OLYMPUS 35SP(Black) 

中学生になると、友達同士で遊びに行く機会も増え、自分のカメラが欲しくなりました。
そんな頃に雑誌の広告を飾っていたのがオリンパスの35ミリカメラシリーズでした。
この35SPはシリーズの頂点に立っていたカメラで、あこがれのまとでした。
そのため、35SPのことを説明する前に、当時の35ミリシリーズの全体像を見てみましょう。

カメラ
発売年月
ケース付き価格
重さ
特徴

トリップ35

1968年5月

1万3500円

410g

セレン光電池を使い、電池不要のプログラムAE機

35SP

1969年4月

2万4800円

600g

プログラムAE+マニュアル。レンズはF1.7でスポット測光が可能

35EC

1969年12月

1万9800円

410g

電子シャッターで4秒までの長時間露出が可能なプログラムAE機

35RC

1970年10月

2万2300円

410g

シャッター速度優先AE+マニュアルの上級者向きサブカメラ

35DC

1971年4月

2万6800円

490g

あらゆるフラッシュ装置でプログラムAEが可能。レンズはF1.7

35EC2

1971年7月

2万800円

410g

35ECに、電池が消耗したときのレリーズロックを追加したもの

35ECR

1972年4月

2万2800円

410g

35EC2に、二重像合致式の連動距離計を組み込んだもの

35UC

1973年10月

3万3800円

600g

35SPの外観デザインを変更(個人的には改悪)したもの

35DC(BC)

1974年7月

3万3800円

490g

35DCに、バッテリーチェック機能を追加したもの

35ED

1974年7月

2万6800円

415g

ECRとDCのいいところを組み合わせたオートの決定版


35SPだけが一回り大きいことがわかりますが、
これでもそれ以前のカメラからは100g近く小さくなっています。
このカメラは、1955年のオリンパスS以来の大口径フルサイズカメラの流れと
60年4月のオリンパス・オートアイ以来のAE機の流れを一つにまとめたものです。
Rollei35のところでも紹介した「ズイコー夜話」で桜井栄一氏は
「小型だがピリリと辛い贅沢なカメラであった」と語っています。

上の表の最初にあげたトリップ35は、
ハーフサイズのペンシリーズの35ミリ版といった位置づけであり、
35SPからオリンパス小型カメラの新時代が始まったといえます。
そして35EDのあと、輸出専用の35RD(DCの外観にRCの機能)を最後に
オリンパスの金属製コンパクトカメラ時代は終わり、
79年5月のXAから新しいプラスチックカメラの時代となるわけです。

さて35SPの話にもどります。
この名前は上の表にも書いた「スポット測光」にちなむものでしょう。
でも、ニコンのSシリーズの最高級機、NikonSPのように、
プロっぽい気分を感じさせてくれます。特にブラック仕様はそうです。

ファインダーの倍率も0.7倍と大きめで見やすく、距離計の二重像もはっきりしています。
レンズは5群7枚と贅沢な作りの大口径。
シャッターはセイコーシャの機械式で、1秒から1/500秒まで。
ライバルのNewCanonetQL17はコパル製シャッターで、1/4秒から1/500秒でした。

鏡筒には根本からピントリング、絞りリング、シャッター速度リングの順に並び、
絞りリングのAとシャッター速度リングの窓に出てくるAを合わせると
プログラムAEとなり、外せばマニュアルとなります。
現在AE機能には少し不安がありますが、マニュアルは健在。
ずしりとした手触りは高級感が漂います。

こんなカメラが91年9月にはわずか7000円で中古カメラ店に並んでいました。
NewCanonetの6000円といい、このようなカメラを見つけるのは、
ファンにとってはたまらないものです。
でも、最近はこの手のカメラが並んでいることは、めったにないようです。

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