ヨーロッパ鉄道の旅
2022.07.05 公開


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「ユー ロスターで一気にロンドンへ」
2016年の旅・第1章 (2016/03/07/月)


(ユーロスターのロンドン側ターミナル、セントパンクラス駅の豪壮な駅舎)
(青枠の写真は、クリックすると大きな写真が開きます)

★英仏海峡の連絡船事情
 英仏 海峡にはかつて、イギリスとフランスを結ぶ多くの航路がありました。左は辻本が初めて買った 「Thomas Cook Continental Timetable」の1976 年10月号、表紙裏の地図です。英仏海峡 だけで1枚の地図になっていました。
 10年余り後の1987 年3月号になると、英仏海峡だけの地図は 巻末の「Shipping Services」のページに移り、右のような国際列車の索引地図がメインになります。
 英仏海峡をトンネルでくぐるユーロスターの運行開始は1994年11月14日なので、航空機を別 にすれば、まだまだ連絡船が活躍している時代でした。
 Continental Timetableのロンドン–パリ間を見てみます。左は1976年10月号、右が87年3月号で す。
 日本では「ドーバー海峡」とも言うとおり、ドーバーの知名度が高いですが、英国側はドーバーと フォークストン、フランス側はカレーとブローニュ、それとダンケルクに連絡船が発着しています。
 76年を見ると、中心はフォークストンとカレーを結ぶルートです。ロンドン・ヴィクトリア駅を 10:30に出て、パリ北駅に17:25着。87年だとヴィクトリア駅11:00発で、パリ北駅 19:20着です。87年のほうは、フランス側に時差が+1時間あります。76年のほうは時差が無 いように見え、フランス側時刻は「4月3日以降は1時間遅くなる」との注があります。
 76年と87年の時刻表の大きな 違いは、76年の時刻表の右端、ヴィクトリア駅23:05発で、寝台のマークがついた「M」の列車 です。下の注の「M」を見ると、「NIGHT FERRY」という名前付きの列車で、「時刻表11番を 見ろ」とあります。
 NIGHT FERRYは、いわゆる「Named Train(名前付き列車)」で、寝台車の客は寝台車ごとフェリーに積み込まれ、寝たままでロンドン–パリ間、またはロンドン–ブリュッセル間をを移動す ることができました。
 詳しく見ると、23:05というのは寝台車に乗る客の乗車時刻であり、列車が実際に発車するのは 23:35です。港での所要時間はドーバーで55分、フランス側のダンケルクでは 62分です。こ の列車がカレーやブローニュではなく、ダンケルクに着くのは、港と船内を線路で直結するための港の 構造のためでしょうか。青函連絡船も貨物車両は直接積み込んでいました。
 左は79年10月号、主要都市の駅配置図です。トーバーとダンケルクには、「Train Ferry」という乗り場(桟橋)があり、横付けではなく直結型に見えます。通常の旅客は、ドーバーだとMarine駅、フォークストンだと Haubour駅、カレーやブローニュだとMaritime駅で船に乗り換えていました。

 旅を 計画した当時、European Rail Timetableの2015/2016年冬号を見ると、まだドーバー–カレー間の船が地図に出ています。隣の下が「rail-sea-rail」の時刻 表です。ユーロスターがロンドン–パリ間を2時間17分で結んでいるのに、7時間かけて行こうと思 う人が、やっぱりいるんですね。
 またこの地図にはでていませんが、ニューヘイブン–ディエップ間のフェリーも健在でした。それで パリを拠点に、行きはカレーからドーバーへ、帰りはニューヘイブンからディエップへと、フェリーで 往復することを考えました。
 ところが、情報収集中、ドーバー近くの在来線が高波で破損し、不通になっていました。いろいろ検 討の結果、行きは結局、ユーロスターになりました。
★パリ・北駅から「出国」
 ホテルはBooking.comか ら1月3日に予約。ユーロスターはRAILEUROPEで 2月19日に予約しました。当時はレイルヨーロッパの日本語サイトがあったのに、今は消えていま す。
 さて3月7日(月)、8時過ぎにホテルを出て、メトロ4号線でパリ北駅に向かいました。国鉄 (SNCF)の案内に従って地上に出ると、ガラス屋根の駅舎で、思っていたクラシックな駅舎と違います。左の写真の右端に見える部分でした。駅前広場へ出 て正面の写真を撮り、中へ入りました。この駅舎は1865年の完成です。
 上の左側は、 L'Indispensable社のパリ区分地図(2005年発行)に掲載のパリ北駅構内図。これ を見ると、ユーロスターのホームは構内の最も左手(西側)にあり、L字型の2階(中2階)から乗車 することがわかります。そのことは理解していたはずなのに、駅舎内に入って、ちょっとうろうろして しまいました。「EUROSTAR」という表示がなかったからかもしれません。中2階への階段は 思っ たよりずっと東寄りにあり、「Halle Londre(ホール・ロンドン)」という表示でした。上の右は、階段の途中からみた駅構内です。

 中2階を進むとまず切符売り場があり、自動券売機のような機械があります。レイルヨーロッパで乗 車券を購入した時、「そこで予約番号を打ち込み、切符を印刷する」みたいな案内が書いてありまし た。ところがやってみると「すでに受け取り済み」と出ます。どうやら覚え書きのつもりで印刷してい た紙(左の写真)が「e-ticket」のようでした。確かにQRコードを改札にタッチするイラス トが書いてあります。ところが改札を通ろうとすると、駅員さんに「その前にイミグレーションカード を書いてくれ」と止められました。
 ユー ロスターはロンドンまでノンストップなので、パリで出入国審査があるのです。ゲートの手前にカウン ターがあり、用紙が置いてありました。記入して改札を通り、まず出国審査。じっくり用紙を読まれま したが、質問なしで通過。次は英国の入国審査で、「滞在は何日か」などと聞かれました。そして保安 検査。ロンドンは1泊だけで、スーツケースはパリのホテルに預けてきたので身軽に通過しました。
 左の写真はたぶん保安検査通過後に撮影。「ヨーロッパ鉄道の旅」のトップページに掲げた写真で す。上の階段の途中の写真が8:57、左の写真が9:21です。保安検査を通ると免税店や立食のカ フェなどがある待合室です。
 売店でIGN(フランスの国土地理院)製のロンドンの地図 を買い、カフェで軽く朝食。アラン・デュカス のチョコレート店もあり、少し買いました。
 出発は10:07で、案内を待って9:52にホームへ向かいました。上の左は跨線橋から北側(先 頭側)を見たところ。上の右は南側(最後尾)を見たところです。5番ホームに降りて、9019列車 の最後尾を見に行きました(右の写真)。
 予約したのは12号車。1等車なので、ドアの前でアテンダントが案内しています。記念撮影させて もらって乗り込みました。なお、ユーロスター のホームページを見ると、3クラスあ ります。乗ったのは「Standard Premier」かも。
★2時間23分でロンドンへ
 定刻の10:07、音もなく発 車。10時半頃に朝食のサービス。コーヒーとオレンジジュース、クロワッサン、プレーンヨーグル ト。乗車前にもカフェで軽食を食べたので、十分の量でした。

 下は車内の様子。これはロンドンに到着して、他の乗客が降りた後に撮影しました。2+1の3人が けで、中央に向かって対面式の座席配列。我々の席は12号車の23と24で、進行方向右側の後ろ向 きでした。ユーロスターのホームページに出ている車内の写真は、座席の形が違います。車両も新型な ので、変わったのかな。