三の鎖を登り切ると、石鎚神社頂上社の前の狭い平地にたどり着きました。時刻は11時3分。ロー
プウェイを降りて
から2時間50分余り。途中でいっぱい休みながら登ったわりには、ほぼ標準的な所要時間で登ることができました。
左手に進むと、頂上の広場です。三の鎖を登らずに迂回路をたどると、頂上社の向こう側を回って広場に至る形になりま
す。そちら側には山頂小屋もあります
が、現在は建て替え中で使えません。小型の建設機械も動いており、ヘリコプターで機材を荷下ろしするための仮設のデッキ
も設けられていたりします。
広場や頂上社の石段ではすでに多くの人が休息していて、弁当を食べている人もいます。でも、なによりも目に付くのは、
すぐ東側にそびえる天狗岳の勇姿で
す。
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右側(南西側)の傾斜と比べ、左側(北東側)の垂直に切り立った岸壁が見事です。
この天狗岳が標高1982mで、西日本最高峰になります。頂上社のあるいわゆる山頂は弥山と呼ば
れ、地図には標高点はありませんが、1974mと言われ
ています。
鳥取にいたときに大山に登りましたが、あちらも三角点のある山頂は弥山と呼ばれ、最高峰は剣が峰
でした。
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大山の場合、弥山から剣が峰に向かう切り立った尾根道の崩壊が年々進み、通行止めでは無いものの、通行自粛措置がとら
れています。それに比べると、石鎚
山では多くの人が天狗岳にチャレンジしています。
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広場からの降り口が最初の難関で、こんな岩場になっています。降り口の最初には短い鎖も設けら
れているくらいです。
ここを降りると尾根道が始まりますが、その部分の右側が大きくえぐれており、断崖になっていま
す。写真で言うと、ピンク色のズボンをはいた女性の左下方
向にあたります。このため、この場所からは下の大きな岩を右(男性がいる方)を回るのが正解です。
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尾根道はやがて岩場となり、滑らないようにそろそろと進むと、天狗岳の頂上に着きます。頂上を示す標識などはなく、小
さな「王子」が祀られています。
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後ろの小さな祠が「王子」で、登山道には36か所の王子が祀られています。右下に見える箱は賽
銭箱です。
「王子」とは菩薩の一族だということですが、登山道に設けられているのは、道しるべを兼ねている
のでしょう。熊野詣の旧街道に祀られている九十九王子も
有名です。
ごらんの通りの好天で、とても気持ちが良かったです。
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ガイドブックによると、条件が良ければ北は大山、西は阿蘇山まで見えるとあります。大山なら姿形をよく知っているの
で、頑張って探しましたが、遠くは霞
んでおり、無理でした。しかし、しまなみ海道の来島海峡大橋は見つかりました。
天狗岳から弥山のほうを見るとこんな感じです。手前の岩場の向こうに見えるピークが弥山です。
写真に見えるとおり、弥山の混雑に比べると天狗岳は空いており、岩場に寝そべってひなたぼっこしている人もいま
す。辻本たちも、
存分に西日本最高地点を堪能しました。
ゆっくりしたあと弥山に戻ると、弁当を広げる小学生の団体で大にぎわいでした。辻本たちもビールで乾杯し、昼食。
登山に備えて朝食は少なめにしていたの
で、おいしかったです。
食後もゆっくりして、周辺の山の名前を確認しようとしました。東側に特徴的な姿を見せているのが「瓶ヶ森」
(1897m)。こちら側に「氷見二千石原」
と呼ばれる広い笹原が広がっており、どこからでもすぐわかります。なのに写真は取り忘れです。
一方、西側の眺望は下の通りです。
正面の山が「二ノ森」(1929m)。その名の通り、このあたりでは石鎚山に次いで二番目に高い山で、一等三角
点があります。そ
のすぐ右側が「鞍瀬ノ頭」。標高点はありませんが地形図からは1880mくらいです。その右側少し低いピークが、全
山が笹に覆われた「堂ヶ森」
(1689m)です。頂上に反射板が設けられており、目立つ山です。面河ダムの湖畔からはすぐ近くに見えます。