Nikon Vライン 8x23V CF

1982年に8x23と10x25の2機種が発売されたこのVラインは、
60年代から70年代にかけてベストセラーとなった
ルックシリーズの後継機種です。
同じ頃に、NikonF3をデザインしたイタリアのデザイナー、
ジウジアーロがデザインを担当したことでも有名です。
グッドデザイン賞も受賞しています。


ルックの8x24と比べると、長さは少し長くなっていますが、
重さは約420gから365gと、かなり軽くなりました。
それでも、合成樹脂が中心の現代の双眼鏡と比べると、
まだまだ「ズッシリ感」が存在します。
一番の特徴は、外装がラバーではなく、
茶色の皮革(天然?)を使っていることです。
このため手触りが温かく、しっくりと手に馴染みます。


サイドにはニコンのロゴが入ったプレートがついていますが、
文字はビビッドなオレンジ色。
さらに格子状の模様がアクセントになっており、
大変お洒落な印象を与えています。

 
曲線を基調にしたルックと比べると、
Vラインは、直線が基調で、それが名前の元になったのでしょう。
対物部は保護ガラスが無くなりました。
接眼部はゴム製の見口になり、のぞきやすくなりました。
全長が長くなった代わり、横幅は少し短くなっています。

1990年5月のカタログを見ると、まだ掲載されていますが、
この年の4月14日に、VラインIIが発売予定として出ています。
このころから後継機種と入れ替わったのでしょう。
VラインIIは多層膜コートになり、1000円高くなっていますが、
デザインは初代の方が明らかに優れています。


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