Nikon 35Ti 

CONTAX Tで始まった「高級コンパクト」の流れの中で、
ニコンから発売されたのがこの機種。
それまで中古を中心に買っていた辻本も、カタログを見て欲しくなり、
すぐ神戸のカメラ店に予約。
1993年12月3日、その店に最初に入荷した品を手に入れました。

カタログの写真はわりとギラギラとしていたのですが、
箱から出されたときには「意外と渋くていい色だな」、と好印象を持ちました。

このカメラのウリは、
ニコンのコンパクトカメラで初めて「Nikkor」の名を得たレンズと
一眼レフ並の分割評価測光を採用した露出コントロール。
そして、カメラ上部にある時計の針のようなアナログメーターです。

 右の針が絞り表示、左が距離、下が露出補正、上がフィルムカウンター兼長 時間露出の秒カウンター。
 設定するときだけでなく、撮影時にもデータを示してくれます。
 腕時計メーカーの協力を得て作られているそうで、針は小気味よく動きます。


このメーターについては、かなり好き嫌いが別れたようですが、
辻本は気に入りました。
一方、露出は文句無く素晴らしいです。
特にストロボを使った場合の自然さが絶妙です。
買ってすぐ、雪景色の中で、コートのフードをかぶった人物の写真を撮り、
背景の雪も、顔も適正露出だったのを見て、感激しました。
以来、常用カメラとして使い続けていますが、
プログラムオートでも絞り優先でも、露出が外れたことはありません。

欠点は、ストロボモードの切り替えスイッチが使いにくいことでした。
その後、レンズを28ミリのワイドにし、ブラックボディーになったNikon28Tiでは
スイッチがボタン式から切り替え式に改良されました。
そして、35Tiのスイッチも28Ti型に交換する純正のサービスが行われたため、
辻本も取り替えました。このため不満はありません。

カメラファンの間では、35Tiより28Tiのほうが人気が高いようですが、
辻本は風景写真よりスナップ中心なので、35Tiが気に入っています。
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