Home ▽
好きなもの色々 |
★ タワーブリッジ探訪(2016 年3月)★ Tower Bridge (青枠の写真は、クリックすると大きい写真が開きます) ロンドンのシンボルとなっているタワーブリッジ。 その立派な風格と、現役の開閉橋というユニークさで、 橋が好きな人間にとっては聖地のひとつです。 かつて、ロンドン中心部のテムズ川には、ロンドンブリッジがあるだけで、 その混雑はたいへん激しく、新たな橋の建設が求められていました。 その後、ロンドンブリッジの上流側には、いくつもの橋が架けられましたが、 ロンドンブリッジの下流側は、テムズ川を遡ってきた船が荷を下ろす船着き場で、 多くの船が行き交っていたため、 マストの高い船も通れる橋にする必要があったため、なかなか橋が架けられませんでした。 委員会が設けられてデザインを公募した結果、ホレイス・ジョーンズの案が採用され、 著名な技術者であったジョン・ウォルフ・バリーが修正を加えて設計が決まりました。 1886年から8年かけて建設され、1894年6月30日に開通しました。 地下鉄のタワーヒル駅で降り、ロンドン塔の入口前広場まで来ると、 ロンドン塔の向こうにタワーブリッジが見えてきました。 ロンドン塔の中に入ると、しっかり見えます。 ロンドン塔の城壁からも眺めたかったのですが、時間がありませんでした。 中央部分の橋桁は、重さが各1,000トン(907トンとの説もあり)。 1分間(90秒との説も)で、垂直に近い86度まで跳ね上がり、 上部の通路(High Level Walkways)まで、水面から139フィート(42m)の空間が開きます。 上部通路までの高さは、44mとの説もあります。また道路面からの高さは110フィート(33.5m)です。 テムズ川を上ってきた船から見ると、橋の東側を見ることになり、 ロンドンの玄関口としての意味合いからいうと、そちらが正面なのでしょうが 時間の都合で、東側から眺めることができず、少し残念でした。 写真の手前側、北塔の橋脚部分の上流側に、ガラス張りの建物がありますが、 ここが塔に登るための入場券売り場です。 川岸からは階段を上って北橋台の建物の下に出ます。 左の写真のように、アーチの下から、正面に北塔が見えてきます。 右の写真は帰り際に階段の反対側から見たところ。 タワーヒル駅から真っ直ぐ橋を目指すと、こちらから来ることになります。 看板は塔に登る「タワーブリッ ジ・エクシビション」の案内で、 「ガラスフロアー」が強調されています(看板の拡大はこちらです)。 橋台の建物の壁に、黒いパネルが見えます。 4枚あって、細かい文字が書かれています。 ビクトリア女王の名代として出席した皇太子夫妻をはじめとする参加者の名前が記されています。 2番目は、水圧を使って橋を開閉する装置は、1977年に電気と油圧仕掛けにかわったことなど、 3番目は、上部通路やエンジンルームの公開は、1982年6月30日から始まったことなどが書かれています。 右端は急いで撮影したため、手振れで読めません。残念。 歩道に上がると、正面に北塔がそびえています。 「ゴシック様式の塔」と書かれることが多いですが、 正確には「ゴシック・リヴァイヴァル様式」ですね。 あとで出てきますが、塔内の解説版にもそうかかれています。 また塔は石造りのように見えますが、実は鉄骨造りで、 大理石で表面を覆っているだけです。 右の写真は足元部分のアップ。塔へ入る入口が見えています。 写真のような木製の手すりがついた階段が続いています。 上部の通路までは200段と書いてある資料もありました。 鉄骨があちこちでむき出しになっており、リベットがいっぱい打ち込んであります。 踊り場には、見学ルートの案内図がありました。 北塔を階段で上った後、まず下流側(図の左側)の上部通路を通って南塔へ渡ります。 その後、上流側の通路も渡りますが、北塔へは戻れず、往復して南塔へ戻ります。 南塔では途中階まで階段でおりますが、その後はエレベーターで道路面へ。 そのあと、南側の吊り橋部分を渡り、南の橋台を通り過ぎてから階段で下へ降ります。 そして橋の下にある機械室を見学するというルートになっています。 階段の途中にはトイレもありました。
右の写真は最上階のすぐ下のところです。 窓の内側はこんな感じ。ガラスには網線が入っています。 最上階には休憩用のベンチがあり、クラシックなランプもあります。 そして南塔とをつなぐ上部通路を通ります。最初は下流側(東側)の通路です。 通路はトラス構造の鉄骨の間がガラス窓(アクリルかも)になっています。 低い部分には橋の解説などが掲示されています。 写真の右側部分は、上流側の通路があるために見晴らしがきかず、 このため窓には世界各地の有名な橋の写真がたくさん張られていました。 この通路は、跳ね橋が開いている間、待っていなくてもいいように歩行者の通路として作られました。 しかし、わざわざ階段を登るよりも、跳ね橋が閉じるまで待っている人が多かったようで、 1910年には閉鎖されてしまいました。 それを先にも書いたように、1982年6月30日に、観光用通路として復活させたのです。 さて、下流側のまどからテムズ川の下流を眺めてみました。 左手奥の高層ビルが林立している場所は、ドック地帯を再開発したカナリー・ワーフです。 下の橋を渡る車や歩行者がよく見えます。 怖い人は端っこの部分を歩けるようになっています。 南塔まで渡ると、今度は上流側(西側)の通路を往復します。 こちらはロンドンの中心部を望む形になります。 このあたりのテムズ川が、「Pool of London」といわれた港の中心だった場所です。 左の写真はテムズの南、右岸側。とんがっているのがEUで最も高い「シャード」(310m)です。 手前のガラス張りの卵が斜めになっているのは、ロンドンのシティーホール(市庁舎)。意外と小さいです。 川の中に係留されている軍艦は、第二次大戦に参加した巡洋艦「ベルファスト」。 現在では博物館になっています。 右の写真はテムズの北、左岸側で、ロンドンの中心「シティー」方面です。 新しい高層ビルのうち、右側の砲弾型のビルは「30 St. Mary Axe 」。通称「ガーキン」です。 「30 St. Mary Axe」というのはビルが建っている通り名と番地。 「ガーキン」というのはピクルスに使う小さいキュウリのことです。 その左の高いガラス張りビルは、2014年7月に完成した「リーデンホールビル」。 「シャード」に次いで高い224mで、その形状から、「チーズグレーター(チーズおろし)」の愛称も。 その左、変な格好のビルは通称「ウォーキートーキー」です。 南塔に戻って、下に降り始めます。 途中階からはエレベーターで道路まで降りることになります。 南塔の途中には、橋の図解がありました。 詳しい解説がついているので、よくわかります。 ぜひ、拡大写真をじっくり見て下さい。 塔を降りてからの見学順路になっているエンジンルームは、 この図でもわかるように、南側にだけあります。 そこからパイプが上部通路を通って北塔の橋脚にも通じており、 水圧で歯車を回し、橋桁を持ち上げていたわけです。 南側の吊り橋の下流側歩道を渡って、階段で川岸におり、橋の下へ。 エンジンルームには、改めてチケットを見せて入ります。 最初にボイラー室。次が水に圧力を加える蒸気機関のポンピングエンジンです。 1977年に現役を退いていますが、今もぴかぴかに磨かれています。 エンジンルームの最後には、橋を紹介するビデオが上映されていました。 完成当時は、最初の1か月に655回も橋桁が開いたそうです。 今ではその回数はめっきり減りました。 それでも、こ のページにスケジュールが載っていますが、 5月は16回、6月は22回も開閉しています。 エンジンルームの見学が終わると、お土産ショップを通って見学は終了です。 お土産ショップは充実しており、橋に関する本も並んでいました。 テムズの南側は地下鉄駅まで遠いので、 再び橋を渡ってタワーヒル駅を目指しました。 下から上部通路を見上げると、床がガラス張りになっている部分がよくわかります。 右の写真で、南塔の足元の右側に見える建物は、橋を開閉する運転室です。 北塔の足元、入場券売り場の外側の欄干部分には、上の左の写真のように解説パネルがあります。 これは2009年に更新された新しいもので、橋の解説とともに上流側の風景も説明しています。 吊り橋部分を渡りきり、橋台部のアーチをくぐると、右の写真のような街灯が並んでいます。 渡り終わって振り返ったところです。橋台部のアーチも立派です。 これも塔と同じく鉄骨造りです。 「タワーブリッジ・エクシビション」の看板を眺めている人たちも見えます。 以上で、タワーブリッジの探訪は終了です。 「橋が好き」へ戻る |