d'Orsay
94ページ
Joelle Bolloch 著

 オルセー美術館が発行するミニ写真集。建築の進捗状況を示す有名な定点写真など、建設時から の貴重な写真を紹介。


「Thirty-Six Views of the Eiffel Tower」
2010年。Chronicle Books
A4変判、104ページ
Henri Riviere 著

 北斎の「富嶽三十六景」へのオマージュとして描かれた「エッフェル塔三十六景」の画集。墨絵 を思わす淡い色彩。この本は英訳版で、フランス語原文の序文はそのままに、英訳が加わってい る。
「エッフェル塔 100年のメッセージ」
1989年。エッフェル塔100周年記念展実行委員会
A4判、316ページ
同展実行委員会 編

 エッフェル塔建造100周年を記念し、1989年9月から12月にかけて大阪、高崎、浜松、 東京、盛岡を巡回した展覧会の図録。写真や図版などのほか、当時の風俗を示すファッションや土 産品などを幅広く紹介している。


「タワーの文化史」
2013年8月30日。丸善
四六判、198ページ、2000円
河村英和 著

 高層建築を含む広い意味での「タワー」について、年代、地域とも広範囲に考察。エッフェル塔 が世界の高層建築に及ぼした影響や、各地に作られたエッフェル塔を模したタワーの紹介もあり、 興味深い。

「塔とは何か」
2012年3月20日。ウェッジ選書
四六判、254ページ、1400円
林章 著

 東京スカイツリーの完成を機に発行された本。東京タワーなど日本の塔の紹介が主だが、エッ フェル塔については「祝福される都市の花」として1章がさかれている。章のタイトル通り、エッ フェル塔に注がれる目は優しい。


「高層建築物の世界史」
2015年2月20日。現代新書
新書判、438ページ、1300円
大澤昭彦 著

 古代のピラミッドから、ドバイのブルジュ・ハリファまで、タワーに限らず世界の高層建築物 を、時代を追って概説。なぜ人類は高い建物を作り続けてきたのかを探る。エッフェル塔の記述は 少し。