Zeiss ポケットグラス 10x25 BP

あこがれのツアイスの高級機。
1995年7月、これもカメラのナニワ本店で買いました。
かつては7万円くらいして、とても手が出なかったのですが、
定価5万4000円まで値下げになり、何とか手が届くところになりました。


左の写真のように2軸折り畳み式なんですが、他の機種と違うのは、
右の写真のようにZ型に折り畳めること。
これで横幅がずいぶんコンパクトになります。


右側の軸にはピント合わせのダイヤルがあり、
誇らしげな「Made in Germany」の文字と、目立つ赤字で「T*P」の文字。
「T*(スター)」とはツアイスのレンズコーティング、
「T*コート」が施されているという意味です。
また「P」は、プリズムの位相差補正コート(フェイズコート)の意味です。
小さくても、しっかりと作られた高級品です。
また左側の軸には、視度補正ダイヤルがあります。
こちらのダイヤルには、ギザギザが付けられていない上、
0のところにはクリックがあって、簡単には動かないようになっています。
辻本は裸眼では右が少し悪いので、すこしこのダイヤルを動かします。
0にクリックがあるのはいいですが、すこし動かした状態で固定することはできません。
やっぱり、どの位置であっても、固定できるのがありがたいと思います。

さて、10x25というスペックは、手元にタスコのカモフラージュカラー機もあります。
ところが夕方や夜間にのぞき比べてみると、素人にもはっきりとわかるくらい、
視野の明るさに差があります。
ちょうど、薄い膜を1枚はがしたような明るさです。
これが高級レンズと優れたコーティングの威力なのでしょうか。

また、わずか200gと軽いので、旅行のお供には最適です。
それで、石鎚山登山にも持っていったのですが、
上の写真に見える接眼レンズのキャップをひとつ、頂上から落としてしまいました。
このキャップは、ゴム見口の内側に嵌め込む方式ですが、ゆるゆるなんです。
いつも気を付けていたんですが、足場の悪い頂上の岩場で、
うっかり落とし、あれよあれよというまに転がっていってしまいました。

それから見た目は華奢なボディーですが、
ピント合わせはインナーフォーカスになっており、
いちおう生活防水(防滴)だということです。
でも、さすがにこれを雨にさらそうという気にはなれません。
水しぶきなどが予想される場所には、シュタイナーのロッキーがお供です。

この機種を買ったころは神戸の東灘区にすんでおり、
よく六甲山へ登って下界の風景を楽しみました。
お気に入りの場所は、六甲ケーブル山上駅の近くにある天覧台です。
ここは標高約800メートルなんですが、
関西国際空港に北西側から着陸する飛行機が、ちょうど目の高さを横切ります。
右手から現れた飛行機が左手へ横切っていき、
大阪市内の手前上空で大きく右へカーブ。
そしてどんどん高度を下げて関空に着陸するまでがすべて見えます。
また神戸のポートアイランドにあるKCAT(神戸CityAirTerminal)を出た高速艇が
白い航跡を残して関空島に向かう姿もはっきり見えます。
ニコンのエスパシオターモンなど、何台も持ってきて、
飽かずに見比べていました。

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