「ツアイス・イエナ」の高品質な小型双眼鏡です。
Theatisというのは、英語のtheaterに通じ、「劇場」の意味だと思います。
その名の通り、観劇用が主たる用途なのでしょう。
では「オペラグラス」かと聞かれれば、
そうであるとも、無いとも言えます。
「オペラを見るための光学機器」という意味なら、オペラグラスですが、
世間に多く出回っているプリズムを使わない安価なオペラグラスとは違います。
このような安価なオペラグラスは「ガリレオ式双眼鏡」とも呼ばれ、
広い意味では双眼鏡ですが、
厳密な意味では、プリズムを使う双眼鏡とは区別したいと思います。
で、このTheatisは、プリズムを使っているのですが、
小型化、薄型化のために、シュプレンガー・レーマン・プリズムという
珍しい形のプリズムを使っています。
接眼レンズ側から見ると、こんな感じです。
名前の下にある、「1」と「Q」を組み合わせたようなマークは、
ツアイス製品のうち、高品質なものに付けられるマークだそうです。
「Q」はQuality（品質）の意味でしょう。
Theatisは、金色でワニ皮を張った高級タイプがよく知られています。
（ビクセン博物館にも紹介されています。）
しかし、この通常タイプも、持つとズシリとした緻密な感じがして、
十分な品質感を与えてくれます。
Theatisは、1929年から1980年まで、長い間作られ、
この製品は製造番号から1968年製造とされています。
同じようなタイプのTeleaterが1909年から1931年まで作られているので、
Theatisは、その後継機としての位置づけでしょうか。
金色Theatisは、鏡のついた箱のようなケースに入っているのですが、
こちらは上の写真のようなソフトケースです。
他の小型機とのサイズの比較は、
Teleaterのページをご覧下さい。
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