ヨーロッパ鉄道の旅
2022.07.05 公開
2016
年の旅 Top
行程記録
行程地図
Paris到着
Paris > London
London
> Paris
Paris >< Mont St-Michel
Paris
出発
2018年の旅 Top
hirodas.com
その他のサイト
クッ
クの時刻表が好き
港の見える街から
(辻本のホームページ)
ご意見、ご質問は
こちらへ
|
|
「嵐
の中、モン•サン=ミシェル往復」
2016年の旅・第3章 (2016/03/09/水)
|
(パリ・モンパルナス駅に並ぶTGV。手前がカンペール&ブレスト行き列車)
(青枠の写真は、クリックすると大きな写真が開きます)
★切符の予約で波乱の予感
|
フランスの世界遺産であるモン・
サン=ミシェルには、1979年にツアーで訪れました。
しかし到着時刻が遅く、僧院の中に入れませんでした……。今回、30数年ぶりの再訪です。
左の地図は「European Rail
Timetabl」の「Winter2015/2016」号のフランスです。モン・サン=ミシェルへは、レンヌ(Rennes)からのバスが載っていま
す(左下の写真)。
レンヌ発は9:35です。レンヌまでのTGVは1時間に1、2本運転されており、パリを
7:04 に出れば間に合うことがわかりました。
そして帰りは、地図にも載っているドル(Dol、正確にはドル・ド・ブルターニュ=Dol
de Bretagne)経由を考えました。 |
|
モン・サン=ミシェルを
16:10発のバスに乗れば、下の時刻表のように、サンマロ始発でドルを16:55に出るパリ行き
TGVと連絡しているようです。これならモン・サン=ミシェルに5時間余り滞在でき、ゆっくりでき
ます。
それで3月8日の夜、英仏海峡横断を終えて戻ってきたパリのサンラザール駅で、切符売り場に向か
いました。 |
切符
売り場はオープンカウンター式で、若い女性が対応してくれました。「行きはレンヌまで、帰りはドル
か
ら」と言うと、行きはOKだったものの、帰りの列車は「ない」という。満席なのかと聞くと、違うらし
い。
英語が得意な妻の助けを借りてよく聞くと、ストライキで運行しないという。完全に列車が止まるの
ではなく、列車を選んでのストライキということでした。
|
|
それで、帰りもレンヌから乗るこ
とにしたけれど、ちょうど良い時刻の列車はやはり運休。20:05発しかないとのこと。パリ着は
22時を回りますが仕方ありません。
ところで、最初にTGVの切符だけ注文すると、「モン・サン=ミシェルに行くのか」と聞かれ、そ
うだと答えると、「バスの乗車券もここで買える」とのこと。それはありがい。とりあえず行きのバス
は購入しました。右が切符です。TGV8705列車の3号車です。バスの発車時刻は9:40でし
た。
|
|
★近代的なモンパルナス駅
|
さて3月9日(水)早朝、にホテ
ル最寄りのメトロ4号線、St-Germain des
Prés駅から、Montparnasse
Bienvenue駅へ向かいました。この駅は4路線が集まっており、4号線の駅から国鉄駅までは距離があります。このため、左上の写真のように動く歩道
が結んでいます。
フランスの西部と西南部へ向かうパリ・モンパルナス駅は近代的な駅で、地下からコンコースへはい
くつものエスカレーターが結ぶ広い空間になっています。右上の写真は上から下を見たところです。
コンコース階には、長距離列車の出発案内がありました。07:04発はカンペール
(Quimper)行きと、ブレスト(Brest)行きの2本の列車が示されています。
|
右は
ホーム方向を見たところ。正面に横長の大きな列車出発案内板がありました。「à
l'heure」というのは「時間通り(定時運転)」ということです。
さらに進むとパラパラ式の表示板もありました(左下の写真)。そして頭端式の5番ホームに来る
と、右下の表示がありました。これで、カンペール行きとブレスト行きの各10両の列車が、連結され
て走ることがわかります。今回の下車駅であるレンヌで分割されます。乗車するのはカンペール行きの
3号車です。
|
|
|
TGVは両端に機関車が連結され
る形式なので、1列車は12両編成。それが2列車連結されているので、計24両という長大編成に
なっています。ユーロスターも18両+機関車2両でしたが、それよりも長いです。
このページのトップの写真は、5番ホームから他のホームを眺めたところです。
機関車の横には、左の写真のように改札口ができていました。しかし運用はまだのようで、すべてが
オープン状態で、画面には「駅へようこそ」と出ていました。
|
★レンヌからバスで70分
|
乗り込んだのは後ろ寄りのカン
ペール行きTGV8705列車です。定刻の07:04に発車し、08:04にルマンに到着しました
(左上の写真)。2016年当時はTGVの新線はルマンの手前までで、そこから在来線を走ります。
08:44にはラヴァルに着きました。
レンヌには4分遅れの09:20に到着。大きな駅ですが、駅舎は改築中で雑然としています。
2023年の時刻表ではTGV新線がレンヌまで延びていますが、モンパルナス駅07:04発、レ
ンヌ09:20着なので、あまり短縮されていません。
|
|
バスターミナルは駅を出て右手、
東側
に隣接しています(左上の写真)。帰りの時刻を確認するため、窓口で時刻表をもらった後、1番乗り
場に停まっているバスに乗り込みました。2列+2列の観光バスタイプで、よく空いていました。
2番乗り場にも同じ発車時刻でモン・サン=ミシェル行きのバスが停まっていました。多客時には2
台が一緒に出るのかもしれません。
09:40に発車して、市街地を出ると広い道が続きました。制限速度も70キロ、90キロ、
110キロと高速道路並なので、快適に走っていきました。
|
約1
時間走ると、ポントルソン(Pontorson)駅の西側の踏み切りを通りました。上の写真のよう
に、構内は広いですが、線路ははがされているように見えます。
正式名称はPontorson-Mont St
Michel駅で、ここがモン・サン=ミシェルの最寄り駅ですが、非電化のローカル線で列車本数も少ないため、今回は利用を断念しました。2016年当
時、ドル発の列車は09:49着の後は13:39着までありませんでした。
2023年の時刻表ではさらに本数が少なく、ドルから1日3本、反対方面は1日4本しかありませ
ん。それでもパリから直通列車が2本あり、モンパルナス駅07:32発だと11:21に到着しま
す。
|
|
|
この直通列車に乗ると、駅から連絡バスで、モン・サン=ミシェルの島の足下まで行 けるようです。2016年はどうだったかはわか
りません。
2023年の時刻表ではその他、パリからグランビルに向かう列車が、Villedieu les
Poêles駅で、午前中に2本、モン・サン=ミシェル行きのバスに連絡していると書かれていま
す。
さてポントルソンから数分走ると、遠くにモン・サン=ミシェルが見えました。左はさらに近づいた
地点での写真です。雨のために霞んでいました。そして定刻10:50の少し前、モン・サン=ミシェ
ル対岸のバスターミナルに到着しました。
|
★嵐の中、島に足止め
|
バスが停まったのは広い駐車場の
島寄りで、約100m離れたところに観光情報センターと島への無料シャトルバス「Le
Passeur」の乗り場があります。
かつては島まで堤防道路が築かれ、島の足下の駐車場まで車で行けました。しかし堤防で潮流が遮ら
れて砂がたまり、島の周囲が陸地化したため、堤防は撤去され、2014年7月に新しい橋が開通しま
した。自家用車やバスは対岸の駐車場に停め、そこから45分歩くか、シャトルバス、または馬車で向
かうことになりました。
左の写真はシャトルバスに乗り込むところです。発車すると、すぐにホテル街を通ります。1979
年に宿泊した「K Motel」は、メルキュールホテルに変わったものの、存続していま した。
|
さて
シャトルバスは島の足下まで行くとおもっていたのに、ずいぶん手前で停まりました。ここが下車場所
のようです。上の左の写真は、修道院の入り口付近から撮影したものですが、これを見ると、遠さがわ
かると思います。公 式ガイドマップには「350m手前」とありまし
た。
島の全景を眺めてもらうためなのでしょうか。でも今回はバスを降りると強い吹き降りでした。傘が
飛ばされそうになりましたが、仕方なく急ぎ足で島まで歩きました。上の右の写真を見ると、橋脚の細
さがよくわかります。
右は島の入り口にある有名なオム レツ料理のレストランです。開店を待って、ゆっ
くり食事しました。
|
|
|
昼食
後、左の「大通り」を進みます。本来は真っすぐ進むと修道院の入り口にたどり着きますが、途中が通行止めに なっていました。
迂回路はわかりにくく、サン=ピエール教会を通り抜けるようになっていました。そして右のよう
に、墓地から修道院へ向かいました。
修道院のはゆっくり見学しましたが、「鉄道の旅」なので説明は簡単にします。まず強風で危険なた
めか、西のテラスへは出られませんでした。以下、順路に沿って紹介します。
下の左が上層部の「付属教会」。真ん中が「回廊」。右が「食事室」です。回廊と食事室は、「ラ・
メルヴェイユ(驚嘆)」と呼ばれる3層の建物の最上階になります。
|
|
|
|
|
食事
室から中層階に降りると「迎賓の間」
です。そして右の写真が「太柱の礼拝堂」で、この柱が付属教会の内陣を支えています。右端は荷揚げ
用の車輪です。まどから下をのぞくと こんな感じで、修道院の外へ出て下か
ら見るとこうなります。
現在も建築資材などの荷揚げに使われています。
|
|
|
|
左は「騎士の間」で、回廊の真下にあたるラ・メルヴェイユの中層階で、迎賓の間の隣になります。ここから階段を下るとラ・メルヴェイユの下層階で、迎賓
の間の真下に「司祭の間」
があります。ここは現在、土産品売り場となっています。
外を見ると風雨が強まっており、吹き飛ばされ そうになりながら歩いている人が見え
ました。それでも島内はまだ穏やかで、修道院から
の帰りは下の左の写真のように、来る時とは違う階段を通って「大通り」へと戻りました。
|
|
レン
ヌ行きのバスは、17:30なのでまだ時間があります。お土産を買い、14時半ごろ、シャトルバス
へ向かおうとすると、島の出口を2台の警察車輌がふさいでおり、出られなくなっていました。
|
|
|
どうやら風雨が強すぎて、連絡橋
の途中まで行くことが危険と判断され、シャトルバスが近くまで来ることになったようでした。他にも
小学校の遠足のような子供たちが大勢待っていました。
やっとシャトルバスが来たのですが、まずは子供優先でした。次のバスをじっと待ちました。結局
30分くらい待ってバスに乗れたのですが、17:30のレンヌ行きバスの時刻が迫っていたので、
ちょっと冷や冷やしました。
シャトルバスで観光情報センターまで戻ってほっと一息です。案内の女性にバスの切符について聞く
と、「車内で買って」とのこと。到着した時のバス停で発車を待っていたバスに乗り込みました。
|
★駅舎内で時間待ち
帰りのバスも順調に走りました。上の左は途中の田舎道ですが、真っすぐなので70キロ制限です。
レンヌ駅バスターミナルには定刻の18:40に到着。まずコンコースで列車の時刻を確認しまし
た。上の右のように、パリ行きはやはり20:05までありません。左の時計の下には赤字で、「全国
的なストライキにより、鉄道交通が大幅に混乱している」との表示が出ていました。
SNCFの赤いベストを着て案内するスタッフの姿もありました。
コンコースは広いためか寒かったため、右の写真のように別棟の切符売り場の前で少し休みました。
ただこのベンチは「待ち合わせ場所」であって、待合室ではないので、またコンコースに戻って列車を
待ちました。
|
|
|
コンコースの全景です。駅舎改築
中なので、仮駅舎だったのかもしれません。右手に見える階段を下りるとホームに出ます。
幸い、空いたベンチが見つかったので、じっと座っていました。駅前へ出て食事場所を探す時間は
あったのですが、2人ともさすがに疲れていてその気力はありませんでした。コンコースの売店でサン
ドイッチやコーヒーを買い、夕食代わりにしました。
このため、帰りの列車の写真はまったく撮影できていませんでした。パリ・モンパルナス駅到着は2
分遅れの22:21でした。
|
<<前のページ | 次のページ
>>
|