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★ ポンテ・ヴェッキオ(2005年7月)
Ponte Vecchio



世界でも最も有名な橋のひとつが、このポンテ・ヴェッキオです。
イタリア語でPonteは橋、Vecchioは古いという意味。
その名の通り、1345年に完成したフィレンツェで最も古い橋です。

特徴は、なんといっても「家付き橋」であること。
かつてヨーロッパにはこのような橋が多かったそうですが、
いまではこのように大規模なものは、
ほかにはエアフルト(ドイツ)のクレーマー橋くらいです。

家があるので橋の形は目立ちませんが、3連のアーチ橋です。
経間は27m+30m+27m。アーチの高さは3.9mと4.4m。
経間との比例は1/6.6から1/6.9で、かなり扁平なアーチです。



橋の上はこんな感じ。観光客で賑わっています。
両側に金銀細工の店が並んでおり、
なんとなく歩いていると、橋の上にいることに気が付かないでしょう。

 

ショーウインドーは明るく、大勢が見入っています。
日本語が通じる店もありました。
北から南へ渡っていて、振り返るとドゥオモが見えました。



橋の中央部のみ、家が無く、川が望めます。
また家の上に重なるように連なるのは、
「ヴァザーリの回廊」と呼ぶ廊下で、
北側のヴェッキオ宮からウフィツィ美術館を経て、
南側のピッティ宮殿まで続いています。
メディチ家のコジモ1世が、雑踏を避け、暗殺の危険を逃れるため
ヴァザーリに命じて1565年に作らせました。(1564年説もあり)
最初の写真で、右手前に延びているのが、
ウフィツィ美術館につながっている部分です。
現在回廊は、著名画家の自画像を集めたギャラリーになっており、
ウフィツィ美術館で事前に予約すれば見学ができます。

当時は橋の上には肉屋やなめし革職人の店などがありましたが、
16世紀末(1593年?)に、フェルディナンド1世が、
肉屋などを放逐して金銀細工の店に変えてしまいました。
その理由としては、店の悪臭や川を汚すことを嫌ったとか、
付加価値の高い金銀細工の店から、上前を取るためだったとか
様々にいわれています。



このように中央部は、ちょっとした広場の風情があります。
川を眺める人たちが大勢たたずんでいます。



反対側(下流側)はもっとオープンです。
中央に建っている胸像は、ベンヴェヌート・チェッリーニ。
「フィレンツェ金銀細工の父」との銘が刻まれているとのこと。
彼はシニョーリア広場にある「ペルセウス」像の作者です。



下流側から見たところ。午後8時20分(夏時間)です。
日本では夜の時刻ですが、夕陽がまぶしいころです。

ところで、上流側から見た写真でもそうでしたが、
橋の上の家を支えているのは細い柱だけで、
どうも危なっかしい気がするのですが、大丈夫なんでしょうか。



こちらは完全な夜景。下流のサンタ・トリニタ橋から見たところ。
左手(右岸)側の道路は、街灯が多くて明るいですが、
市内中心部を通り抜ける貴重な幹線道路で、車も多かったです。
左岸側は、ホテルなどが川べりに立ち並んでいます。



ポンテ・ヴェッキオ越しに下流側の橋を見たところ。
手前から、サンタ・トリニタ橋、カッライア橋、
それにアメリゴ・ヴェスプッチ橋の順です。
手前のふたつは、古そうな橋ですが、
ポンテ・ヴェッキオ以外の橋はすべて、
第二次大戦末期の1944年、ドイツ軍が撤退時に爆破されました。
しかし、サンタ・トリニタ橋は、川から破片を拾い集め、
昔の姿通りに再建されたそうです。
(カッライア橋もそうなのかな?)

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