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★ 海から見たしまなみ海道(その3)

5)来島大橋

 最後にくぐる来島大橋は、世界初の三連吊り橋です。

 橋は尾道側から第一、第二、第三の順。上の写真は第一と第二がつながる部分。中央のアンカレイジが「4A」、左 側の主塔が 「3P」、右側が「5P」です。写真では「4A」は島に設置されているように見えますが、実際は武志島と小武志島の 間の海中にあります。
 船は右側の第二大橋の下をくぐります。

 下から見るとこんな感じ。同じ吊り橋でも、明石海峡大橋や瀬戸大橋と比べて違う点は、橋桁 (補剛桁)部分の厚みが薄 いことと、両端が鋭角になった箱形になっていることです。
 これは瀬戸大橋と違って下に鉄道を通す必要が無かったことと、風の影響を少なくするためで す。中央支間1000メートル級の吊り橋で箱桁形式が採用され たのは、来島大橋が最初です。

 上の写真は第三大橋の全景。左側が今治側の糸山。ここは来島大橋の絶好の展望台です。右側の島は馬島で、海を渡 る高圧線のための 大鉄塔(高さ201メートル)があり、赤白に塗り分けられているため、大橋以上に目立っています。また馬島では、工 事中の1998年6月10日に橋桁が落 下し、作業員7人が死亡、1人がけがをするという重大事故が起きています。
 また来島海峡は日本有数の海の難所であり、海上交通安全法で航行方法が詳しく定められています。第六管区海上保安 本部のホームページの「特集」の 中に、来島海峡の航路の詳しい解説があります。

6)今治 (おまけ)

 今治市は人口11万7000人、愛媛県第三の都市です。港は町の中心に近く、大きなターミナルビ ルがありますが、 やはりかつてのにぎわいは無くなってきているようです。

 今治は伊予の国府や国分寺が置かれ、古代の政治の中心でした。
 関ヶ原の戦いのあと、藤堂高虎が伊予半国・20万石の領主として今治に入り、1604年に海岸近 くに新しい城を築きました。三重の堀に海水を引き込んだ 「水城」で、五層の天守と20数棟の櫓があったといいます。
 1608年に高虎が伊勢に移ると、天守は解体され、丹波亀山城に移築されました。その後は天守は 建てられませんでした。

 現在の天守は今治市制60周年を記念して1980年に建てられたコンクリート建築です。天守の内部は六階建てで、最上 階からは来島海峡の三連吊り橋がよ く見えます。また堀は現在でも海とつながっており、干満によって堀の水位も変化します。

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