Nikon ルック8 8x24
Yahooのオークションで入手しました。
ルックは東京五輪が開かれた1964年に、6x18が初めて発売になり、
ベストセラーになった機種です。
時刻表の1970年8月号に出ているニコンの広告には、
ルック6(6x18)、ルック7(7x21)、ルック8(8x24)の
3機種が紹介されています。
ちなみにルック8は9800円です。
【2004年6月14日】ニコンのこの資料を見ると、
1964年に発売になったのはルック6だけで、
ルック7は1965年、ルック8は1967年の発売のようです。
デザインの特徴は、レイバンのサングラスのような、
ナス型の前面フォルムでしょう。
対物レンズだけでなく、周囲の全面を保護ガラスが覆っています。
光学性能を考えると、余計なガラスは邪魔者でしょうが、
気軽に使ってもらうためには、汚れてもふき取れるガラスがあると安心です。
そんなところも、マニア以外にも広く使ってもらおうという
メーカーの姿勢の現れでしょうか。
その半面、接眼レンズ側は時代を感じる作りで、
アイレリーフが短いため、眼鏡をかけたまま見るには不向きです。
今回入手した機種は、右側の対物レンズにほんの少しカビが発生していますが、
のぞいてみると気にならない程度です。
視界はクリアで、像はシャープな感じ。
最近のニコンの低価格機は、コスト最優先のため、
従来のニコンらしさが失われてきているとの声も聞きますが、
この機種は、大衆機とは言え、手を抜いているところは感じられず、
ニコンの名に恥じない作りです。
【追記】2002年6月、ニコンのサービスセンターにカビの除去を依頼。
大阪・梅田に持ち込んだんですが、
大阪では処理できず、東京へ送られたようです。
担当者から電話があり、「古い物なので完全には除去出来なかった」とのこと。
でも、見た目にはカビの存在はまったくわからなくなり、
レンズはピカピカになりました。
ただ対物レンズ前面の保護ガラスは交換部品が無く、
曇りが取り除けないままになっています。
まあ、使うには影響ありません。
形式的には、対物レンズが接眼レンズより内側にある、
コンパクト・ポロ型です。
現在、この形式は、ペンタックスのタンクローシリーズや、
ニコンのリビノシリーズなど、
左右の対物レンズを一体のケースに収め、
接眼レンズ部分を動かして目幅に合わせるスタイルが主流です。
しかし、辻本はこのスタイルが好きになれません。
ルックの形が気に入っています。
左の写真は右側面で、こちら側には「Nikon」のロゴはありません。
黒いディンプルのついたボディは、持ちやすいです。
形はコンパクトですが、
重さは実測で420gと、そこそこあります。
300g前後のタンクローなどと比べると、重いです。
やはり、金属が主体だった、昔の道具という感じですが、
それが苦にならず、むしろある意味で高級感につながるから不思議です。
双眼鏡が耐久消費財であったこの時代、ケースも必需品。
常にケースに入れて携帯し、すぐ取り出して使えるように、
ケースの上部にストラップを通す穴があいており、
ジッパーは下側を開くスタイルです。
右は同じ8x24のシュタイナー・ロッキー、
左は8x21のペンタックス・タンクローミニです。
ルックもなかなかコンパクトです。
とってもお買い得の一品でした。
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